デザインの仕事に就きたい方のなかには、グラフィックデザイナーに興味がある方もいるでしょう。しかし、以下のような疑問を抱くこともあるのではないでしょうか。
「グラフィックデザイナーはどんな仕事をする?」
「グラフィックデザイナーになる方法は?」
そこで、本記事ではグラフィックデザイナーの概要や仕事内容を解説。また、グラフィックデザイナーになる方法や必要なスキルも紹介します。
グラフィックデザイナーの仕事について知りたい方やグラフィックデザイナーとして活躍したい方は、最後までチェックしてみてください。
グラフィックデザイナーとは
グラフィックデザイナーとは、主に広告や宣伝に関わるデザインを制作する人を指します。紙媒体のものが多く、たとえば雑誌の表紙やポスター、商品のパッケージ、看板などがあげられます。
グラフィックデザイナーは、広告代理店やデザイン事務所、広告制作会社などに所属するのが一般的です。また、デザインや制作の会社ではない一般企業の広報部や商品開発部などが活躍の場となることもあります。
ちなみに、グラフィックデザインとは、主に平面上に文字や画像、色などを配置することで情報やメッセージを伝えるデザインのことを指します。
グラフィックデザイナーの仕事内容
「グラフィックデザイナーは、具体的に何をする?」と思う方もいるでしょう。
グラフィックデザイナーの仕事は、クライアントからの依頼をもとにデザインすることです。ヒアリングを通じてクライアントのニーズを的確に把握し、ターゲット層の関心を惹くようなデザインを制作します。そのため、必ずしも自分のしたいように表現ができるわけではない点は押さえておきましょう。
また、プロジェクトによってはイラストレーターやコピーライターなどとチームを組んでデザイン制作を進める場合もあります。
未経験からグラフィックデザイナーになる場合、まずはアシスタントとして働きながら経験を積むのが一般的だといえます。実績を積むと、規模の大きなプロジェクトに参加できたり、フリーランスとして活躍できたりする可能性が高まるでしょう。
グラフィックデザイナーの年収
厚生労働省によると、グラフィックデザイナーの年収は約480万円です*1。年齢別に見ると19歳の約220万円から上がっていき、55歳〜59歳の約585万円がピークのようです*1。ただし、勤務先の規模や個人の能力、仕事量などによっても年収が異なる点は押さえておいてください。
また、「フリーランス白書2020」によると、クリエイティブ・Web・フォト系の年収は400万円未満が23.6%、400〜800万円未満は24%、800万円以上は12.1%とされています*2。データにはグラフィックデザイナー以外の職種も含まれているものの、フリーランスとして活動する場合はスキルや仕事量などによって年収に大きく幅があるといえるでしょう。
グラフィックデザイナーになるのに必要なスキル
ここからは、グラフィックデザイナーになるにあたって必要なスキルを紹介します。結論からいうと、以下4つのスキルがあげられます。
- クリエイティビティとアート感覚
- デザインソフトウェアの知識
- レイアウトとタイポグラフィの基礎知識
- カラーセオリーと配色のスキル
各スキルを詳しく説明します。
クリエイティビティとアート感覚
グラフィックデザイナーになるためには、クリエイティビティが必要です。クリエイティビティは日本語にすると創造力や独創力で、頭の中にあるアイデアを形にする能力を指します。
また、グラフィックデザイナーにはアート感覚も求められます。なぜなら、ターゲット層の興味を惹くようなデザインを制作するには、芸術性の高さが欠かせないといえるからです。
なお、クリエイティビティやアート感覚は生まれ持った素質に左右されるとも考えられるでしょう。しかし、アイデアを形にする練習を重ねたり優れたデザインに触れたりすることで鍛えられるといえます。
デザインソフトウェアの知識
デザインソフトウェアの知識も、グラフィックデザイナーを目指すにあたって必要です。デザインソフトウェアの例としては、画像の編集ができるPhotoshopや、ロゴやイラストなどのデザインができるIllustrator、印刷物のデザインに適したInDesignなどがあげられます。
発想力や芸術性が優れていても、デザインソフトウェアを使いこなせなければ形にするのは難しいでしょう。グラフィックデザイナーとして活躍するためには、デザインソフトウェアの知識やスキルの習得を目指しましょう。
レイアウトとタイポグラフィの基礎知識
レイアウトとタイポグラフィの基礎知識も、グラフィックデザイナーになるにあたって必要です。レイアウトとは、文字や画像、イラストなどの要素を配置することを指します。配置の仕方によって見やすさや効果が変わるため、レイアウトはグラフィックデザインにおいて重要な役割を担います。
タイポグラフィは、文字や文章を美しく見せたり読みやすくしたりする技術です。文字のサイズやフォント、行間、余白などを適切に調整することで、ターゲットに情報やメッセージを伝えます。
カラーセオリーと配色のスキル
グラフィックデザイナーになるためには、カラーセオリーと配色のスキルの習得が必要不可欠です。たとえば、色の三属性である「色相」「明度」「彩度」は押さえておく必要があるでしょう。
- 色相:赤や青、緑などの色味や色合いの違いのこと
- 明度:色の明るさのこと。高いほど白に近づき、低いほど黒に近づく
- 彩度:色の鮮やかさのこと
ほかにも、デザインに使用する色の数や割合、組み合わせなどについても理解しておくことが求められます。
デザインのイメージや見やすさは配色で決まる場合もあるため、カラーセオリーと配色のスキルはグラフィックデザインにおいて重要だといえるでしょう。
グラフィックデザインのスキルを身につける方法
続いて、グラフィックデザインのスキルを身につける方法を紹介します。グラフィックデザイナーになりたい方は、以下3つの方法でスキルの習得を目指すのがおすすめです。
- プロのデザイナーの作品を研究する
- スクールや専門学校に通う
- 未経験から就職や転職をする
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
プロのデザイナーの作品を研究する
1つ目の方法は、プロのデザインを研究することです。魅力的だと感じるグラフィックデザインや憧れのデザイナーの作品などを見つけ、「なぜこのレイアウトなのか」「ターゲット層のどのような感情を想定した配色なのか」などを考えてみてください。
また、プロのデザイナーが手がけた作品をできる限りたくさん見ることも必要でしょう。優れた作品を頻繁に目にすることで、グラフィックデザインの知見を得られると考えられます。
なお、プロの作品の研究と並行して独学でグラフィックデザインについて学ぶことも大切です。その理由は、デザインの知識を身につけることで、より深い考察ができるからです。
スクール・専門学校に通う
スクールや専門学校に通ってグラフィックデザインのスキルを身につけるのもおすすめです。カリキュラムが組まれているうえ、デザインソフトの使い方やデザインの基礎知識などをプロから学べるため、グラフィックデザインのスキルを効率よく習得できるでしょう。加えて、分からない点が出てきたら質問できるので、モチベーションを維持しやすいと考えられます。
また、なかには就職や転職のサポートを実施しているスクールや専門学校もあります。デザインの知識やスキルを身につけるだけではなく、グラフィックデザイナーとして働くための支援を受けられるのは大きなメリットでしょう。
未経験から就職・転職をする
未経験から就職や転職をすることでグラフィックデザインのスキルを身につけるのもよいでしょう。最初はアシスタントからのスタートがほとんどですが、仕事をしながらスキルの習得を目指せるといえます。デザインの現場に身を置きつつ勉強することで、独学やスクールでは得るのが難しい実践的なスキルを身につけられるかもしれません。
未経験から就職や転職をする場合は、デザインの経験がなくても応募できる求人を探してみてください。いきなり就職や転職をすることに不安を感じる方は、クラウドソーシングサービスを活用して小さな案件からスタートしてみるのもおすすめです。
なお、求人や案件が未経験可とされていても、デザインに関する最低限の知識は習得しておくとよいでしょう。加えて、ポートフォリオを用意しておくと採用の可能性が高まるかもしれません。
グラフィックデザイナーのロールモデル
ここでは、未経験からグラフィックデザイナーになった方の事例を紹介します。グラフィックデザイナーになりたいけれど方法が分からない方は、目を通すことでイメージを掴めるかもしれません。
未経験からグラフィックデザイナーになったおのさやさん
おのさやさんは、イベント制作会社やWeb制作会社でディレクターとして働いていました。退職後はしばらく専業主婦をしていましたが、「自信を持てるようなスキルが自分にはない」と思い、一度は諦めたデザイナーを目指すことを決意します。
そこで、女性向けキャリアスクールのSHElikes(シーライクス)に入会し、PhotoshopやIllustratorなどの学習を開始。また、SHElikesの受講生が参加するコミュニティで、ロゴやバナーなどの制作を担当したといいます。
レッスンやコミュニティで制作したデザインは、必ずSNSに投稿したそうです。すると、SNSがきっかけでアルバイトとして働く機会を得られ、現在は正社員のグラフィックデザイナーとして活躍しています。
グラフィックデザイナーの将来性
グラフィックデザイナーの将来性が気になる方もいるでしょう。結論からいうと、グラフィックデザイナーは紙媒体よりもWebやゲーム、映像などの業界で今後も需要が見込まれると考えられます。
インターネットやSNSが普及した昨今では、Web上に掲載する広告や宣伝の重要度が高まっています。また、総務省の調査によると、通信系コンテンツ市場のうちゲームなど映像系ソフトが占める割合は61.5%とされています*3。一方で、雑誌の発行部数や広告費などは減少傾向にあるようです*4。
雑誌やポスターのような紙媒体が完全になくなるとは考えにくいものの、グラフィックデザイナーとしての活躍を目指すなら、Webやゲームなどのグラフィックデザインも視野に入れるとよいでしょう。
グラフィックデザイナーとは何かを理解して、グラフィックデザインを仕事にしよう
グラフィックデザイナーは、雑誌の表紙やポスターなど、主に紙媒体の広告や宣伝に関わるデザインの制作を担います。本記事で紹介したスキルを身につける方法やロールモデルなどを参考にし、グラフィックデザイナーを目指しましょう。
なお、前述の通りインターネットやSNSが普及しているため、グラフィックデザイナーとしての活躍の幅を広げるためには、Web業界やゲーム業界などにも活かせるスキルを習得するのがよいと考えられます。
もしスキルの習得方法に迷う場合は、女性向けキャリアスクールのSHElikesがおすすめです。全45以上の職種スキルが定額・学び放題*で、PhotoshopやIllustratorはもちろん、WebデザインやSNSマーケティング、動画編集などのコースもあるため、スキルをかけ合わせることで市場価値の高いグラフィックデザイナーを目指せるでしょう。
無料体験レッスンを実施しているので、参加を検討してみてはいかがでしょうか。
女性向けキャリアスクールSHElikes無料体験レッスンはこちら
*スタンダードプランの場合
※出典
*1:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」グラフィックデザイナーより
*2:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2020」内、「第2部クロス集計」より
*3:総務省「令和元年版 情報通信白書|通信系コンテンツ市場の動向」第2部 基本データと政策動向より
*4:総務省統計局「第26章 文化」より