「ロジカルシンキングのフレームワークを学ぶメリットは?」
「ロジカルシンキングを鍛える方法を知りたい」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。ロジカルシンキングのフレームワークを活用することで、複雑な問題や状況を明確に理解し、解決策を導き出せます。
本記事では、ロジカルシンキングのフレームワークを解説します。本記事を読むことで、ロジカルシンキングのフレームワークの概要を把握でき、学ぶメリットが理解できるでしょう。後半では、具体的なフレームワークやロジカルシンキングを鍛える方法について解説しているのでぜひ最後までお読みください。
ロジカルシンキングのフレームワークとは
ロジカルシンキングとは、論理的に考え、問題を解決するための思考プロセスや手法を指します。ロジカルシンキングにおけるフレームワークとは思考の進め方の枠組みを指し、複雑な問題や状況を明確に理解し、有効な解決策を導き出すために非常に有効です。
フレームワークを使用すれば、感情や直感だけではなくデータや事実に基づき合理的な判断を下せます。ロジカルシンキングはビジネスや日常生活での意思決定において、効果的なアプローチとして広く認識されています。
ロジカルシンキングを行う際、初めはフレームワークを用いて情報を整理することで、ロジカルシンキングが癖づけられるでしょう。
ロジカルシンキングのフレームワークを学ぶメリット2つ
ロジカルシンキングのフレームワークを学ぶメリットは主に以下の2つです。
- 問題解決能力が向上する
- 意思決定の質が向上する
フレームワークを学ぶことで、問題解決能力が向上し、意思決定の質を上げられます。それぞれ詳しく解説します。
問題解決能力が向上する
ロジカルシンキングのフレームワークを習得することで、問題解決能力が向上します。フレームワークは問題を明確に定義し、情報収集・分析・仮説検証し、最終的に合理的な結論を導き出すための手順の1つです。
ビジネスの現場で新しいプロジェクトの課題に直面したとき、フレームワークを活用することで、どのデータが必要か、どのようなアプローチで問題を解決すべきかが明確になります。ロジカルシンキングのフレームワークは、単に問題を解決するためのツールではなく、原因や状況を理解し、適切な策を練り出す力を身につけるための基盤となります。
意思決定の質が向上する
ロジカルシンキングのフレームワークを身につけることで、意思決定の質を向上できます。フレームワークは問題や課題を客観的に見る能力や関連情報を組織的に整理する技術、それに基づいて効果的な選択をするスキルを身につけられます。不透明な状況や情報過多の中でも、その状況において適切な選択を迅速に導き出す能力を身につけられるでしょう。
ロジカルシンキングのフレームワーク10選
ロジカルシンキングで活用できるフレームワークは以下の10個です。
- SWOT分析
- PDCAサイクル
- 5W1H分析
- ロジックツリー
- フィッシュボーンダイアグラム
- PESTEL分析
- 矛盾マトリクス
- メリットコスト分析
- 5つのなぜ
- シナリオ分析
それぞれフレームワークの特徴を解説するので、自分ができるものから活用しましょう。
SWOT分析
SWOT分析は、ロジカルシンキングの中で広く用いられるフレームワークの1つです。名称は、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字を取って名付けられました。SWOT分析の要素は以下のとおりです。
- Strengths:組織や個人が持つ独自の価値や利点を特定し、競争優位性を生む要素
- Weaknesses:組織や個人が改善する必要のある部分や、他者と比べて不足している要素を明確化
- Opportunities:外部環境において、組織や個人が利用して成長や成功を遂げることができる機会を特定
- Threats:外部環境の中で組織や個人に不利益をもたらす可能性のある要因を識別
SWOT分析は自らの位置を正確に把握し、将来の行動計画や戦略を策定するための枠組みとして非常に有効です。
PDCAサイクル
PDCAサイクルは、組織やプロジェクトの進行状況を継続的に評価・改善するためのロジカルシンキングのフレームワークです。PDCAは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(改善)の頭文字を取ったものです。PDCAサイクルのそれぞれの要素は以下のとおりです。
- Plan:目的や目標を設定し、それを達成するための具体的な計画を立てる
- Do:計画に基づき行動する
- Check:実行された行動の結果を評価する
- Action:検証の結果に基づき、計画の改善をする
PDCAサイクルはビジネスだけではなく、さまざまな場面での問題解決や改善活動に役立ちます。サイクルを繰り返すことで、持続的な改善と、組織やプロジェクトの成果の向上を図れます。
5W1H分析
5W1H分析は情報収集や問題解決、計画策定などの際に、事象や情報を理解するためのロジカルシンキングのフレームワークです。5W1Hは、Who(誰が)、What(何を)、When(いつ)、Where(どこで)、Why(なぜ)、How(どのように)の頭文字を取ったものです。それぞれの要素は以下のとおりです。
- Who:誰が関与しているのか、誰のために行われるのかを明確にする
- What:何が実際に起こったのか、何が必要なのかを特定する
- When:事象が発生する時間や期間を特定する
- Where:事象の発生場所や行動が行われる場所を特定する
- Why:なぜそのような状況や事象が生じたのか根本原因は何かを理解する
- How:どのように事を進めるべきか、どのように実施されたのかを検討する
5W1H分析を用いることで、事象や問題を多角的に捉え、より深い理解を得られます。
ロジックツリー
ロジックツリーは大きなテーマをツリーの頂点とし、テーマを構成する要素や事実を枝分かれさせて整理する分析方法です。名前の由来は、主な課題から細かい問題を枝のように展開していく様子からきています。ロジックツリーを活用するメリットは主に以下の3つです。
- 問題全体を一覧できる
- 問題の根本原因を明確にする
- 解決策を効率的に考える
売上が上がらないという課題がある場合、ロジックツリーを使用して「売上が上がらない理由は何か」という問題に対して的確な対策を立てるためのヒントが得られます。
フィッシュボーンダイアグラム
フィッシュボーンダイアグラムは、イシカワダイアグラムや原因効果図とも呼ばれる、問題の原因を分析するためのフレームワークです。図は、魚の骨の形状に似ていることからその名がつけられました。フィッシュボーンダイアグラムは以下の4つの部分から成り立っています。
- 特性:魚の頭部分。解決したい問題や観察される結果
- 背骨:魚の頭から直線的に伸びる部分で、問題の大元となる要因へと導く中心的な線
- 大骨:背骨から横に伸びる線で、問題に至る主要な原因や要因
- 小骨:大骨からさらに細かく伸びる線で、それぞれの主要な原因や要因の下にある具体的な詳細や要素
小骨をさらに分解して孫骨として表現することもあります。孫骨をフィッシュボーンダイアグラムに追加することで、原因をより具体的に特定できます。
PESTEL分析
PESTEL分析は、ビジネス環境を分析するためのフレームワークです。外部環境のマクロ要因を調査・評価することで、事業の機会やリスクを特定します。PESTELは以下の6つの要因の頭文字から名付けられています。
- Political:政治的要因
- Economic:経済的要因
- Social:社会的要因
- Technological:技術的要因
- Environmental:環境的要因
- Legal:法律的要因
PESTEL分析を実施することで、企業は外部環境の変動要因を明確に理解し、対応する戦略を策定することが可能です。これにより、事業の成功確率を向上させるためのヒントを得られます。
矛盾マトリクス
矛盾マトリクスは、技術的な問題や課題を解決するために矛盾を特定し、矛盾を解消する解決策を見つけるためのフレームワークです。基本的な考え方としては、ある条件や数値を改善しようとした場合、その改善に伴う過程でほかの条件や数値が悪化するような「技術的矛盾」が多く存在するという事実に基づいています。
例えば、製品の強度を上げようとすると、その重さも増加する可能性があるといった矛盾が考えられます。
矛盾マトリクスを使用することで、技術者や開発者は複雑な問題や課題に直面したとき、直感だけではなく、矛盾を論理的に解消するための手法やアプローチを取ることが可能です。そのため、問題解決のスピードを向上させることが期待されます。
メリットコスト分析
メリットコスト分析は、意思決定をサポートするためのシンプルながらも効果的なロジカルシンキングのフレームワークです。このフレームワークを活用することで、ある選択肢や計画のメリットとコストを明確に評価し、バランスが取れるようになります。
分析で活用するメリットには、プロジェクトや期待される利益、改善点、影響などがあげられるでしょう。金銭的な利益だけではなく、時間の節約や効率の向上、顧客満足度の向上など、さまざまな点が考慮されるべきです。
次に、コスト面では、費用やリソースの投入、リスク、潜在的なデメリットなどが挙げられます。コストが予算内であるか、リスクが許容範囲内であるかなどを検討します。最終的な意思決定の際に、メリットがコストを上回るか、逆にコストの方が大きくなるかを検討し、どの選択肢が最も効果的かを判断するのに役立つでしょう。
5つのなぜ
5つのなぜは、問題の根本原因を明らかにするためのロジカルシンキングのフレームワークです。問題の直接的な原因からさらにその背後にある原因を探ることで、真の原因を特定することが目的です。
具体的な手法はシンプルで、まずは問題を明確に定義します。次に、その問題の原因がなぜ起こったのかを問い、答えが新たな問題として取り上げられ、さらにその原因を問う「なぜ」を繰り返します。プロセスを5回繰り返すことで、問題の根本原因を特定することが期待できるでしょう。
手法は、単に表面的な原因を修正するのではなく、真の原因を解決し、再発を防ぐことを目的としており、問題解決の基本的な手法として広く認知されています。
シナリオ分析
シナリオ分析は、未来のさまざまな可能性を探るためのロジカルシンキングのフレームワークです。アプローチは、不確実性が高い状況や環境変化において将来のさまざまな事態を予測し、結果として生じるリスクやチャンスを評価できる点が特徴です。
シナリオ分析では、まず注目する問題やテーマについて影響を与える主な要因や変動要素を見つけます。これらを基にさまざまな未来の可能性を示すシナリオを作成し、実際に実現したときの結果や影響を評価します。
シナリオ分析は、単なる未来予測ではありません。将来のさまざまな可能性に備え、戦略的な意思決定をサポートするためのツールとして用いられます。組織や企業は、シナリオ分析を通じて不確実性に対して備え、柔軟かつ適切な戦略を策定できます。
ロジカルシンキングを鍛える方法
ロジカルシンキングを鍛える方法には、ロジカルシンキングの基礎を学んだり、フレームワークを実践したりする方法などがあります。ロジカルシンキングを学ぶことで、基本的な考え方や原理がわかり、物事の本質や原因を正確に理解する能力が身につきます。
フレームワークには5W1HやSWOT分析などがあり、活用して問題を分析する練習を行うことで、物事を順序立てて思考する能力が鍛えられるでしょう。実際の課題やビジネスシーンでの活用を通して、習得した知識を実践的に使いこなす力を身につけることが重要です。
ロジカルシンキングのトレーニング方法について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
まとめ
本記事では、ロジカルシンキングのフレームワークの概要や鍛えるメリット、フレームワークについて解説しました。ロジカルシンキングのフレームワークを学ぶメリットには、問題解決能力の向上や意思決定の質の向上が挙げられます。使いこなせると、ビジネスのあらゆる場面で合理的な判断を下せる人材として活躍できるでしょう。
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