
「プログラミング能力検定」という資格試験をご存じでしょうか?
プログラマーやエンジニアを目指したいと考えている人の中には、プログラミングの基礎知識が身に付くと言われているこの資格の取得を検討している人もいるのではないかと思います。
今回は、プログラミング能力検定の受検概要やメリットデメリット、資格取得に向けたおすすめの勉強法を解説しています。合わせてチェックしたい資格も紹介しているので、プログラミングに興味がある人はぜひ最後まで読んでみてください。
プログラミング能力検定とは?
まずは、プログラミング能力検定について解説します。そもそも何を身に付けられる検定試験なのか、試験概要や歴史から確認してみましょう。
プログラミング能力検定とは
プログラミング能力検定は、プログラミング能力検定協会が実施する検定資格です。基礎的なプログラミング知識やスキルの定着を証明する資格試験として実施されています。
プログラミング能力検定協会の事務局であるプログラミング総合研究所は、インターネット総合サービス企業である株式会社サイバーエージェントと、教育アプリや個別指導塾を展開する株式会社スプリックスの出資により、2020年2月に設立されました。
IT化が進む昨今、大手2社がタッグを組み新しく登場した試験であることから、近年の需要に合わせた注目度の高い資格試験と言えるでしょう。
プログラミング能力検定の歴史
プログラミング能力検定は、2020年より始まった新しい資格試験です。
小学校では、2020年度からプログラミング教育が必修となりました。また、2022年度からは高校でも「情報」の授業でプログラミングの基礎を学ぶことが必修となっています。この傾向からも分かるように、プログラミング教育のニーズは急速に拡大しています。
このニーズ拡大を背景に、スキル定着のわかりやすい指標や評価の基準としてプログラミング能力検定が始まりました。
プログラミング能力検定の試験概要
プログラミング能力検定はプログラミングの基礎知識を測る資格試験です。6段階のレベルに分けて行われており、全レベルともに正答率60%以上が合格ラインとなります。レベル1がいちばん易しく、レベルの数字が上がるにつれて難易度も上がっていきます。初心者はもちろん、基礎を身に付けた次の段階としてさらにスキルアップを目指している人まで、レベルに合わせて幅広く受検可能です。
また、オリジナルのビジュアルプログラミング言語とテキストプログラミング言語に対応しているのもプログラミング能力検定の特徴です。自分に合うレベルや形式に応じて受検できるのは嬉しいポイントではないでしょうか。
レベル | ビジュアル言語版出題範囲 |
---|---|
6 | ー |
5 | ー |
4 | 関数、リスト |
3 | 論理演算子、変数 |
2 | 不等号、座標、乱数 |
1 | 順次処理、条件分岐、繰り返し、並列処理、角度 |
レベル | テキスト言語版出題範囲 |
---|---|
6 | タイマー、連想配列、クラス |
5 | 変数の型(null、型の確認)、配列操作(挿入、入れ替え、並べ替え)、二次元配列、例外処理 |
4 | switch、配列操作(追加、削除、参照)、定数、while、ループの中断/継続 |
3 | 変数の型(int、String、boolean)、乱数、関数、for(配列処理) |
2 | 文字列連結、不等価、for、論理演算子、配列(宣言、取り出し、長さ) |
1 | 順次処理、出力、演算子、変数、if、不等号 |
プログラミング能力検定のメリット
では、プログラミング能力検定を受けると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
スキルや知識の証明になる
プログラミング能力検定に合格することで、プログラミングスキルを客観的に証明できるようになるのは大きなメリットではないでしょうか。
プログラマーやエンジニアに資格は必須ではないものの、履歴書に書ける資格があると就職や転職活動でスキルをアピールする際に役立つことがあります。
自分のレベルを把握できる
プログラミング能力検定は6段階のレベルに分かれておりレベル別に受験ができるので、自分のレベルに合わせて勉強ができることもメリットと言えます。
また、検定を受けることで今自分がどのレベルにいるのかも把握しやすくなるため、その後の目標を立てやすくなったり、自信につながりやすかったりするのではないでしょうか。
プログラミング能力検定のデメリット
メリットと合わせて、プログラミング能力検定のデメリットも解説します。検定の特徴を理解し、自分に合った方法で活用できると良さそうです。
一定の勉強時間の確保が必要
検定に合格するには、一定の勉強時間を確保する必要があります。そのため、今まで他のことをしていた時間を削るなどして学習時間を確保する必要が出てくるかもしれません。
しかし、時間を作る方法は探せば意外とあるかもしれません。なんとなくSNSを見ている時間を活用したり、少しだけ朝早く起きてみたりするのも良いのではないでしょうか。
資格だけで評価につながるとは限らない
プログラマーやエンジニアになるために重要なのは、実務で通用するスキルがあるかどうかです。そのため、資格があるからといって必ずしも評価されるとは限りません。
もちろん、資格がスキルの証明になり評価につながることもありますが、資格はあくまでもスキルをアピールする手段のひとつだと理解しておきましょう。
プログラミング能力検定の受験方法・スケジュール
続いて、プログラミング能力検定の受検方法や試験日程、対象年齢などをご紹介します。受検を検討している人は必ず確認しておきたいポイントです。
試験日程
プログラミング能力検定は、毎月実施されているようです。公式ホームページの検定スケジュールを確認すると、検定日の2ヶ月ほど前に受付を開始し、1ヶ月ほど前が申込み締切になっている場合が多いです。
あらかじめ予定や検定日を確認し、申込みのタイミングを逃さないように、随時確認しておくと良いでしょう。
受検方法・受検料
検定は、協会の認定を受けた全国の認定会場、もしくはテストセンターで受けることできます。公式のホームページから、希望する試験月に合わせて会場を調べることができます。
また、受検料はレベルによって分かれています。詳細は下記の通りです。
レベル | 受検料(全言語共通) |
---|---|
6 | 8,700円(税込) |
5 | 6,500円(税込) |
4 | 5,400円(税込) |
3 | 4,300円(税込) |
2 | 3,200円(税込) |
1 | 2,100円(税込) |
受検対象年齢
プログラミング能力検定では具体的な受検対象年齢は定めておらず、レベル・言語別に合わせて幅広い層が受検可能です。
2024年度から大学入試に導入される「プログラミング」の出題範囲もカバーしており、学生から社会人まで幅広く受検可能な検定試験と言えます。
プログラミング能力検定の勉強法は?
ではプログラミング能力検定に向けて、どのように勉強を進めれば良いのでしょうか?おすすめの勉強法をいくつかご紹介します。
参考書を使って勉強する
ひとつ目は、参考書を使ってプログラミングの基礎知識を身につける方法です。参考書を活用するメリットは、必要な知識を網羅的に学べる点です。また、ビジュアル言語版は公式過去問題集が発売されているので、受検対策としてあわせて活用するとより効果的です。また、テキスト言語版の問題集も2023年に発刊予定と発表されています。
サイトやアプリで勉強する
サイトやアプリを活用して勉強している人も増えています。プログラミング学習サイトとして有名なProgateやドットインストール、プログラミングをはじめさまざまなスキルの動画学習が可能なUdemyなど、最近では多くの学習サイトやアプリが登場しています。
スマホやパソコンを用いて好きな時間に勉強を進められるものもあるので、効率的に勉強を進めたい人や忙しくて勉強が続くか不安な人にはおすすめです。
スクールに通う
スクールに通ってプログラミングスキルを身につけるのもおすすめです。カリキュラムに沿って必要な知識をもれなく体系的に学べる点は嬉しいポイントなのではないでしょうか。
プログラミングを学べるスクールはたくさんあります。スクールによって得意な分野や学べる範囲が異なる場合があるので、自分のレベルや目的に合わせてスクールを選べると良さそうです。おすすめのプログラミングスクールや、スクール選びで気をつけたいポイントを解説している記事もあるので、ぜひあわせて読んでみてください。

プログラミングに関連する資格試験
プログラミングに関する資格試験は、プログラミング能力検定以外にもたくさんあります。代表的なものをいくつか紹介するので、参考にしてみてください。
ITパスポート
ITパスポートは、ITにまつわる基礎知識の習得を証明する国家試験です。ITに関する基本的な内容を網羅的に学べるので、これからIT業界に飛び込むという人は勉強しておいて損はないでしょう。
プログラミングの基礎知識が体系的に身に付くプログラミング能力検定と一緒に取っておきたい資格のひとつです。
名称 | ITパスポート |
---|---|
試験内容 | ストラテジ系(経営全般):35問程度 マネジメント系(IT管理):20問程度 テクノロジ系(IT技術):45問程度 四肢択一式で全100問の出題 |
費用(税込) | 7,500円 |
合格基準 | 総合評価点1,000点満点中600点以上であり、かつ分野別評価点(ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系)もそれぞれ1,000点満点中300点以上 |
C言語プログラミング能力認定試験
C言語プログラミング能力認定試験は、C言語と呼ばれるプログラミング言語のレベルを測る資格試験で、1〜3級に分かれて受検ができます。
C言語はプログラミング言語の中でも汎用性が高く、身に付けておくことでプログラマーとしての選択肢が広がるかもしれません。C言語の拡張として開発されたC++など、関連性のある言語もあるため、C言語の知識があると他のプログラム言語を学ぶ時にも役立ちます。
名称 | C言語プログラミング能力認定試験 |
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試験内容 | 1級:実技試験(PC使用)2問 2級:多肢選択式・テーマ別大問8問 3級:多肢選択式・テーマ別大問6問 |
費用(税込) | 1級:7,800円 2級:6,400円 3級:5,200円 |
合格基準 | 得点率60%以上 |
PHP技術者認定試験
PHP技術者認定試験とは、プログラミング言語の中のPHPという言語に特化した資格試験です。PHPはWeb開発を行う時に使われるプログラミング言語で、具体的にはWebページに動きをつけたい時などに使われます。
Webサイト制作の際にPHPを求められることは多く、Web系のプログラマーを目指したいと考えている人にはおすすめの資格です。
名称 | PHP技術者認定試験 |
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試験内容 | 選択式40問(PHP5・PHP7・PHP8共に) |
費用(税込) | 13,200円 |
合格基準 | 得点率70%以上 |
プログラマー・エンジニアを目指すならスクールの受講がおすすめ
今回はプログラミング能力検定について解説しました。プログラミング能力検定の受検を考えている人の中には、プログラマーやエンジニアになるべく勉強をしたい、もしくはすでに勉強中の人も多いのではないでしょうか。
プログラミングでは、専門的な知識を身に付ける必要があります。そのため、スキルアップを目指すには、体系的かつもれなく学べるスクールでの学習がおすすめです。経験者としてさらにレベルアップしたい人はもちろん、初心者でも着実に理解しながらスキルを身に付けることができるのではないでしょうか。
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