近年、「コミュニティに関わる人とのコミュニケーションを図り、人と人をつないでいく」コミュニティマネージャーという職種が注目されてきています。
一方で以下のような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
「コミュニティマネージャーの仕事内容は何だろう」
「どうすればコミュニティーマネージャーになれるのかな?」
そこで、本記事ではコミュニティマネージャーの役割や業務内容、必要なスキルなどを紹介します。コミュニティマネージャーについて知りたい方やコミュニティマネージャーの仕事がしたいという方は、最後までチェックしてみてください。
コミュニティマネージャーとは
コミュニティマネージャー(Community Manager)とは「コミュニティの価値を最大限に高めていくための人」を指します。具体的にはコワーキングスペースやオンライン上などのコミュニティにおいてコミュニケーションを図り、人と人との架け橋となる仕事を担っています。
そもそもコミュニティとは
そもそもコミュニティとは「ある共通する目的や趣味・関心・属性を持つ集合体」を表します。
たとえば、同じ趣味の楽しさを共有したい人たちが交流したり、情報収集や人脈拡大をしたい人たちが集まったり、といった共同体です。そしてこのコミュニティの成長を促していく、いわゆるコミュニティマネジメントをしているのがコミュニティマネージャーです。
コミュニティマネージャーの種類と役割
コミュニティマネージャーの種類は、大きく分けて以下の3つに分けられます。
- 「組織活性型」
- 「生活創出型」
- 「顧客獲得型」
「組織活性型」
コミュニティの活性化を目指しています。たとえばオンラインサロンでのイベントを企画したり、会報誌を作成したりと、コミュニティの利用者同士をつなぐ仕事をしています。
「生活創出型」
団地や商店街といった生活に関わるコミュニティを管理する仕事で、地域内のコミュニティの維持や管理する役割を担っています。
「顧客獲得型」
マーケティング戦略を軸としており、SNSを使用して商品やサービスを広く知ってもらうことで、コミュニティにおける新しい熱烈なファンを増やす役割を果たしています。
コミュニティに関連する職種とその違い
コミュニティマネージャーのように、「コミュニティ」に関わる職種の例として以下があげられます。
- コミュニティコンサルタント
- コミュニティデザイナー
- コミュニティプランナー
コミュニティに関わる仕事は比較的新しい職種といわれています。企業によっては各職種を明確に区分していない場合もあるため、ご参考までにお読みください。それぞれ順に解説します。
SHElikesのコミュニティマネジメントコースではより詳しく職種の違いについて学べます。
コミュニティコンサルタント
コミュニティコンサルタントの仕事内容はコミュニティの経営に特化しており、主にコミュニティ運営の収支へのアドバイスを行っています。
コミュニティデザイナー
コミュニティデザイナーはコミュニティを活性化することを主な仕事としており、コミュニティに属している人たちのサポートを行っています。
コミュニティプランナー
コミュニティ内の仕組みを作ることが主な仕事で、コミュニティの既存の企画をより良いものにすることで、コミュニティの盛り上げに貢献します。
コミュニティマネージャーの仕事内容
続いて、コミュニティマネージャーの仕事内容を紹介します。具体的な仕事内容はコミュニティの種類や特徴、時代の流れなどの複数の要因によって異なりますが、主に以下の6つが挙げられます。
- コミュニティ戦略の立案
- コミュニティスペースのデザイン
- コミュニティの運営
- コミュニティ・メンバーの管理
- コミュニティ内でのイベント企画・実行
- コミュニティ活動の情報発信
それぞれ詳しく解説していきます。
コミュニティ戦略の立案
コミュニティ戦略とは「コミュニティにおける目標や課題点を考え、より魅力的なコミュニティにするにはどうしたらいいかを立案・実行していくこと」をいいます。
たとえば、コミュニティメンバーの満足度が下がってきた場合、改善策を立案するために「満足度アンケートで原因を調査する」などのフェーズごとにおける施策決定があげられます。「よりいいコミュニティにするためにはどうしたらいいのか」とコミュニティ戦略を練ることで、コミュニティに属する方たちの満足度を高めつつ、コミュニティへの新規加入者のさらなる増加を目指します。
コミュニティスペースのデザイン
コワーキングスペースやオンライン上など、人と人とのコミュニケーションができる場所をデザインしていきます。人がどのような行動をとるのか、どのような働きかけをすればコミュニティにつなげられるのかを考え、交流する場を設けます。交流の場を作ることで、コミュニティをさらに盛り上げる足がかりとなるでしょう。
コミュニティの運営
コミュニティを満足して利用してもらうために、環境を整えます。たとえば、コミュニティメンバーの会話をよりスムーズに行うために、LINEやSlack、Chatworkといったチャットツールやコミュニケーションツールを活用することで、コミュニティメンバー間の会話をしやすくする方法があげられます、形です。コミュニティをより利用しやすい仕組み作りをすることで、満足度向上を目指します。
コミュニティ・メンバーの管理
コミュニティメンバーの入会や退会といった、事務的な管理業務を行います。ちなみに、新規のコミュニティメンバーの加入を促したり、すでに加入している方のモチベーションアップを行ったりと、コミュニティを盛り上げていく役割も同時に行っていくことも同時進行で行います。
コミュニティ内でのイベント企画・実行
コミュニティを活性化するために、コミュニティメンバーが交流できるようイベントを企画します。コミュニティ独自の企画を立案・実行していくことで、コミュニティメンバーの満足度を高めることが主な目的です。
またコミュニティに飽きさせないように、大人数や少人数のイベントを開催し、コミュニティメンバーが参加しやすい場や機会をつくります。
コミュニティ活動の情報発信
ホームページやSNSといったオウンドメディアを使って、コミュニティ活動の情報を発信していきます。発信によって「このコミュニティに所属する価値は何か」を知ってもらうことは新しいメンバーの増加や既存メンバーのコミュニティに対する愛着心を育むことにつながります。競合のコミュニティに負けないようなアイデアを考えて、情報発信していくことが大切です。
コミュニティマネージャーの求人例
ここからは、コミュニティマネージャーの求人の一例を紹介します。
- 認知度拡大に向け、X(旧Twitter)やDiscordなどを活用したコミュニティ戦略の策定
- すでにコミュニティ内に所属している方の成功体験を支援する、カスタマーサクセスの充実
- コミュニティ内で発信するコンテンツやイベントの企画・実行や他社製品とのコラボに向けた社外関係者との交渉
このように見ると、コミュニティマネージャーは個人から企業に至るまで幅広い業務内容であることが分かります。雇用形態としては正社員や業務委託まであり、自分に合った働き方を選択しやすいといえるでしょう。
コミュニティマネージャーに必要なスキル
コミュニティマネージャーに求められているスキルは、主に以下の6つです。
- コミュニケーション能力
- SNS運用スキル
- マーケティングスキル
- プロジェクトマネジメントスキル
- スケジュール管理能力
- プラットフォーム管理・ITリテラシー
各スキルについて一つずつ見ていきます。
コミュニケーション能力
コミュニティマネジメントを行う以上、コミュニケーション能力は欠かせません。コミュニティマネージャーは新規・既存のお客様、社内外の関係者と横断的に連携していき、業務を行わなくてはいけません。「新規のお客様のニーズを汲み取る」「コミュニティ内のお客様のニーズに耳を傾ける」「社内外の働く仲間と円滑に業務を進める」、何に取り組むにしてもコミュニケーションが非常に大切になります。
SNS運用スキル
SNS運用の知識もコミュニティマネージャーに求められるスキルの1つです。InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどのSNSにはそれぞれ特徴があり、効果的に運用するためにはその特徴を理解しておく必要があります。
企業のコミュニティ運営における目的を達成するためにも、「どのような年齢層が利用しているのか」「どのようなアルゴリズム(仕組み)で多くの人に情報を届けられるのか」などの知識を有していることが大切なのです。
マーケティングスキル
コミュニティマネージャーになるには、マーケティングスキルも必要です。マーケティングスキルとは、自社の製品・サービスが売れる仕組みを作るための能力全般を指します。調査・分析・戦略の策定まで幅広い業務を担当し、ユーザーが「このコミュニティに新しく加入したい」「もっとこの製品・サービスについて知りたい」と思えるようなコンテンツを発信しなければなりません。コミュニティマネージャーとして活躍するためにもマーケティングスキルは欠かせないでしょう。
プロジェクトマネジメントスキル
コミュニティマネジャーは多くのプロジェクトを抱えるため、プロジェクトマネジメントのスキルも必要です。具体的には、社内外でのプロジェクトの計画策定から進捗管理、プロジェクト完了までの道筋を立てていくことなどがあげられます。企業内では規模を問わず、期限のあるプロジェクトがたくさんあるため、プロジェクト完成まで進捗を追えるようなマネジメントが大切です。
スケジュール管理能力
一般的にコミュニティマネージャーの仕事は幅広く、多くのタスクを同時進行で進める必要があるため、スケジュール管理能力も求められます。コミュニティ運営の目的から目標設定を行ったうえで実行しなければならない業務を洗い出し、逆算思考でスケジュールを策定するなどの取り組みが大切です。
プラットフォーム管理・ITリテラシー
コミュニティマネージャーにとってプラットフォーム管理・ITリテラシーも大切です。企業によっても異なりますが、プラットフォームにはコミュニティ作成・運営管理に特化した専用のシステム、コミュニケーションツールであるSlackなどの運用があげられます。またプラットフォーム管理においては、これらのシステム・ツールを適切に扱うITリテラシーも求められるでしょう。ITや運用の技術のトレンドは急速に移り変わるため、最新の動向を常にキャッチアップしていくことが大切です。
コミュニティマネージャーに向いている人の特徴
コミュニティマネージャーに向いている人の例は以下の通りです。
- 多くの人とコミュニケーションを取るのが好き
- 人の気持ちを深く読み取れる
- チームの人を巻き込んで課題に取り組める
- 人と人の架け橋になることが多い
- スケジュール管理をするのが得意
コミュニティマネージャーは多くの人とコミュニケーションを取る必要があります。コミュニティ活性化のため、新規のお客様が何を求めているのか、そしてコミュニティに所属している人たちをどうやって楽しめるのかなど、常に人の気持ちを汲み取っていくことが大切です。また多くのプロジェクトを抱えますので、スケジュール管理が得意な人も向いていると言えるでしょう。
コミュニティマネージャーの年収目安
コミュニティマネージャーは比較的新しい職種であり、年収データが少ないのが実情ですが、実際に求人を出す企業は増えつつあります。たとえばオンラインゲーム開発などの事業を展開する会社の求人では、SNS運用が行えるコミュニティマネージャーを募集しており、予定年収は400〜650万円です。
またIT・SaaS業界におけるコミュニティマネージャーは、BtoB領域におけるコミュニティ立ち上げや広報・PRの経験などが応募条件となっており、予定年収は750〜1,150万円などの例もあります。
コミュニティマネージャーの年収はスキルや経歴、業界によっても年収額は大きく変動するため、上記はあくまでも参考値として把握しておきましょう。
コミュニティマネージャーになるには?
コミュニティマネージャーになるには、スキルを磨き、求人募集をしている企業の応募要件にマッチしているかが大切です。コミュニティを運営する仕事や業界において標準となる資格は現在のところ存在しないようです。とはいえコミュニティマネージャーは特にコミュニケーション能力やマーケティング、SNS運用、企画力などのスキルが重要視される傾向にあります。またIT・SaaS業界ではITに関する前提知識や就業経験などを歓迎要件としている場合もあるでしょう。
そのため、コミュニティマネージャーになるには、まず自分が転職・就職したい業界を定めつつ、自分に合った方法でスキルを身につけることが重要です。ちなみにSHElikes(シーライクス)ではコミュニティマネジメントやマーケティングの基礎から実践まで学べるコースを数多く用意しています。気になる方はぜひ無料体験レッスンへお越しください。
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コミュニティマネージャーの仕事は、コミュニティ戦略の策定に始まり、コミュニティの運営、イベントの企画・実行などさまざまです。人と人の架け橋となる業務内容を把握し、コミュニティーマネージャーを目指しましょう。
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