転職や就職を控えている人には、「課題発見力を自己PRする方法がわからない…」と悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。近年では「社会人にとって課題発見力は大切なスキル」という声が多く、アピールのやり方は非常に大切と考えられます。
自己PRの方法を間違えると相手にネガティブな印象を与える可能性があるので、正しいアピール方法はしっかりと学習しておきましょう。
今回は、課題発見力の具体的な意味や適切な自己PRを行う方法、例文や注意点などについて解説します。自信をもって自己PRをするためにも、ぜひ本記事を参考にしてください。
そもそも課題発見能力とは
課題発見能力とは、「現状を適切に分析・理解して、課題や目的などを明らかにする能力」と考えられています。明確な定義は職種や企業によって異なる傾向にあります。しかし多くの場合、すでに生じている問題を解決する力ではなく、これから起こりうるトラブルなどを予測して対策を考えることが一般的です。
例えばサブスクリプションサービスを提供する場合、顧客が悩むポイントを理解して解決方法を先に提示することがあります。また事業内容によっては人事トラブルなどが発生しても大丈夫なよう、外注先を確保しておくことも少なくありません。したがって課題発見能力は、自社の目的を達成するために行う施策を明確にするスキルと考えられます。
課題発見能力と問題解決力の違い
課題発見能力と近い言葉として、問題解決力が挙げられます。しかし双方の意味は大きく異なります。問題解決能力は発生したトラブルなどへの対処・対応力を指すことが一般的です。一方で課題発見力にはトラブル回避の意味も含まれているため、求められる能力はやや異なります。
しかし問題解決力もビジネスにおいて重要なスキルの一つです。課題発見だけではなく問題解決のノウハウも理解しておくと、就職や転職で有利に働くことは十分に考えられます。
なぜ課題発見力は社会人に必須といわれるのか
課題発見力が必須といわれる理由はさまざまですが、要因の一つにはサブスクリプションサービスなどの普及が挙げられます。例えば月額制のシステムを販売している場合、システムエラーなどのトラブルが生じると顧客はサービスを利用できなくなります。
ユーザーによっては自社システムへの導入方法がわからないなど、「顧客独自の課題」なども生じる可能性があるでしょう。このようにあらゆる課題を先回りして顧客満足度を高めることが重要であり、精度の高い課題発見力を求める事業社は増えつつあります。
また近年、タスク管理やリスト管理などの単純作業はAIに代替されるといわれています。しかし現在のAIは「課題発見力が不得意」な傾向にあるのです。そのため、課題発見力を適切にPRできる方は企業にとって重宝する人材といえるでしょう。
課題発見力の強みを自己PRする4ステップ
それでは、課題発見力の強みを自己PRする具体例を紹介します。企業や職種によって適切な方法は異なりますが、下記のステップをもとに自分にあったアピール方法を考えてみるとよいでしょう。
- 課題発見力に長けていることを伝える
- 課題発見力を自分なりに定義する
- 課題を発見して実際に成果を出したエピソードを伝える
- 就職した後に課題発見力を生かす具体的な方法を説明する
順番に解説します。
1.課題発見力に長けていることを伝える
自己PRで課題発見力をアピールする際は、「自分の強みは課題を発見すること」と最初に伝えましょう。なぜならビジネスシーンにおいては、結論を先に伝えることがマナーの一つとされているからです。アピールする内容を先に話すことで、相手が興味を抱く確率は高くなります。
一方で伝えたい内容を後回しにすると、「この人は何を言いたいんだろう?」とネガティブな評価を受ける可能性があるのです。したがって自己PRをする際は、自分が課題発見力に長けていることをはっきりと伝えてください。
2.課題発見力を自分なりに定義する
課題発見力の定義は人によって異なります。したがって相手に理解してもらうためにも、「ここで話す課題発見力とは〇〇を意味します」などのように定義することが大切です。その際に課題を発見する理由や目的などを具体的に伝えると、より理解しやすい自己PRができると考えられます。
3.課題を発見して実際に成果を出したエピソードを伝える
ここまでの説明を行ったら、自身の体験談を伝えましょう。新卒で就職する場合は、大学のゼミや部活動での課題発見のエピソードを話す方が多く見られます。転職する際は、課題発見力を生かしたチームマネジメント事例などを伝えるとよいでしょう。
またエピソードを話す際は自分が行ったことを淡々と説明するのではなく、課題に向きあった際に学んだことや取り組んだことを具体的に説明して、相手にイメージしてもらうことが大切です。
4.就職した後に課題発見力を活かす具体的な方法を説明する
最後に、就職した後に「自分の課題発見力をどのように活用するのか」を具体的に説明しましょう。ここでは、あなたを採用した後のイメージを相手にしてもらうことが大切になります。したがって入社したい企業の仕事のプロセスを理解して、自分なりに考案することが重要です。
データ分析やカスタマーサクセスなどの課題発見に役立つスキルを学んでおくと、即戦力として起用される確率が高くなるかもしれません。また事前に企業の課題などを洗い出し、自分なりにプレゼンすることも有効といえるでしょう。
転職・就職に使える課題発見力を自己PRする際の例文
ここからは、転職・就職に使える課題発見力を自己PRする際の例文を紹介します。あくまで例文であり、適切な内容や人によって異なります。したがってここで紹介する文章を参考にして、自分なりにアレンジしてみてください。
営業職での例文
わたくしはこれまでのキャリアを通じて、特に「課題発見力」を強みとしています。前職では顧客からのフィードバックを注意深く分析し、ユーザーがまだ意識していない潜在的なニーズや問題点を見つけ出すことに注力しました。例えば〇〇のプロジェクトでは顧客と徹底的に向き合い、ユーザーが本当に抱えている問題を特定できました。
それらを解決するための新たなソリューションを提案して業務効率は20%向上。結果として我々が提供したサービスは他の顧客にも認知を拡大しています。
営業職においては、このような課題発見の能力が重要だと考えます。理由はさまざまなサービスの普及により競合が増えているからです。わたくしはこれまでの経験を活かし、貴社の営業チームに新たな視点をもたらし、顧客満足度の向上と売上の増加に貢献できると自負しております。
営業職の場合、社内改善よりも顧客の課題に着目する必要があります。したがってデータ分析だけではなく、顧客理解やコミュニケーションに長けていることも説明するとよいでしょう。
マーケティング職での例文
わたしはマーケティング業界における複数年の経験を通じて市場のニーズと課題を発見し、それに応じた戦略を策定する能力を強みとしてきました。この能力を活かし、貴社のマーケティング部門に新たな視点をもたらし、ビジネスの成長に貢献したいと考えています。
前職では競合他社との差別化が困難な市場において、新たな顧客層を開拓するための戦略を立案しました。市場調査とデータ分析により、未開拓だった若年層が興味を示す可能性があると考え、新規ユーザーに向けた新しいキャンペーンを展開。この取り組みにより、新規顧客獲得率は25%増加し、ブランドの認知度も向上しました。
また顧客の声に耳を傾け製品改善のアイデアを発見し、製品開発チームに提案した経験もあります。ユーザーの課題を解決することにもつながり、結果的にLTVを1.5倍まで成長させることができました。わたしの課題発見力を活用して効果的なマーケティング戦略を提案することで、貴社のビジネス目標達成に貢献できると確信しています。
マーケティング領域では顧客理解だけではなく、市場分析や顧客動向の分析などが求められます。そのため論理的な説明や数字を用いた説明ができると相手に交換を抱いてもらえるでしょう。
クリエイティブ職での例文
わたくしはこれまでのキャリアを通じて、課題発見力を重点的に磨いてきました。この能力を活かし、貴社のクリエイティブチームに新しいアイデアと解決策を提供したいと考えています。
前職ではユーザーの顕在的なニーズを大切にしたコンテンツを中心に作成していました。しかし利益率の向上が見込めず、リソースが減少するばかりです。そこで顧客のフィードバックを分析してみたところ、企業ブランディングに課題があることがわかりチームに提案をしました。クリエイティブチームやマーケティングチームと協力してコンテンツを一新した結果、顧客満足度は15%向上し、口コミでの新規顧客の獲得も達成しています。
また、AIなどの新しいテクノロジーを利用して、従来の制作プロセスの課題を解決するための方法を開発した経験もあります。この取り組みにより、制作時間の短縮とコスト削減を実現しました。
貴社のクリエイティブチームでは深い市場理解と課題発見のスキルを活かし、斬新かつ効果的なクリエイティブ戦略を提案することで、貴社のブランド価値の向上とビジネス目標の達成に貢献できると確信しています。
クリエイティブ職は主にランディングページやSEO記事の執筆など、コンテンツ作成に関わる業務が多くなります。そのためマーケティングへの理解やチームでの取り組みなどをアピールできると、企業にとって価値ある人材と評価される可能性があるでしょう。
自己PRで課題発見力をアピールする際の注意点
最後に、自己PRで課題発見力をアピールする際の注意点を紹介します。
- 嘘のエピソードは伝えない
- 職種によって課題発見の定義が異なる
- 第三者のフィードバックをもらう
上記のポイントを理解したうえで、適切なPR方法を考えましょう。
嘘のエピソードは伝えない
自己PRで過去の実績を説明する際は、実体験のエピソードを伝えるようにしましょう。転職や就職を達成したいと考えるあまり、虚無の事実を伝える方が少なからずいらっしゃるようです。しかし嘘の体験談だと発覚した場合、転職や就職できる確率は低くなるでしょう。
また仮に入社できたとしても期待される成果を出せず、新しい上司などから不信感を抱かれることも考えられます。真実と異なる情報を伝えることは双方にメリットはないため、自分の実体験だけを伝えるようにしてください。
職種によって課題発見の定義が異なる
課題発見力の定義は、職種や職業、企業によって異なります。例えば営業職の場合、社内だけではなく顧客の課題発見なども求められるでしょう。マーケティング分野では徹底したデータから考えられる仮説・検証なども必要になります。
そのため課題発見力だけではなく顧客理解やデータ分析などのスキルも勉強して、企業の定義に対応できる体制を整えておきましょう。
第三者のフィードバックをもらう
自己PRを行う際は面接本番を迎える前に、知人や友人に意見をもらいましょう。第三者からフィードバックをもらうことで自分では気づけなかった改善点を発見できる可能性があります。またES(エントリーシート)などで課題解決力の強みをアピールする際も、作成した文章を周囲の方に見てもらうことをおすすめします。
自己PRで課題発見力を上手にアピールしよう!
課題発見力を自己PRでアピールする際は、本記事で紹介したステップを参考にしてみましょう。自己分析やキャリアプランの設計などを行い、万全の体制で本番に挑んでください。
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