インターネットやSNSなどの普及により、多くの企業が「コンテンツマーケティング」に注目しています。しかしビジネス経験の浅い人には、「コンテンツマーケティングって何をするの?」と考える方も多いのではないでしょうか。
コンテンツマーケティングは企業だけではなく、個人でも活用できるマーケティング手法の一つです。正しく理解すれば自社を成長させられる施策でもあるので、しっかりと学習しておきましょう。
今回はコンテンツマーケティングの意味や企業事例、コンテンツマーケティングで成果を出す要素などについて解説します。コンテンツマーケティングの具体的な活用方法を知りたい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
そもそもコンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、自社の商品やサービスに関連する有益な情報を発信して、ユーザーの信頼や関心を高めるマーケティング手法を指します。具体的な定義は企業や事業者によって異なりますが簡単にお伝えすると、「自社の商品・サービスに興味をもってもらう一つの手段」と考えるとよいでしょう。
企業の広告・PRだけでなく、教育やエンターテイメントとして価値を感じてもらうことを目的にすることが多く、読者・視聴者にとって有益な情報を届けることが大切です。数年前までは、「Webサイトに投稿する記事」がコンテンツとして考えられていました。しかしSNSやスマホアプリなどの普及により、近年では動画や音声などもコンテンツとして認識されています。
下記の記事ではコンテンツマーケティングの具体的な意味などについて詳しく解説しています。「まずはコンテンツマーケティングを理解したい!」と考える方は、ぜひ参考にしてください。
BtoC向けのコンテンツマーケティング企業事例5選
それでは、コンテンツマーケティングの企業事例を紹介します。まずはBtoC(対消費者)向けのマーケティング事例を見ていきましょう。
- dressing
- ハーゲンダッツ
- ソレドコ
- キナリノ
- SUUMO
それぞれ順に解説します。
dressing
dressingは「株式会社ぐるなび」が運営しているグルメメディアです。飲食店の紹介だけではなく料理のレシピや食文化などに関する情報を発信しており、食に興味のある方に有益なWebサイトといえるでしょう。
流入経路は主にSEOでありビッグキーワードでも上位表示されている記事が複数あるため、多くのユーザーに情報を提供できていると考えられます。メディア内には「特選レストラン」のカテゴリーもあり、ぐるナビサービスの認知拡大から利用者数の増加を実現していることも特徴の一つです。
参考:dressing
ハーゲンダッツ
「高級アイス」として知られているハーゲンダッツは、SNSを上手に活用してコンテンツマーケティングを展開しています。例えばInstagramでは新商品や人気商品の紹介だけではなく、ハーゲンダッツを使ったスイーツの作り方などを発信しています。コメントしやすいキャプションにも魅力があり、多くのユーザーとコミュニケーションをとっていることも特徴です。
ハーゲンダッツのプロモーションを顧客が自ら行っており、コンテンツの作り方やSNS発信の方法などにおいて非常に参考になる事例と考えるでしょう。
ソレドコ
ソレドコは「株式会社はてな」が運営するブログメディアです。もともとは楽天市場が運営しているメディアであり、楽天市場の商品をPRしているブログです。グルメやスポーツ、子育てなどのライフスタイルを中心にしたジャンルがあり、読者のお役立ちアイテムを魅力的に紹介しています。
商品のPRだけではなく、健康などに関する有益な情報も発信していることも参考になるでしょう。基本的にはSEO流入と考えられますが、はてなブログでの紹介からの集客も多いようです。
参考:ソレドコ
キナリノ
雑誌のように楽しめる「キナリノ」は、Webメディアを活用して収益化をしているコンテンツマーケティング事例として参考になるでしょう。洗練されたサイトデザインや記事の情報量が人気のメディアであり、年代問わず幅広いユーザーに支持されています。自社のECサイトのPRだけではなく商品リンクも設置されているため、商品の購入を検討している方に優しいサイト設計といえるでしょう。
主な流入経路はSEOでありビッグキーワードでも上位表示されているため、月間数十万以上のアクセスが予想されます。Instagramのフォロワー数は50万人以上なので、各メディアの特徴を上手に活用している企業事例と考えられます。
参考:
キナリノ 公式サイト
キナリノ/キナリノモール(kinarino_official)
SUUMO
SUUMOは、Webメディア「SUUMOタウン」とInstagramでコンテンツマーケティングを行っている企業です。SUUMOタウンはSEO流入が主な集客経路であり、国内のさまざまな街の雰囲気を発信しています。Instagramでは物件の紹介だけではなく、家具のレイアウトや賃貸選びの注意点など、ユーザーに有益な情報を提供しています。
魅力的なライフスタイルを送る方々の取材コンテンツなども双方のメディアで掲載しており、おしゃれな空間で生活したい方にとってワクワクするような発信をしていることがSUUMOの特徴です。
参考:
SUUMOタウン
SUUMO(スーモ公式)|したい暮らしや住まいが見つかるWEBマガジン(suumo_official)
BtoB向けのコンテンツマーケティング企業事例5選
ここからは、BtoB(対事業者)向けのコンテンツマーケテイング事例を見ていきましょう。
- A8.net
- 経営ハッカー
- 動画幹事
- バズ部
- Money Forward Bizpedia
順に紹介していきます。
A8.net
A8.netは日本でも有名なASPサービスの一つであり、ビジネスパーソンに向けたSEOメディアを運営しています。SEOメディアではマーケティング関連の記事が多く、専門性の高い情報が投稿されています。読者にはビジネスに役立つ有益な資料を配布しており、マーケティングに悩む事業者には有益なメディアといえるでしょう。
多数のキーワードで上位表示しているため、月間数十万以上のアクセスがあると考えられます。自社サービスの宣伝ではなく企業のお役立ち情報を発信しているため、ユーザーからの信頼も高い傾向にあります。
経営ハッカー
経営ハッカーは「株式会社freee」が運営するWebメディアです。経理や財務、人事や労務などに関するコラムを掲載しており、企業の経理担当者や個人事業主などに有益な情報を発信しています。専門的な記事には適切な監修者がついているため、コンテンツの信頼性は極めて高いといえるでしょう。
SEOでの流入だけではなくメルマガでも集客しており、リストマーケティングとしても成果を挙げていると考えられます。経営ハッカーの会員に登録するとホワイトペーパーをダウンロードできることも、ユーザー満足度が高い理由の一でしょう
参考:経営ハッカー
動画幹事
クリエイティブ業界のコンテンツマーケティング事例としては、動画幹事が挙げられます。動画幹事は映像制作会社の比較サイトであり、動画を作りたい企業を対象にしたサービスも行っています。コラムでは映像の作り方や配信のやり方を画像や動画を使って丁寧に解説しているため、映像制作に悩む企業にとっては有益なメディアといえるでしょう。
SEOにも力を入れており多くのキーワードで上位表示されています。記事の最後では検索キーワードに適したお役立ち資料を配布していることもあり、コンテンツマーケティングとリストマーケティングを活用している事例といえるでしょう。
参考:動画幹事
バズ部
「株式会社ルーシー」が運営する「バズ部」は、Webマーケティング業界で活動する事業者に向けた有益なコンテンツを発信しています。マーケティング全般からWebサイトの設計、ライティングなどに関する内容を網羅できるメディアとなっており、有益なコンテンツには多くのファンが見られます。
SEOを主軸とした流入経路であり、マーケティング領域の多数のキーワードで上位表示されていることが特徴です。コンテンツを見た企業からコンサルティングを依頼されることも多く、ビジネス界隈のコンテンツマーケティングでは非常に参考になるでしょう。
参考:バズ部
Money Forward Bizpedia
Money Forward Bizpediaは、「株式会社マネーフォワード」が運営するオウンドメディアです。会計や給与など金融ジャンルに特化したメディアであり、決算や確定申告に悩む事業者から高い評価を得ています。メディア内には自社サービスの広告を挿入しているため、ユーザーが新規顧客になることも期待できるでしょう。
また株式会社マネーフォワードはYouTubeチャンネルでコンテンツを投稿するなど、他媒体でのマーケティングにも力を入れています。難しい内容をわかりやすく解説している記事や動画は、ユーザーファーストを意識したコンテンツだといえるでしょう。
参考:
Money Forward Bizpedia
5分でわかるバックオフィスbyマネーフォワード クラウド
海外のコンテンツマーケティング企業事例3選
次に、海外企業のコンテンツマーケティング事例を紹介します。
American Express
大手クレジットカード会社「American Express」が運営するWebマガジン「BUSINESS CLASS」では、ビジネスに役立つ情報が多数発信されています。経営学やデザイン思考などクレジットカードに直接関係しないコンテンツを作成しており、記事内で自社サービスのPRは行っていません。
Instagramも同様に自社サービスの宣伝はせず、ユーザーに有益な情報だけを提供しています。そのため企業に対する信頼が高まり、結果として安定的に新規顧客の増加を実現していると考えられます。
参考:
BUSINESS CLASS
American Express(americanexpress)
Salesforce
株式会社Salesforceが運営する「Salesforceブログ」では、最新のビジネス情報を発信しています。本社のあるアメリカの翻訳記事も公開されているため、海外情報をいち早く入手したいビジネスパーソンから支持されているメディアです。メールマガジンではより深いコンテンツが配信されており、事業拡大を目指す企業にとって信頼できるメディアといえるでしょう。
WebメディアだけではなくInstagramでも有益なコンテンツを発信しており、自社サービスの宣伝はほとんど行っていません。コンテンツの質を徹底していることもSalesforceの特徴です。
参考:
Salesforceブログ
Salesforce(salesforce)
Salesforce Japan(salesforcejapan)
Red Bull
エナジードリンクとして人気を集める「Red Bull」の公式メディアやInstagramなどでは、自社サービスに関するPRコンテンツはほとんど配信されません。「商品を紹介しないコンテンツマーケティングの成功事例」といわれることが多く、ブランディングを軸とした投稿が基本となっています。
具体的にはスポンサーになっている企業やアーティストの応援や、イベント動画などが挙げられます。レッドブルが主催するイベントに参加したいと感じるユーザーも増えており、コンテンツ×ファンマーケティングの勉強になる企業事例といえるでしょう。
参考:
Red Bull公式サイト
Red Bull(redbull/)
Red Bull Japan(redbulljapan)
企業のコンテンツマーケティング事例を参考にするポイント
さまざまな企業事例を見たものの、「結局何を参考にすればいいの?」と悩む方もいらっしゃるかもしれません。コンテンツマーケティングの目的によって異なりますが、下記のポイントに注目してみるとヒントが得られるかもしれません。
- ターゲット
- 集客方法
- 発信内容
順番に解説します。
ターゲット
情報発信におけるターゲットは、企業ブランドに影響する要素の一つです。例えば「dressing」を運営する「株式会社ぐるナビ」は魅力的な飲食店を紹介するサービスを提供しているため、食に興味をもつ方をターゲットにしていることがわかります。
自社の商品やサービスに関連しない属性をターゲットにすると、ブランディングに支障をきたす可能性があります。コンテンツマーケティングを行う際は自社に適切なユーザー属性を理解して、企業事例を参考にコンテンツを発信しましょう。
集客方法
WebメディアやSNSでのコンテンツマーケティングを行う際は、「ユーザーがどうやってコンテンツに辿り着くか」を考える必要があります。Webマーケティングに特化している「バズ部」はSNS発信をしていないため、基本的にはGoogle SEOと考えられるでしょう。
一方で「SUUMO」はWebメディアだけでなくInstagramでも多くのユーザーにリーチされているため、SEO以外の流入経路も確立していることがわかります。また企業によってはメールマガジンなどを活用して、ユーザーにダイレクトにコンテンツを発信している事例も見られます。
発信内容
コンテンツマーケティングは商品やサービスの宣伝を極力せず、ユーザーに有益な情報を提供することが一般的です。例えば本記事で紹介した海外企業はコンテンツ内で自社商品のPRをせず、有益な情報だけを提供していることがわかります。そのため記事内にCTAはほぼ設置されていません。
つまりコンテンツマーケティングで成果を挙げている企業は自社商品の認知拡大だけではなく、ユーザーからの信頼やブランディングの向上などを目的に発信していると考えられます。
コンテンツマーケティングで成果を出すために必要な要素
最後に、コンテンツマーケティングで成果を出すために必要な要素を紹介します。自社でマーケティングに取り組む際は、下記のポイントを意識してみてください。
- マーケティング目標を明確にする
- ターゲットに適切なコンテンツを配信する
- 効果測定をしっかり行う
それぞれ順番に解説します。
マーケティング目標を明確にする
コンテンツマーケティングを行う際は、明確な目標や戦略を考えましょう。具体的にはリストの増加や認知拡大、ユーザーからの信頼度向上などが挙げられます。コンテンツマーケティングは直接的な利益ではなく、ユーザーに価値のある情報を提供することが大切です。また目標を達成するにはメディアに集客する必要もあるので、SNSやSEOなどの集客経路も明確にしておきましょう。
ターゲットに適切なコンテンツを配信する
適切なコンテンツを届けるにはターゲットを明確にして、どのような種類のコンテンツが好まれるユーザーを分析する必要があります。人によって好まれる記事や投稿は異なるので、ターゲットの属性はしっかりと把握しておきましょう。
例えばBotC向けにコンテンツを配信する場合、難しい用語は使わず親近感を抱ける投稿がよいでしょう。一方でBtoB向けのコンテンツでは、情報の正確性や実用的な情報が求められます。自社のサービスに興味のあるユーザーを分析して、相手にとって有益なコンテンツを発信しましょう。
またターゲットの購買行動を理解したうえで、タイミングに適切な情報を提供することも大切です。カスタマージャーニーなどを活用して、ユーザーの心理や感情を理解して、その人に必要な情報を適切なタイミングで届けましょう。
効果測定をしっかり行う
自社の強みや改善点を明確にするためにも、効果測定はしっかりと行いましょう。Webメディアを活用する場合、キーワードの順位やサイトの滞在時間、直帰率などが重要な指標となります。SNSではいいねやコメント、インプレッションなどが大切になるでしょう。
ただしコンテンツマーケティングですぐ成果を出すのは難しいかもしれません。したがってA/Bテストをしたりヒートマップツールなどを活用したりして、データを参考にしながら適切なコンテンツを作成してください。
事例を参考にしてコンテンツマーケティングに取り組もう
コンテンツマーケティングは自社の認知拡大だけではなく、ユーザーに信頼してもらうための大切な手法です。ターゲットに適切なコンテンツを配信して、売上だけではなく自社のブランディング向上も行いましょう。
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