データサイエンティストとは?仕事内容や必要なスキルをわかりやすく解説

データサイエンティストとは?仕事内容や必要なスキルをわかりやすく解説
ABOUT ME
ライター shin
航空系の会社に勤務した後、フリーランスとしての活動を開始。現在は主にWebメディアに携わりつつ海外を転々としている。
エディター Kakuhata Kyosuke
同志社大学 生命医科学部医情報学科卒。在学中、基礎科学や生体情報の取得・制御、プログラミングについて学ぶ。大学院進学後Pythonデータ解析や生体化学を学んだあとライター業を開始。現在はフリーランスとして活動し、キャリア領域のメディアを中心にSEO記事を編集・執筆している。

スマートフォンの普及やIT技術の発展などにより、昨今ではデータの活用が重要になっています。そのような背景からデータサイエンティストが注目されていますが、以下のような疑問を抱く方はいるのではないでしょうか。

「データサイエンティストとはどんな職業なのだろう?」
「データサイエンティストになるためには、何が必要なのかな?」

そこで、本記事ではデータサイエンティストの仕事内容を解説。また、必要なスキルや資格なども紹介します。データサイエンティストについて知りたい・目指したい方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

データサイエンティストとは?

まず、データサイエンティストの定義や役割、歴史などについて簡単に説明します。

  • データサイエンティストの定義
  • データサイエンティストが誕生した背景

それぞれ順に見ていきましょう。

データサイエンティストの定義

データサイエンティストはデータサイエンスを活用するため、まずはデータサイエンスという言葉を押さえておく必要があります。「IBM」によると、データサイエンスは以下のようなことを指すそうです。

データサイエンスは、数学と統計、特殊プログラミング、高度な分析、人工知能(AI)、機械学習を、特定の対象分野の専門知識と組み合わせて、組織のデータに隠されている実用的な洞察を明らかにします。 こうした洞察は、意思決定と戦略計画策定の指針として利用できます*1

つまり、データサイエンスとは、専門知識を用いてデータを分析して合理的な意思決定をすることといえるでしょう。そして、「一般社団法人データサイエンティスト協会」によるとデータサイエンティストは以下のように定義されています。

データサイエンティスト(分析人材)とは、高度に情報化された社会において、日々複雑化及び増大化(ビッグデータ化)するデータを、利用者の利用目的に応じて情報を収集・分析する技術を有し、ビジネスにおいて実行可能な情報を作ることができる者をいう*2

要するに、膨大なデータのなかから有益な情報を収集・分析してビジネスに役立てる仕事をする人といえます。

データサイエンティストが誕生した背景

データサイエンティストは、インターネットやスマートフォン、SNS、AIなどの普及によりデータ量が急激に増加したことで誕生したと考えられます。デジタル技術の発展にともない、ビッグデータを活用する重要度が増したことから、「データ収集・解析などを行って課題を解決できる人材」の需要が高まったと予想されます。

ただ、データの収集や分析をしたり統計を活用したりする業務は以前からありました。そのため、データサイエンティストはまったく新しい仕事というわけではないといえます。

データサイエンティストの主な仕事内容

データサイエンティストの定義が分かっても、「具体的には何をするの?」と思う方もいるでしょう。ここからは、データサイエンティストの業務内容や職務を紹介します。結論からいうと、「データ分析の企画立案」「データ収集」「データ解析とモデリング」「レポート作成と施策提案」の4つがあげられます。

データ分析の企画立案

1つ目は、データ分析のための企画立案をすることです。現状の課題を解決するために必要なことを明らかにし、分析プロジェクトの計画を立てます。例としては、「課題を明確化する」「データ分析の目的を定める」「どのようにデータを収集するか決める」などがあげられるでしょう。

データ収集

データ収集も、データサイエンティストの仕事の1つです。ビジネスにおける課題の解決に必要な情報を収集します。

まずは「何のためのデータが必要なのか」という目的を定め、その目的に沿ってデータ収集を行います。収集方法としては、蓄積されたビッグデータからの抽出や、インターネットやアンケートなどの活用などがあげられるでしょう。また、AIやシステムなどを用いることで自動でデータを収集する方法もあります。

データ解析・モデリング

データの解析も、データサイエンティストの仕事に含まれます。収集したデータを分析した結果から法則性や共通点などを見出し、課題の解決を目指します。

たとえば、あるECサイトにおいて年齢層ごとの売上高を抽出した結果、「ユーザー全体の年齢層は若い世代が多い一方で、ユーザー全体の購入額は年配の方のほうが大きい」というデータが得られたとします。この場合、売上アップを目指す施策の一つとして、「若年層の購買意欲を高めるためのアプローチ方法が必要」と考えることができるでしょう。

また、データのモデリングもデータサイエンティストの仕事の1つです。モデリングとは、以下のようなことを指します。

データ・モデリングとは、情報システム全体またはその一部を視覚的に表現し、データ・ポイントや構造間のつながりを伝えるプロセスです。 その目的は、システム内で使用され保存されているデータの種類、これらのデータの種類間の関係、データをグループ化し整理する方法、そのフォーマットや属性を説明することです*3

つまりデータのモデリングとは、「さまざまなデータの関係性を視覚化すること」といえるでしょう。設計図を作成すると捉えてもよいかもしれません。

レポート作成・施策提案

データサイエンティストは、解析したデータをレポートにまとめる作業も担当する場合があります。レポートにはデータの収集方法や解析結果だけではなく、「課題解決にはどのような施策が有効だと考えられるか」も含める必要があるでしょう。

会社の上長や自分のクライアントに対し、課題を解決する施策を提案します。レポートを通じてデータに基づいた合理的な意思決定を行えるようにするのがデータサイエンティストの役割の一つといえるでしょう。

データサイエンティストに必要なスキル

データサイエンティストになるために必要なスキルは、「データサイエンススキル」「データエンジニアリングスキル」「ビジネススキル」の3つがあげられます。各スキルについて詳しく解説します。

データサイエンススキル

データサイエンススキルは、情報処理や人工知能、統計学など情報科学系に関する知識を活用する能力です*4。データサイエンススキルを身につけるには、コンピュータや統計学などの知識が必要といえます。

また、AIに関してもデータサイエンティストに必要な知識の1つです。プログラミングの知識やスキルも習得しておくとよいでしょう。具体的には、AIの開発で用いられることが多い「Python」というプログラミング言語を身につけておくことなどがあげられます。

データエンジニアリングスキル

データエンジニアリングスキルは、データサイエンスを形にして運用できるようにする能力です*4。例としては、プログラミングや環境構築、データ加工などがあげられます。

  • 環境構築:システムやソフトウェアなどを、作業に適した環境に整えること。プログラムやソフトウェアを動かすための環境を整備する「実行環境構築」と、開発に必要な条件を整える「開発環境構築」がある。
  • データ加工:収集したデータを活用しやすいように整えること。これによりデータの分析精度が向上し、データに基づいた意思決定がしやすくなる。

要するに、データサイエンスに関する知識を形としてアウトプットするスキルといえるでしょう。

ビジネススキル

データサイエンティストにおけるビジネススキルとは、課題の背景を理解して解決に導く能力を指します*4。たとえば、課題を定義する力やヒアリングする力、論理的思考力などがあげられます。

データの収集や解析などのスキルがどれだけ高くても、課題を適切に設定できないと本質的な解決にはつながりにくいです。また解析結果を課題の解決に活かすには、物事を論理的に考える力が必要になります。データサイエンティストにとって、ビジネススキルはITや情報科学など知識と同様に大切といえるでしょう。

データサイエンティストを目指す人におすすめの資格

これからデータサイエンティストを目指すなら、第一歩として「一般社団法人データサイエンティスト協会」が実施している「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル」の取得がおすすめです。データサイエンティスト初学者やデータサイエンティストに関心を持つ人が対象で、取得すれば見習いレベルの実務能力や知識などを保有していることを証明できます*5

試験では、先述した「データサイエンススキル」「データエンジニアリングスキル」「ビジネススキル」の3項目に関する問題が出題されます*5

データサイエンティストの平均年収

厚生労働省によると、データサイエンティストの平均年収は557.5万円とされています*6。年収額は20〜24歳の337.04万円*6から年齢とともに上がっていき、55〜59歳の694.49万円*6がピークのようです。

ちなみに、就業形態は正規の社員が約90%*6を占めており、派遣社員や契約社員、フリーランスなどはそれぞれ10%*6ほどとなっています。データサイエンティストになりたい方は、「まずは正社員を目指す」ということも一つの選択肢として視野に入れておくと良いかもしれません。

データサイエンティストに需要や将来性はある?

データサイエンティストを目指すにあたって、将来性のある仕事なのか否かが心配になる方もいるでしょう。結論からいうと、データサイエンティストは今後も需要があるといえます。その理由は、デジタル技術の発展にともないデータの活用が重要になった昨今では、データを有効活用できる人材は必要不可欠だからです。

事実、データを適切に扱える人材の育成を国が進めており、たとえば総務省はデータサイエンス力に優れた人材を増やすために「データサイエンス・オンライン講座」を実施していたことがあります*7

以上のように国を上げてデータ分析スキルを持つ人材を育成する傾向にあることから、データサイエンティストとしての活躍の場は今後も広がるといえるでしょう。

データサイエンティストになるには?

厚生労働省によると、データサイエンティストの職に就いている人は大学院などで統計学や数学、情報工学などを専攻している場合が多いようです*6。また、データの収集や分析、解析などのスキルを身につけていることも必要といえます*6

新卒の場合、大手のIT企業や製造業などのデータ解析を担当するチームに配属されることでデータサイエンティストになる人が一定数いるようです*6。中途採用でデータサイエンティストになる人は、情報処理技術者やマーケティングリサーチャーなどを経験している場合が多いとされています*6

つまり、データサイエンティストになる方法は「入社した会社でデータサイエンスに関する知識やスキルを積み上げる」「専門知識や経験を積んだ状態で転職する」の2つが今のところ有力といえるでしょう。

データサイエンティストとはどんな職業なのかを把握して、データを扱える人材を目指そう

データサイエンティストは、データを収集・解析してビジネスにおける合理的な意思決定のサポートをします。近年はデータ活用の重要度が増しているため、データサイエンティストに必要なスキルや資格を身につければ活躍の幅が広がるでしょう。

もしスキルを習得する方法に迷っているなら、女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)をチェックしてみてください。基礎的な「データ分析」に加えて「マーケティング」「広告運用」などデータを活用するスキルを学べる環境が整っているため、データサイエンティストへの一歩を踏み出せます。無料体験レッスンも実施しているので参加を検討してみてはいかがでしょうか。

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※引用
*1:IBM「データサイエンスとは」より
*2:一般社団法人データサイエンティスト協会「定款」第1章 総則(定義)第2条より
*3:IBM「データ・モデリングとは」より

※出典
*4:一般社団法人データサイエンティスト協会「データサイエンティスト検定™
リテラシーレベルとは」データサイエンティストに必要な3つのスキル領域
より
*5:一般社団法人データサイエンティスト協会「データサイエンティスト検定™
リテラシーレベルとは」
より
*6:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」データサイエンティストより
*7:総務省「データサイエンス・オンライン講座の受講者募集開始―「社会人のためのデータサイエンス入門」のリニューアル開講―」より

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。