自分が将来どんなキャリアを歩んでいきたいか明確にイメージできていますか?。ジョブ総研が2022年に行ったキャリアに関する意識調査では、今後のキャリアへの不安がある方は7割を超えており、自分が今後どんなキャリアを歩めば良いか分からず、不安を覚えている方が多いようです。*1今のキャリアのままでいいのか、今後どんなキャリアプランを描けばいいか悩んでいる人も多いようです。
コロナウイルスの流行や、AIの出現を経て、働き方は大きく変化しています。こういった時代だからこそどんなキャリアを歩みたいか、キャリアの展望やキャリアアップの道筋を考え、キャリアプランを立ててみましょう。将来のキャリアの目標が明確になると、次にどんな行動をすればいいか考えやすくなります。最後にキャリアプランに関するよくある質問もまとめていますので、参考にしてください。
キャリアプランとは
一体何を考えることがキャリアプランを考えることになるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。キャリアプランの定義、重要性やキャリアプランを考えるメリットについて解説します。
キャリアプランの定義
キャリアプランとは、「自分の将来のキャリアの理想像を明確にし、理想の実現を目指して、具体的に立てた行動計画」を指します。キャリアと聞くと仕事の経験や職歴をあらわしているように感じますが、キャリアプランではこれからの人生を通じてどのような仕事をして、どのような経験をしていきたいかを意味します。
キャリアプランの重要性と考えるメリット
キャリアプランを立てることは、変化の激しい時代に対応できるキャリア形成をするために重要です。技術の発達で働き方も求められるスキルも大きく変化しているからこそ、自らのキャリアを主体的に描き、経験やスキルを積み上げ、変化に対応できるようにしていきましょう。キャリアプランを立てるメリットは自分が行うべきことが明確になり、モチベーションが保てるようになることです。自分の理想のキャリアがイメージできていると、目標に向かって行動しやすくなります。就職活動や転職活動でもキャリアプランについて答えることができれば、主体的な人物としての評価が得られるでしょう。
自己分析の重要性
キャリアプランを立てる上で、自己分析をして自分の強みと弱みを理解することはとても大切です。現在の職業にとらわれず、自分の強みや今後やりたいこと、できること、するべきことを整理して、自身の価値観やできることに沿ってキャリアを考えてみましょう。具体的にキャリアのゴールがイメージができると、歩みたいキャリアにマッチングする会社や職種を探しやすくなります。自己分析で自らを知り、ゴールを定めたら、ゴールに到達するためにどんな会社や職種を経験することが適しているか考えてみましょう。
キャリアビジョンの設定
キャリアビジョンとはキャリアプランを通じて、将来自分がどうなっていたいのかという理想像を指します。キャリアプランを考えるために、まずキャリアビジョンを設定しましょう。
将来の理想的なキャリア像の描き方
まず自分が将来なりたい像を具体的にイメージしましょう。例えば、WebデザイナーからWebディレクターになる、管理職になる、本業では500万円、副業で200万円稼ぐなど、職種や役職、年収、副業などの条件をさまざまな角度から考えて、将来像を考えることが大切です。 将来の理想的なキャリア像がイメージできないという方は、会社の先輩の話を聞いてみたり、キャリアについてのインタビューを読んでみましょう。仕事に限らず、生活や趣味、暮らし方などの観点からも将来なりたいロールモデルを探してみることがおすすめです。将来のなりたい像は明確になると、次の行動を具体的に想像しやすくなります。
パーソナルミッションステートメントの作成
パーソナルミッションステートメントとは、自分の価値観と目標を明確にし、仕事をする上で何が一番大切なのかを定義したものです。例えば、「私のミッションはリーダーとして仕え、バランスがとれた生活を送り、倫理的な原則を厳守して決定的な差別化要因を産みだすこと」や「私のミッションは、私の頭脳、カリスマ、楽観主義を総動員して、世界中の女性の価値を向上させること」など仕事をするうえで一番大切にしたいことを表したものです。パーソナルミッションステートメントを作るには、まず仕事として価値を提供できるものをすべて洗い出し、自分の能力を把握します。次に自分が一体何に価値を置いているのか、自分が大切にしているすべての要素を明確にします。能力と価値観を理解した上で、自分がやりたいことを明確にしましょう。自分の能力を使ってどのような価値を提供しながら、どのように生きていきたいのかを具体的にイメージすることが大切です。
目標設定と行動計画
キャリアビジョンとパーソナルミッションステートメントが作成できたら、目標を具体的にして行動計画を立てていきましょう。
キャリアゴールの具体的な設定方法
キャリアビジョンをさらに具体的にして、数字を付け加えたものがキャリアゴールです。キャリアビジョンは仕事内容や価値観など定性的なものですが、ここに定量的な情報を加えることでゴールが明確になります。例えば、いつまでにデザインのディレクションの仕事を何件担当する、何人のプロジェクトの管理進行を担当できるようになるなど、設定したビジョンを達成するために必要な経験やスキルに対して、具体的な数字を付け加えてゴールを設定しましょう。数字を加えることで、目標に対しての進捗度がわかるようになり、目標のキャリアにどれくらい近づいているか理解しやすくなります。ゴールを明確にすることで、自分の現在地を知ることができ、モチベーションの維持にも繋がるでしょう。
長期目標と短期目標の設定手法
キャリアゴールが設定できたら、次に長期目標を立てましょう。キャリアゴールで設定した目標を細かくして、2〜3年で成し遂げられる長期目標を設定します。キャリアゴールの設定と同様に数字に落とし込みながら、目標を立てましょう。例えば何年後までに、案件単価を3万円から5万円にする、副業年収を200万円で安定させるなどです。次に長期目標をさらに細かくした短期目標を立てます。短期目標は1週間〜1ヶ月程度、長くても2〜3ヶ月程度で達成できる目標です。最終的な目標へと進むために段階的に目標設定をします。ひとまずクリアしたい目標なので、SNSの投稿を2日1回行う、SNSから1件デザインの仕事を受注するなど、達成することで確実にゴールに近づき、達成しやすい目標を立てましょう。
行動計画の作成と実行方法
目標が立てられてもなかなか行動に移せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。長期目標と短期目標が設定できたら行動計画を作成し、実行方法を考えていきましょう。まず目標を達成するために必要なタスクをすべてリストアップします。やらなければいけないことを明確にしたら、スケジュールへと落とし込んでいきます。あとはそのスケジュールに合わせて、実行をしていきます。目指すべき方向をイメージして、タスクを洗い出し、実行していくことで着実にゴールに近づくことができるでしょう。必要に応じてタスクとスケジュールを見直しながら、進捗を確認し、長期目標の達成度を低くしたり、期限を伸ばしたりすることもやっていきましょう。
自己成長とスキル開発
キャリアゴールやキャリアビジョンが考えられるようになると、目標までの距離も明確になります。さらに現在身についているスキルを正しく評価することで、足りてない部分も見えてきます。どんなスキルを身につければ良いかわかるので、学習方法や自己啓発についても考えることができるようになるでしょう。
必要なスキルの特定と評価
キャリアゴールが明確になったら、そのキャリアに必要なスキルを特定しましょう。例えばデザイナーからディレクターになりたいという場合はスケジュールや予算管理、マネジメント力などさまざまなスキルが必要です。また、必要なスキルが特定できたら、現在自分が持っているスキルも振り返ってみましょう。主観だけではなく、周りの意見を聴きながら客観的に自分のスキルを理解することで、キャリアゴールとの距離を正しく理解できるようになります。現在地が分かれば、あとは実行するのみです。不用意に落ち込まずにゴールに向けて進むことができます。
学習方法と自己啓発の戦略
自分に足りていないスキルが理解できたら、それを身につけるためにどんな学習方法があるか考えていきましょう。例えば、上司に学ぶ、本を読む、社会人インターンなどに参加してみるなどさまざまな方法があります。学習したあとに実践して、実績を積む。この一連の流れをつくっていくことで、仕事の幅を少しずつ広げていくことができるでしょう。足りないスキルが理解できているのであれば、そのスキルを学ぶことができるスクールに通うのも一つの方法です。女性向けキャリアスクールSHElikesでは、39の職種スキルが学び放題です。サービスを通して学んで実践し、実績作りまで行うことができるスクールです。
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キャリアの選択と転職
終身雇用制度の前提が変化している現代では、キャリアの選択も自由なものへと変化しています。最初に勤めた会社の職種に縛られず、自分の強みを生かして本当にやりたい仕事に挑戦したいという方も多いのではないでしょうか。そういった方のために、キャリアチェンジのメリットデメリットや転職について解説します。
キャリアチェンジのメリット
キャリアチェンジとは、未経験の業界や職種へと転職することです。キャリアチェンジのメリットは希望の業界、職種で働けるようになること、新しいスキルを学び、自分の視野を広げられることです。現在の職種が自分の希望や目標とずれている方にとっては、希望している職種、働き方に近づけるキャリアチェンジは大きなメリットをもたらすでしょう。
キャリアチェンジのデメリット
キャリアチェンジのデメリットは、一時的に待遇や年収が下がってしまう可能性があること、これまでのスキルが生かしにくい場合がある点です。元々の職種を活かす形で行うキャリアアップのための転職は待遇や年収がアップすることが多いです。しかし、キャリアチェンジの場合は即戦力になりにくいということもあり、年収や待遇が悪くなってしまう場合もあります。また、これまでのスキルを生かしにくく、すぐに評価が得られにくいというデメリットもあります。
転職戦略と求人情報の活用
就職活動に苦手意識があるという方も多いのではないでしょうか。キャリアチェンジや転職はやはり勇気がいるものです。キャリアプランが明確に描けていれば、転職活動に対する目的も明確になり、説得力を持って面接に望むことができるでしょう。まずはキャリアゴールに合わせて、本当に自分のやりたい職種を探すことが大切です。またこれまでの経験やスキルを洗い出し、言語化できるように整理しておきましょう。求人情報についても、未経験向けの求人が多いものやエージェントがサポートしてくれるサイトもあるため、自分に適したものを活用して転職活動を行うことがおすすめです。
キャリアプラン作成ツール
キャリアプランを作成するためのツールはいくつかあります。自分が見返しやすく、使いやすいもので作成してみましょう。
キャリアプラン作成ツールの種類
キャリアプランの作成方法やツールの使い方には明確なルールはありません。テンプレートを配布しているサイトもあるので、自分が使いやすいものを選んでみましょう。なかでもよく使われているものを紹介します。
- Excel、Googleスプレッドシート
- Word、Googleドキュメント
- マインドマップ
キャリアプラン作成ツールの選び方
質問に答えていく形で記入できる方が好きな方は、決められた項目があるExcelなどの表計算ソフトや、Wordなどの文書作成ソフトがおすすめです。好きなテンプレートをダウンロードして作成すると、より簡単に作成することができるでしょう。自由に思考を膨らませたい方は、マインドマップがおすすめです。自己分析の内容、目標や必要なスキルと知識、行動計画などの欄を作成して、そこに枝を増やすように追記していきましょう。質問の項目などがないため、自分で自由に書くことで、本当にやりたいことを見つけられる可能性があるでしょう。キャリアの振り返りを行うための診断サイトもあるため、そういったツールを使用することも一つの方法です。
キャリアプランの相談先
自分一人でキャリアプランを最初から最後まで立てるのは、なかなか大変です。第三者に相談しながら作成を進めると、自分自身の視野も広げることができるためおすすめです。周りの友達や先輩に相談するのもよいですが、キャリア相談専門のサービスを使用することも一つの方法です。
キャリアプランの相談先の種類
キャリア相談のサービスは、ハローワークやジョブカフェ、キャリア形成サポートセンターなど、国や都道府県の自治体が行っているものは無料で相談できます。有料のサービスだとマジキャリやミートキャリア、POSIWILL CAREERなどがあります。どんな相談をしたいか、どんなサービスを求めているかに応じて選びましょう。
キャリアプランの相談先の選び方
気軽に相談してみたいという方は、自治体の無料サービスを使ってみるのがおすすめです。自治体のサービスの場合、求職者向けのサービスとなっていることが多く、就職を目的にしているサービスが多いです。また、最近はキャリア支援を主事業としている民間企業も増えています。就職や転職を前提とせず、プロのカウンセラーがいるなど有料ならではのサービスがそろっています。第三者からの意見が欲しい、徹底的にサポートを使ってしっかりしたキャリアプランを立てたいという方は、有料のサービスを使ってみるとよいでしょう。
よくある質問
キャリアプランやキャリアビジョンを考える上でのよくある質問をまとめました。
キャリアプランを考える上で重要なポイントは何ですか?
キャリアプランを考える上で重要なポイントは、よく自分を知ることです。自分が本当にやりたいこと、強みを理解してキャリアプランを立てないと、将来のキャリアに対する行動にも前向きに取り組むことができません。よく自分自身を知り、心から楽しめる将来を描くことで、自分だけの唯一無二のキャリアプランを立てることができるでしょう。
自分の適性や興味に合ったキャリアを見つける方法は?
自分の適性や興味に合ったキャリアを見つけるためには視野を広げることが大切です。自己分析して自分自身を理解した後は、いろんなキャリアを持つ人に話を聞いて、自分の中の職業の選択肢を広げましょう。思いもよらなかった職種に出会い、天職を見つけることができる可能性があります。
自己成長のために必要なスキルは何ですか?
自己成長のために必要なスキルは、それぞれのキャリアゴールによって異なります。自分のゴールに必要な要素を洗い出して、そのために必要なスキルを身につけ、実績を作っていきましょう。必要なスキルが具体的にわからないという方は、すでにその職業で働いている人に聞いてみてもよいでしょう。
転職活動で自分にあった求人に辿り着く方法はありますか?
自分にあった求人に辿り着くためには、自己理解と情報収集が必要です。すぐに求人を探し始めるのではなく、まずは自己分析をして自分のスキルと強み、譲れない条件をきちんと整理したうえで、求人情報を確認しましょう。また、職種や経験によって、適した求人サイトは異なります。幅広い求人サイトを使ったり、希望職種への転職経験者に話を聞いたりして、希望職種を探しやすい求人サイトを使用しましょう。
キャリアの転換や再設計において、経験や学歴は影響しますか?
キャリアの転換や再設計において、経歴や学歴は一定の影響はあります。未経験の仕事の場合は、似たような経歴がある方が有利になったり、学歴でポテンシャルを評価されることはあるでしょう。ですが、キャリアが多様化したことで未経験職種にキャリアチェンジした人はたくさんいます。自分が将来やっていきたいこと、これまでやってきたことを細かく分析し、目標に向けてスキルアップすることで、キャリアチェンジやキャリアの再設計は夢ではありません。自分で自分を縛らずに、キャリアの展望を考えてみましょう。
目標のキャリアをイメージして、自分だけのキャリアを掴もう
キャリアプランやキャリアゴールを考える過程のなかでは、自己分析をして強みと弱みを明確にしたり、自分が本当にやりたいことを考えていく必要があります。これは仕事のためだけではなく、どんな自分になれたら幸せなのかを考えることにつながり、人生の満足度を上げるうえでもとても重要です。キャリアアップやキャリアチェンジという言葉だけにとらわれず、自分が本当にやりたいこととそのために必要なスキルを身につけることで、自分だけのキャリアの展望を描きましょう。
自分一人でキャリアプランを考えたり、独学でスキルを身につけるのは簡単ではありません。女性向けキャリアスクールSHElikesであれば、39の職種スキルを身につけながら、定期的なコーチングで目標設定と振り返りを行うことができます。長期目標を達成するためには、短期目標の設定と達成を繰り返すことが不可欠です。サービスを利用して、自分が目指したいキャリアプランを描きましょう。
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出典
*1:株式会社ライボ Job総研調査「2022年 キャリアに関する意識調査」