ロジカルシンキングのトレーニング方法7選!例題や鍛え方のコツも解説

ロジカルシンキングのトレーニング方法7選!例題や鍛え方のコツも解説
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ライター Yuri Furukawa
名古屋芸術大学 音楽学部 演奏学科 ピアノコース卒業。在学中に伴奏ピアニスト、ピアノ講師としての活動を開始。卒業後はブライダル演奏やホールレセプションなど、音楽関連業を中心に精力的に活動。パンデミックをきっかけに自分らしい働き方について改めて考えるようになり、2021年より音楽業と並行してSEOライターとしての活動を開始。現在、さまざまなメディアのコンテンツ作成に携わっている。

ロジカルシンキングとは、「論理的思考」のこと。課題の解決や説得力の向上につながるロジカルシンキングによる矛盾のない考え方は、すべてのビジネスパーソンにとって重要なスキルとされています。しかし、重要なスキルであることは理解できても、「思考力」という目に見えないスキルをどのように身につけていけばよいかわからないという方も少なくないはずです。

そこで本記事では、ロジカルシンキングのメリットロジカルシンキングを鍛えるためのトレーニングについて詳しく解説します。

ロジカルシンキングのトレーニングで得られるメリット

ロジカルシンキングを習得することで、仕事にどのような影響があらわれるのでしょうか?まずは、ロジカルシンキングを鍛えることで得られる3つのメリットについてみていきましょう。

課題発見力・問題解決力が高まる

論理的思考は、物事を体系的に整理することで、課題発見力の向上につながります。それにより、表やデータなどには表れていない根本的な問題の発見や、破綻している主張の要因も明確に洗い出すことができるため、結果的に問題解決力も高まるでしょう。

業務の生産性アップが見込める

ロジカルシンキングは自分の思考を論理的にとらえること以外に、相手の意見や主張を分析し冷静に受け止めることにも役立ちます。「相手の考えはどのような根拠に基づいているのか」「その主張に対し自分ができる最善のサポートは何なのか」などを正確に読み解く力が身につけば、コミュニケーションも円滑になり生産性の向上にもつながるはずです。

プレゼンテーション力が身につく

論理的で説得力のある提案を行えるようになることも、ロジカルシンキングを身につける大きなメリットといえます。ビジネスシーンでは、企画会議や商談などプレゼンテーション力が必要とされる場面が数多くあります。論理的に筋の通った説明や提案を行えるようになれば、業績アップや信頼獲得につながり、ビジネスパーソンとしての自信も得られるでしょう。

自分でできるロジカルシンキングのトレーニング方法7選

ロジカルシンキングは、さまざまトレーニングを積みながら身につけていくことが可能です。ここでは、自分自身でできる具体的な鍛え方を7つご紹介します。

ロジカルシンキングの基礎を学ぶ

ロジカルシンキングにおいて基本となる主な考え方は、以下のとおりです。

  • MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive):漏れなくダブりなく必要な情報を重複なく網羅すること
  • ファクトベース:事実(ファクト)にのみ基づいて論理を展開すること
  • ゼロベース:まっさら(ゼロ)の状態から先入観なく考えること
  • 仮説思考:問題に対して仮の結論を立てその仮説に向かって思考を繰り返すこと

これらの考え方について理解したうえで、実際のトレーニングに進みましょう。

フレームワークで実践する

ロジカルシンキングでは、ビジネスにおいて役立つ以下のような思考の枠組み「フレームワーク」に従って、論理的に考え方を組み立てていくことが重要です。

  • 帰納法:具体的な事例から普遍性の高い原則を導き出す手法
  • 演繹法:事実や一般的な法則から特定の結論を導き出す手法
  • 弁証法:対立する2つの事柄をすり合わせることで、矛盾を解決する結論を考える推論方法
  • ロジックツリー:問題をツリー形式で分解して原因や解決策を論理的に探すためのフレームワーク
  • ピラミッドストラクチャー:結論や主張とその根拠をピラミッド型に図式化する手法

フレームワークに基づいた実践を繰り返すことで、さまざまな状況に対してロジカルシンキングを的確に応用する力を身につけやすくなります。

ディベートで練習する

ディベートとは、一つのテーマに対して「肯定派」「否定派」に分かれて議論を交わす討論のこと。情報の分析力や論理的思考力、客観的な判断力などが求められるディベートは、大学の授業や社員教育にも積極的に活用されています。制限時間や発言順序などのルールが設けられた中での実践的な練習は、ロジカルシンキング習得の大きな手助けとなるでしょう。

アプリやゲームを活用する

ロジカルシンキングを鍛えるのに役立つアプリやゲームを活用するのも、おすすめのトレーニング方法の一つです。たとえば、京都大学から広まったおすすめの本を紹介しそれに関するディスカッションを行う読書会「ビブリオバトル」では、「自分の思いを論理的に伝える」「本の内容を理論的に整理し相手に伝える」「相手の意見に対して瞬時に反応する」などのロジカルシンキングにおいて重要なスキルを、ゲーム感覚で養うことができます。

研修・ワークショップに参加する

ロジカルシンキングの基本的な考え方やフレームワークについてある程度把握できたら、それを実際のビジネスの場で使えるスキルとして定着させるために、研修やワークショップに参加するのもよいでしょう。ロジカルシンキングに精通した講師や積極的に取り入れている企業によるセミナーを受けることで、より正しい理解や有効な活用、さらなるスキルアップにつながるはずです。

本で学習する

具体的な解説を見ながらコツコツ勉強したい方には、書籍での学習もおすすめです。入門者向けにわかりやすくまとめられたものや、ある程度知識がある方向けの専門書問題を解きながら論理的な考え方を身につけられるワークなど、さまざまな種類が出版されているため、まずは自分に合った本でロジカルシンキングに関する理解を深めていくのもよいでしょう。

次にご紹介するおすすめの3冊も、ぜひ書籍選びの参考にしてください。

『世界一やさしい問題解決の授業』著:渡辺健介

著者の渡辺健介氏が世界最高峰のコンサルティング会社で学んだロジカルシンキングや問題解決の考え方が、中高生にも理解できるようわかりやすくまとめられています。

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『入門 考える技術・書く技術 日本人のロジカルシンキング実践法』著:山崎 康司

世界的ロングセラー本『考える技術・書く技術』の訳者である著者が、論理的思考を苦手とする日本人に向けて、ロジカルシンキングを文書に落とし込むコツをわかりやすく解説した一冊です。

『入社1年目から差がつく ロジカル・シンキング練習帳』著:グロービス

すぐ使えて一生役立つ20のロジカルシンキングスキルを、問題を解きながら段階的に学べる、ドリル付きの入門書です。

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例題を解いて鍛える

ロジカルシンキングのトレーニングには、フェルミ推定の問題を解くワークも有効です。フェルミ推定とは、実際に調査するのが難しい数量や規模を、いくつかの手がかりをもとに論理的に概算する手法のこと。抽象的なものを具体化する力や、導き出した答えを整理し論理的に伝える力が問われるため、企業の面接に組み込まれているケースもあります。

具体的な例題と解答は、次章でご紹介していますので、あわせてご覧ください。

ロジカルシンキングの例題と解答例

ロジカルシンキングのトレーニングに有効とされる例題を解く方法。ここでは、具体的な例題とその解答例をご紹介します。ロジカルシンキングの答えは一つではないため、これからご紹介する解答もあくまで一例としてご覧ください。

Q. 今地球上で寝ている人の数は?

A. 約20億人

  • 世界の人口:約80億人*1
  • 人間の平均睡眠時間:約6時間(仮定)
  • 現在就寝中の地域:世界の4分の1(24時間÷6時間)

以上のことから、今現在地球上で寝ているのは約80億人中の4分の1にあたる約20億人と推測されます。上記の計算では、実際に測れないものを論理的に概算するフェルミ推定が使われています。

Q. ある飲食店ではホットコーヒー、ホットココア、ポタージュスープが売上好調。1年のうちいつキャンペーンを行えば効果的?

A. 12月から2月

  • 3つに共通するのは「温かい商品」であること
  • 一般的に寒い時期に温かい商品の売上が上がると考えられる

以上のことから、1年のうちで平均気温が低い12月から2月*2 にかけてキャンペーンを打ち出すのが最も有効と考えられます。この例題では、一般的な法則から特定の結論を導き出す演繹法が使われています。

ロジカルシンキングの鍛え方のコツ

論理的思考能力は、特別なトレーニング以外に日常生活の中で鍛えることも可能です。ここでは、ロジカルシンキングを身につけるうえで普段から意識しておきたい3つのポイントをご紹介します。

思考の言語化を意識する

論理的思考力を身につけるうえで、経験値は非常に重要です。ディベートや研修などでも経験は積めますが、日常的に自分の思考を言葉や文字に表すことで、より多くの思考体験を蓄積できるでしょう。また、毎日思考の言語化を意識することで、ロジカルシンキングの妨げとなる自分の思考の癖にも気づけるため、よりスムーズなスキル習得につながるはずです。

主張と根拠の筋道を立てて話す

根拠なく主張のみを繰り返すことは、論理的とはいえません。普段の会話の中でも、その考えに至った過程・根拠を大切にするようにしましょう。おすすめなのは、結論から述べること。「私はこう思う、なぜなら……」と続けることで、自然と主張と根拠を結びつけられるだけでなく、自分自身で論理的に思考を整理しやすくなります。

相手視点での物事も重視する

相手の視点に立って物事を客観視することで、自分の中の矛盾に気づきやすくなり、論理的思考への軌道修正を行いやすくなります。第三者に考えを話したり紙に書き出したりして思考を自分から一旦切り離し、冷静に眺めてみましょう。

ロジカルシンキングはトレーニングや日常での意識で習得可能!

ビジネスシーンでおおいに役立つロジカルシンキングは、フレームワークを使った実践やディベートなどはもちろん、思考の言語化や根拠の明確化といった日常生活で意識的に行えるトレーニングによって鍛えられます。独学で身に付けられるか不安な方には、ロジカルシンキングの基本的な考え方について学べるスクールを利用するのもおすすめです。

女性向けキャリアスクールSHElikesでは、ロジカルシンキングを含む、ビジネスパーソンにとって重要なスキルを学ぶことができる「ビジネスコース」を開講しています。幅広い職種に応用可能なスキルを身に付け、コミュニケーションの円滑化や仕事効率の向上に生かしてみませんか?

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※出典
*1:国際連合広報センタープレスリリース「世界人口推計2022年版」より
*2:国土交通省気象庁「東京(東京都)平年値(年・月ごとの値)主な要素」より

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。