企画力を鍛えることは自社のビジネスを成長させるだけではなく、個人のキャリアアップにもつながるでしょう。しかし、「企画力って鍛えられるの?」と悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。結論からお伝えすると、個人の企画力を伸ばすことは可能と考えられます。
そこで今回は、企画力を鍛える方法や同時に伸ばすべきスキル、参考になる本などについて解説します。企画力を成長させてキャリアアップしたい方や会社に貢献したい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
そもそも企画力とは
鍛える方法の前に、企画力の意味を正しく理解しておきましょう。企画力とは、新しいアイデアや計画を考案して、作成したプランを実行に移すまでのスキルを指します。ビジネスシーンでは企業や顧客の課題を発見して、問題を解決する企画を考えることが一般的です。
つまり企画力は良いアイデアを出すだけではなく、具体的な行動や成果を挙げるための施策を考えることと考えられます。
企画力と発想力の違い
企画力と発想力は似た意味をもちますが、双方の内容は異なります。発想力はアイデアを生み出すことが一般的であり、企画力にはアイデアを実現するまでのプロセスも含まれます。
したがって発想力は「何をするか」を考えることであり、企画力は「何を・どのようにするか」までを計画するスキルといえるでしょう。
企画力を鍛える方法6選
それでは、企画力を鍛える方法を紹介します。人によっても異なりますが、自身の企画力を成長させたい方は、下記の6つから取り組んでみてください。
- より多くの情報を仕入れる
- 多方面から物事を観察する
- ユーザー・顧客にヒアリングする
- 仮説から企画を参考にする
- 競合他社の企画を練り上げる
- アウトプットの量を増やす
順番に見ていきましょう。
より多くの情報を仕入れる
企画力を高めるには情報収集が大切になります。なぜなら多様な情報・データを集めることで、市場の変化やトレンドを把握できるからです。そのため話題になっている情報は定期的にインプットしておきましょう。
例えば最新情報を集めるならニュースやSNS、Googleトレンドなどを活用するなどが挙げられます。より深い知識をインプットする場合は、専門書や関連する論文などを読むことも有効です。情報は企画を考える際の武器になるので、自分なりのリサーチ方法を見つけておきましょう。
多方面から物事を観察する
異なる視点から物事を見ることは、企画力の向上につながります。例えば企業の場合、既存商品の視点を変えて新しいターゲット層への企画を考え、利益率を成長させることがあります。そのため常識と考えられる物事を別の角度から観察することは、優れたアイデアにつながる可能性があるでしょう。
また第三者からの意見をもらうことも斬新な企画を作る際に有効です。自社の強みやサービスの特徴をあらゆる方面から観察して、新しい可能性を探ってみてください。
ユーザー・顧客にヒアリングをする
ユーザー・顧客にヒアリングすることも企画力を鍛えるポイントです。既存顧客に質問やアンケートなどを実施して、ユーザーの悩みを直接聞いてみましょう。ただしヒアリングをする際は、相手の潜在的なニーズまで考えることが大切です。潜在ニーズとは本人でも気づいていない課題や問題を指します。
例えば「ダイエットをしたい」というニーズには「痩せたい」だけではなく、「おしゃれを楽しみたい」や「健康的になりたい」などの願望が含まれている可能性があります。
具体的なニーズは時期やその人の属性などによって異なるので、ヒアリングをして適切な悩みを導き出しましょう。
仮説から企画を練り上げる
思いついたアイデアから企画を練り上げることも、企画力向上のトレーニングになります。例えば自身のキャリアが思うように成長しない場合、「なぜ上手くいかないんだろう?」と考えてみましょう。
自分なりに課題を見つけたら解決策を考えて、具体的な企画として実践可能なレベルまで落とし込みます。企業の利益向上も同様に、「どうすれば売上が上がるのかな?」と問題を探して解決する企画を考えてみてください。
競合他社の企画を参考にする
新しいアイデアが思いつかない場合は、競合他社の企画などを参考にしてみましょう。X(旧:Twitter)やInstagramなどでは、企業が独自のキャンペーンを行っていることがあります。新しいビジネスを立ち上げる際は、さまざまなサービスのビジネスモデルを確認できる「Bizgram」なども活用できるでしょう。
他の会社の動きを分析することで、自社に生かせる企画が思いつくかもしれません。発想だけではなく具体的なプロセスも参考にして、新しい企画を考えてみましょう。
アウトプットの量を増やす
アウトプットとは簡単にいうと、インプットした情報をもとにコンテンツを作成したり、人に伝えたりすることを指します。インプットとアウトプットを繰り返すことで企画の質は高くなります。
例えば仕入れた情報を参考に企画書を作成してプレゼンテーションすると、相手から適切なフィードバックを得られるでしょう。考えたプランをSNSなどで発信することにより、ユーザーの反応を調査することも可能です。
情報収集だけではなく形にすることで自身のスキルも向上するので、インプットした情報は積極的にアウトプットまでしてみてください。
企画力と同時に鍛えるべきスキル
次に、企画力と同時に鍛えるべきスキルを見ていきましょう。
- 論理的思考
- リサーチ能力
- コミュニケーション能力
- プレゼンテーション能力
人や企業によっても異なりますが、一般的には上記の通りです。順番に解説します。
論理的思考
論理的思考とは、事実やデータなどをもとに合理的な結論を導き出す能力を指します。企画を考える際には論理的な思考が重要になります。なぜなら実現可能かつ効果的な企画を作成するには、事実と仮説を組み合わせて論理的な計画を作るからです。
「なぜこの企画で結果が出るのか」を説明するためにも事実に基づいたゴールを導き出し、確率の高い企画を考えるスキルを身につけましょう。
リサーチ能力
優れた企画の多くは市場のニーズやトレンド、競合他社の動向など、さまざまな情報をもとに作られることが一般的です。そのため企画力とリサーチ能力は密接な関係にあると考えられます。
効率的かつ効果的なリサーチ能力があれば必要な情報を迅速に集めて分析することが可能です。また自社での調査が難しい場合は、リサーチ会社に依頼したり、アンケート調査の結果を公開している「リサーチリサーチ」などのサービスなどを活用するとよいでしょう。
コミュニケーション能力
基本的に企画は一人で行うものではなく、組織やチームでの作業を行います。したがってチームメンバーや関係者とコミュニケーションをとることが大切です。
適切なコミュニケーションを行うことで自分のプロジェクトの意図を理解してもらえるだけではなく、作業スピードも向上するでしょう。また異なる考えをもつ方々と会話を重ねることで、新しい発想や視点を得ることも期待できます。
プレゼンテーション能力
どれだけ良い企画を作ったとしても、それを伝えるスキルがなければ価値を十分に発揮できないかもしれません。そのためプレゼンテーションの方法は理解しておきましょう。企業によっても異なりますが企画のプレゼンテーションでは、計画の背景や内容、期待される効果を伝えることが一般的です。
自分のアイデアで企業をサポートするためにも、企画の伝え方や資料の作り方は理解しておきましょう。
企画力がある人の習慣
企画力の鍛え方はわかったものの、「企画力が高い人になるにはどうしたらいいんだろう…?」と考える方がいらっしゃるかもしれません。人によっても異なるのですが、優れた企画を生み出せる方には、下記の習慣があるようです。
- 人と交流する時間を作る
- 定期的にメモをとる
- インプットの時間を確保する
順番に見ていきましょう。
人と交流する時間を作る
企画を生み出すことが得意な方は、人と交流する機会が多い傾向があります。業界に関わる方だけではなく、全くの異業種で活躍する人と接することで新しいアイデアや異なる視点を得ることが期待できます。
また他人との対話は自分の考えを言語化できるため、自身の考えを整理する機会にもなるでしょう。もし外部の方と交流する時間を確保できない方は、オンラインサロンやスクールなどのコミュニティに参加することも有力な手段と考えられます。
定期的にメモをとる
優れた企画を生み出す方は、メモをとる習慣があるようです。アイデアは突然降ってくることが多いですが、記録しないと忘れてしまいます。そのため、メモをいつでも取れるようにしておきましょう。
メモの取り方は人それぞれですが、近年ではスマホのメモアプリを使用する人がしばしば見られます。自分にあった方法で定期的にメモをとることを習慣にしてみましょう。
インプットの時間を確保する
企画力を鍛えるには新しい情報を得ることが大切です。そのため企画力の高い方は、「インプットの時間」を確保している傾向があります。人によっても異なりますが、本や論文を読んだり、セミナーやワークショップに参加することなどが挙げられます。
新しい知識を得ることで自分の考えを広げ、企画やプロジェクトと基盤を築けるようになるでしょう。企画力を向上させたい方は、無理のない範囲で情報をインプットする時間を確保してみてください。
企画力を鍛える際に役立つ本
ここからは、企画力を鍛える際に役立つ本を紹介します。
「センスは知識から始まる」著:水野 学
「センスは知識から始まる」は、クリエイティブディレクターの水野学さんが執筆した書籍です。企画やアイデアに大切な「センスの作り方」を学べる一冊であり、新しい発想を生み出すヒントが詰まっています。
またセンスのあるコンテンツの作り方についても詳しく書かれているため、斬新な企画を生み出したい方には参考になるでしょう。
「仕掛学-人を動かすアイデアのつくり方」著:松村 真宏
「仕掛け学-人を動かすアイデアの作り方」は、人の行動を誘導する仕掛けについて書かれた一冊です。スタンフォード大学でも採用されている「仕掛学」を学べる書籍であり、実際の企業事例などが掲載されていることも特徴といえるでしょう。生み出した企画で成果を挙げたい方は、ぜひ参考にしてください。
「学校では教えてくれない 企画・プレゼン超入門」著:京井 良彦
「学校では教えてくれない 企画・プレゼン超入門」はその名の通り、企画の考え方やプレゼンのやり方などについて解説している本です。会話形式で読める箇所が多く、読書が苦手な方でもスラスラ読めるでしょう。企画の作り方と形にするまでの具体的なプロセスが記されているため、同僚や上司への企画説明が苦手な方はこの書籍を読んでみてください。
企画力を鍛える際のポイント
最後に、企画力を鍛える際のポイントを紹介します。
- 実行可能なプロセスまで考える
- フレームワークを活用する
これから企画の勉強をする方は、上記の2つを意識してください。順番に見ていきましょう。
実行可能なプロセスまで考える
企画を考える際は、具体的なプロセスまで考えてみましょう。例えばビジネスシーンでのプロジェクトを作る際は行動プランだけではなく、必要経費の算出やゴールまでの時間までを徹底的に導き出すことが大切です。発想だけではなく実現可能なフェーズまで考えて、よりクリエイティブな企画を作ってみてください。
フレームワークを活用する
企画を考える際は、既存のフレームワークを活用してみましょう。具体的には9×9マスを使用するマンダラート(曼荼羅シート・マンダラチャート)や、アイデア整理に役立つKJ法などが挙げられます。
フレームワークを使用することで自社の課題をやるべきことを効率的に発見することが可能です。フレームワークは多数存在するので、自分にあったものを試してみるとよいでしょう。
企画力を鍛えて自信のキャリアを成長させよう
企画力を鍛えることは自社の利益を向上させるだけではなく、自身のキャリアアップにつながる可能性があります。自分に合った方法で企画力を向上させ、結果につながるプロジェクトを考えてみましょう。
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