メンターのひと言が事業を前に進めるきっかけに。渡邊明香さんが「ノンアルサブスク」を着想するまでのストーリー

ABOUT ME
ライター 木村 彩華
0歳2歳のママ|結婚式をきっかけに防衛医大を中退後、SHElikesを受講してフリーライターに|現在は食や暮らし,美容,ウエディング,キャリア系メディア等で執筆・編集・ディレクションなど幅広く担当|Web広告代理店「CyberACE」では広報も務める|ラブグラフ専属カメラマン|2023年3月に関東から兵庫県明石市に移住
エディター ayumi
滋賀県立大学環境建築デザイン学科卒業。PR代理店、広告代理店でのプランナー、ディレクターを経てSHEに入社。SHEマーケティングチームのPR・広報を担当。
NEXT FOUNDERS最終ピッチ登壇者

SHEとポーラ・オルビスホールディングスが協働でスタートした女性起業家輩出プロジェクト「NEXT FOUNDERS」。第一回目となる今回は104組の応募があり、エントリーシートの選考を経て36組の第1期生が決定しました。
プロジェクト期間中はSHElikesの起業コースで学びながら事業戦略を作成し、メンターのコーチングや中間発表を通して事業立ち上げを目指します。6月17日(土)にSHEの銀座拠点にて開催された「NEXT FOUNDERS」最終ピッチ会には、36組のなかから10組が登壇し、各組5分で最終プレゼンテーションを行っていただきました。

審査の結果、優秀賞を受賞した渡邊明香さん。「DtoCのオルタナティブアルコールサブスクelm」を提案しています。今回は、そんな彼女の事業が形になるまでのストーリーや今後の展望についてお話を伺いました!

渡邊明香さん プロフィール

渡邊明香さんプロフィール

2013年某大手飲料メーカーに入社。商品開発研究所に所属され、7年間コーヒーの開発に従事する。2019年に公募にて新規事業立ち上げの部署に異動。2022年に商品開発研究所に戻り、機能性商品の開発に携わる。その傍ら、DtoCのノンアルコール飲料サブスクである「オルタナティブアルコールブランドelm」の事業を構想中。プライベートでは2023年8月に出産を控えている。

行き詰まっていた事業を前に進めるため「NEXT FOUNDERS」への応募を決意

——この度は優秀賞受賞おめでとうございます!まずは今回、「NEXT FOUNDERS」に応募した経緯について教えてください。

元々起業したいという思いがあり、2021年くらいからアイデアを温め続けていました。何度か社内のビジネスコンペに参加してみたのですが、全然ダメで。そんなときに妊娠が分かって、今後の進め方について改めて考えるようになったんです。事業推進のために必要な知識を一から勉強するため、2022年2月にSHElikesへの入会を決意しました。
SHElikesでは40もの豊富な職種スキルを学ぶことができます。入会後は起業コースをはじめ、ブランディングコースやコンテンツマーケティングコース、ビジネスコースなど起業のエッセンスになり得るコースをかいつまんで学習していました。そんなとき、「NEXT FOUNDERS開催のお知らせ」が舞い込んできたんです。
相変わらずビジネスコンペには落ち続け、社外の方に謝礼付きでPOC*をお願いするも、たった4名しか集まらず……。完全に手詰まりだった私は、起死回生のチャンスだと思いました。私以外の事業メンバーはSHElikesの受講生ではなかったけど、賛成してくれて。「これでダメだったら諦めよう」という覚悟で応募をしたのが始まりです。

*新たなアイデアやコンセプトの実現可能性や、それによって得られる効果を検証すること

——妊娠中に大きな決断をされたんですね……!「元々新規事業に取り組みたいという思いがあった」とおっしゃいましたが、何かきっかけとなるできごとはあったのでしょうか?

本業で新規事業の立ち上げに携わったとき、同僚たちの「新しい何かを生み出したい」という熱量に感化されたことがきっかけです。人生をかけてやりたいことが特になかった私にとって、大きな刺激になりました。
単純に、心からやりたいことがある人生って楽しそうだなと感じたんですよね。こんな生き方良いなって。そこから、いち商品を作るだけでなく、上流の事業アイデア設計から携わり、より深い課題を解決する取り組みをしたいと思うようになりました。

優秀賞を受賞した渡邊明香さん
——「NEXT FOUNDERS」のプロジェクトを終えた今、渡邊さんにとって起業とはどんなものですか?

「やりたいことを実現するひとつの手段」ですね。本業の商品開発は楽しいですし、大企業という面もあって安定しています。でも、それだけじゃどこか物足りない。自分らしさというか、「人生かけてやってやったぜ」と胸を張っていえるものが欲しいと思い、踏み出こんだ世界でもあります。
「NEXT FOUNDERS」に参加してからは、働き方の選択肢も広がりました。副業で起業している人もいれば、事業の立ち上げとは別に新たなスキルを身につけて収入軸を増やしている人もいます。
正直、起業一本で生きていく覚悟はまだないので、さまざまな働き方を知れたのは大きかったですね。良い意味で起業へのハードルが下がりました。これから自分らしい働き方とは何か、しっかり考えていきたいと思っています。

自身の原体験がきっかけで生まれた「オルタナティブアルコールブランド」

——改めて、渡邊さんの事業提案についてお聞きします。どのようなビジネスモデルなのでしょうか?

簡単にいうと、DtoCのノンアルコール飲料サブスクです。ピッチでは「わがまま女性のためのオルタナティブアルコールブランドelm」と題しました。
オルタナティブアルコールは、果物やハーブを漬け込んだビネガーに、果物や植物で香りや味をつけたもののこと。既存のアルコールドリンクから技術的にアルコール分を抜いたノンアルコール飲料とは別物です。
アルコールに引けを取らない風味のため、食事を楽しみながらゆっくりと味わうことができます。お酒が苦手な人や妊婦さんでも、日常のご褒美として楽しめるイメージです。ピッチでは今後のノンアル市場の伸びやプロトタイプイメージの着手、世界観やコンセプトメイキングの具体性を評価いただきました。

わがまま女性のためのオルタナティブアルコールブランドelm
事業提案
「世の中にもっと味や香りを楽しめるノンアルコール商品があったら良いのに」という義憤から着想
優秀賞を受賞した渡邊明香さんの事業アイデア
——ピッチ会でも「私も欲しい!」「こういう商品待ってた!」という声が多く、プロダクトの求心力を感じました!この事業を思いついたきっかけは、渡邊さん自身の原体験があるとか?

そうなんです。私はお酒が大好きなのですが、妊活時期は控えていて。正直、ストレスに感じていたこともあります。そんなとき、とあるレストランでオルタナティブアルコールに出会いました。
「こんな素晴らしい商品があるんだ!」と感動すると同時に、「世の中にもっと味や香りを楽しめるノンアルコール商品があったら良いのに」という義憤を抱いたんです。そこが着想のきっかけですね。

メンターの“あるひと言”が、事業の方向性を大きく変えるポイントに

——メンターのフィードバックを受け、エントリー当初から変化したポイントや、注力してブラッシュアップした点があれば教えてください。

実は、エントリー時は「妊活のための情報プラットフォーム」を構想していたんです。妊活時の情報キャッチがなかなか難しかった原体験から、このアイデアに至りました。でも、メンターの小池彩加さんに「プラットフォームを甘くみないほうが良いよ」と一蹴されて……!情報プラットフォームでマネタイズしていくことの難しさを目の当たりにしたんです。

彩加さんにヒアリングいただくなかで、「まずはファン作りが重要だから、そのきっかけとなるプロダクトを作ったらどうか」とアドバイスいただきました。そこで、当初マネタイズ拡大期に着手しようとしていた「妊活時期にあったら嬉しい商品の開発」に着目。将来的にノンアル商品の開発・販売も視野に入れていることを伝えると、「それ良いよ!」と言ってもらえたんです。

受賞後はメンターの小池彩加より花束が贈呈されました
受賞後はメンターの小池彩加より花束が贈呈されました
——メンターの厳しいひと言が、事業の方向性を見直す大きなきっかけとなったんですね!フィードバックに対し、渡邊さん自身どう感じたのでしょうか?

ビジネスコンペで落ち続けた経験から、「情報プラットフォームでマネタイズしていく考え方がそもそも違うのかもしれない」となんとなく感じてはいました。だから彩加さんからフィードバックをいただいたとき、その違和感が確信に変わったんです。
第三者の、しかもDtoCのビジネス領域に詳しい人から意見をもらうことで、納得感もありましたね。私含め、事業メンバーもフィードバックに対して肯定的で、自然に今のビジネスモデルに変わっていきました。

「ノンアルサブスク事業」が、最終的に実現したい未来の先駆けとなれば

——今後の展望やアクションプランがあれば教えてください。

DtoC向けのサービスとしてプレゼンさせていただきましたが、その後事業メンバーと話すなかで「新しいお酒に出会うときはお店きっかけが多いよね」という意見も出てきました。よりファンを広げていくには、toB展開もありなのかなと考えているところです。プロトタイプの検証を進めつつ、より進化した事業にしていければと思います。
上流の部分でいうと、最終的には当初構想していた妊活中の人と過去妊活経験がある人を循環させるプラットフォームを作りたいですね。情報キャッチの難しさについては、やはり強い課題感を感じています。アンケートでは「妊活していたころの自分にこんなアドバイスをしたい」と後悔している人が多いこともわかりました。
単純にメディアなどのプラットフォームだけでマネタイズするのは難しいかもしれませんが、ノンアル事業でファンを作ることができれば、実現に一歩近づくのではないかと思っています。

SHE代表福田と事業をともに手がける仲間と受賞の記念撮影
事業をともに手がける仲間と受賞の記念撮影
——最後に、これから起業に挑戦したい皆さんへメッセージをお願いします!

ひとりでやろうとしないことが大事ですね。事業を詰めていくにあたり、ひとりじゃないことはどれだけ心強いか、身をもって実感しています。
実際に「NEXT FOUNDERS」に参加してから、多くの人に助けられました。もちろん事業メンバーにはたくさん相談しましたし、メンターから客観的なアドバイスをいただいたおかげで今があります。100名を超えるSHEメイトにアンケート協力をいただいたときは、とても感動しました……!こんなにも挑戦することを応援してくれるコミュニティはほかにありません。
また、私自身エントリー時に構想していたものから大きく方向性を変えて事業展開しています。だからこそ、「しっかりアイデアが固まっていないから」「まだまだ事業内容を詰められていないから」といった理由で起業を諦めてしまうのはもったいない!

最初の一歩を踏み出すには、「もっとこうしたい」という熱い想いがあれば十分です。SHEでやりたいことを形にするためのきっかけを掴みましょう!

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。