京大出身、元博報堂、現在はSHE株式会社のブランディングを先導しながら、自身の夢を叶えるために起業準備をしていらっしゃる、阿部成美さん。
そのスペックの高さに加えて、周りの人を魅了するチャーミングさと、ユーモアセンスを兼ね備えた、本当に才能溢れる素敵な女性です。
そんな成美さんが、9月から正式にSHE株式会社に入社したことを記念して、成美さんの大ファンである私SHE編集長の大原光保子が、僭越ながら成美さんの魅力をお届けさせていただきたいと思います。
ポジティブでストイックな成美さんの生き方に触れると、ハッピーなやる気が湧いてくるので、ぜひ興味を持っていただけた方は、成美さんが講師を務めるブランディング講座を受講してみてください!
ストラテジックプラナー 阿部 成美 2014年株式会社博報堂入社。入社以来、ブランディング専門ユニット「博報堂ブランド・イノベーションデザイン」に所属。リサーチ、ファシリテーション、プラニングを専門に不動産、インフラ、飲料、化粧品、金融、家電など多様な業界で企業、商品ブランディング業務に従事。「伝統の革新」のテーマに、魅力的なブランドの作り方を紹介するコラム「ブランドたまご(ブラたま)」を博報堂HPにて連載。共著:「博報堂のすごい打ち合わせ」( SBクリエイティブ (2017/6/29) )2018年9月に独立。現在はSHE 株式会社に勤務。
⒈ 「食べることが好き。」すべてはそこから始まった。
大原:成美さんは今、博報堂をやめて、SHEでブランディングを先導しながら、ご自身の起業準備もしていらっしゃるんですよね。どうしてそのような選択をしたんですか?
阿部:博報堂では、ブランディングの専門チームに配属いただき、世の中の課題を解決し、魅力的なブランドを生み出す方法を学ばせていただきました。これは、まさに自分が学びたかったことでした。しかしスキルは学べた一方で、いざ自分で事業をする、となるとやり方がわからなくて…。
そんな時、SHEからオファーをいただいたんです。今まさにSHEで事業を生み出すノウハウを学びながら、夢を実現するための準備ができていて、毎日めちゃくちゃ楽しいです。
大原:SHE株式会社のお仕事が、ご自身の夢にも繋がっているんですね。畑の魅力を伝える、というのは具体的にどういう事ですか?
阿部:大学時代に畑によく通っていて、畑って単なる食料生産の場に留まらない魅力がたくさんあるなと感じたんです。例えば、畑に行くと毎回知らない農産物との出会いがあるんです! スーパーで見かけない野菜って実はたくさんあって。そういう私が畑に通ったからこそ知っている素敵なところを伝えられるブランドを開発していこうと思っています。
実は”新しい野菜に出会う喜び”を伝えるブランドについてはプロトタイプを進めていて、まさにSHEでもテスト導入してもらいました。
SHEでテスト導入した、サービスyasaiccoの写真。毎週1回、スーパーではあまり見かけない旬の農産物が会社などの人の集まるところに宅配されるサブスクリプション型のブランドとのこと。
大原:知らない野菜が毎週届くなんて、すごく素敵ですね。ワクワクします。成美さんが、「畑の魅力を伝えたい」と思ったきっかけは何ですか?
阿部:一番はシンプルに「食べる事が好き」だからです。だって、食べるだけで本当に幸せになれるけど、これが1日3回もあるなんて、すごくないですか?!
でも、こんなに好きなのに、食材が食卓に運ばれてくるまでのことはあんまり知らないなと思ったんです。じゃあ大学で食の仕組みを勉強してみようと思いました。
大原:「食べる事が好き」っていう気持ちが、勉強とか仕事のモチベーションになっているのはすごいですね…!でもそこで、調理師専門学校とかではなく、学ぶ方を選んだのはどうしてですか?
阿部:誤解を恐れずにいうと、大学に行かないのはもったいないくらい、頭が良すぎちゃったからです。(笑)
大原:かっこよすぎます!(笑)
「自信満々なところがまたチャーミングです♡」
⒉ 天才のお姉ちゃんの後追いから脱したくて、毎日15時間勉強して京大へ。
大原:大学や学部はどうやって選んだんですか?
阿部:私の姉は天才で、全国模試で1位をとって、あっさり東大にいくような人だったんですよ。私はずっと姉の真似をして生きていたのですが、中高での成績からどうしても勉強では姉に敵わない事が分かっちゃったんですね。だから敢えて、京大を選びました。
それは私の中で、「姉よりちょっと下の人生からの脱却」という意味がありました。東大に並ぶ大学にもし自力でいけたなら、自分のことを自分が認めてあげられると思ったんです。目標を決めてからは毎日必死でした。毎朝6時に起きて、24時に寝ていたのですが、ご飯を食べる以外の時間はずっと勉強していて、両親も「意外とがんばるやん」と、びっくりしていました。(笑)
大原:ものすごい努力量ですね…!本当にかっこいい。天才のお姉さんの後ろを追いかける人生から、自分の道を歩くための決別として、京大入学を目指していたんですね。
阿部:根性はあると思います。(笑)京大の中に、まさに食の背景が学べる、食料・環境経済学科という学科があったので、「絶対に京大の食料・環境経済学科にいくんだ!」と強く決意していました。
大原:成美さんにぴったりの学科ですね。実際に入学してみていかがでしたか?
阿部:講義は面白かったのですが基本座学ばかりで、なかなかリアルな部分は見えてきませんでした。そのため自分で農家さんにアポをとって、実際に畑を見に行くようになったんです。そこからどんどん畑に魅了されていきました。
畑は行くたびに、それまで知らなかった野菜との出会いやいろんな気づきがあって、もう本当に毎回楽しかったです。その中で、「規格外野菜」という、味は一緒でも見た目がいびつだから捨てられる野菜の存在を知りました。「むしろでこぼこしてて可愛い!」と思い、でこぼこ野菜を使った料理を提供する、でこべじカフェをオープンしました。
私の京都の友人もでこべじカフェ知っていました!かっこよすぎる。
⒊ 「頭がよくて、畑の魅力を知っている」私だからできることを考えて、ブランディングを武器に。
大原:そこから就職先はどのように選ばれたんですか?
阿部:就活では、博報堂とオイシックスだけ選考を受けました。「畑の魅力を伝える人になる」という軸は決めていたので、博報堂に行って「伝え方」を学んでから自分で事業を起こすか、はじめからオイシックスで、野菜の魅力を消費者に伝える仕事をするか迷った結果、ご縁があった博報堂を選択しました。
大原:「伝え方」を学ぶために博報堂に入社されたんですね。実際入社してみていかがでしたか?
阿部:日々壁ばかりでした。(笑)1枠しかないブランディング専門チームには運よく入れたのですが、そこのチームは10年以上経験を積んだスペシャリストが中心のチームだったんですね。当然能力が追いつかず、悔しい想いをすることも多かったです。
ただ、学生の時に尊敬する農家さんから、「社会にでてからは”しんぼう”(自分の軸となる”心棒”に従うために”辛抱”が大事)だぞ」と言われていて、この言葉があったからこそ毎日頑張れました。
大原:博報堂でのお仕事は、どんなことが一番楽しかったですか?
阿部:仕事は常に10個くらいのプロジェクトが同時進行していて、毎日刺激的で全部楽しかったです。
でも一番楽しかったのは、「ブラたま」というメディアを社内の先輩と立ち上げて、活動したことです。地方で伝統を活かしたブランドを生み出した創設者を取材して回りました。
仕事とは別のサークル活動のような感じではあったんですが、自分の興味分野だったので、「こんな面白い人見つけてきました〜!」と言って、全国に飛び回って取材するのはめっちゃ楽しかったです。
大原:本当にブランディングがお好きなんですね。でも「畑の魅力を伝える」方法がどうしてブランディングなんですか?
阿部:いくら私が畑好きでも、「畑が魅力的!」って口で言うだけだったらすごく陳腐じゃないですか。それよりも、楽しい体験をしたり、日常に入りこむものを生み出す方が、深く広まっていくなって思っています。だからこそ、何かしらの形にしたい。口で言わなくても、裏にブランドの想いが込められた物やサービスが語っていくように。
大原:「言葉にすると陳腐」って、すごく共感します。だから想いを伝える手段として、ブランディングを選択したんですね。
⒋ ブレない45歳までの人生計画。
「美味しいご飯をみた時の成美さん。」「わーいわーい!」
大原:成美さんのお話を伺っていると、すごく人生に一貫性があるなと感じます。
阿部:私は45歳までの人生プランを描いていて、ほぼそこからそれずに進んでいるからだと思います。
大学3年生の時に人生プランを描いたのですが、絶対子どもは欲しいのでそこを中心に自分の人生を考えています。子育てするまでに圧倒的にキャリアを積んで、子育てが落ち着いたら故郷の山口に帰って、山口のリーダーとして地産地消などに関わっていけるように設計しています。
計画は自分の中で結構大事にしていて、例えば私24歳で結婚する予定だったのですが、実際は25歳で結婚しました。周りからはよく「結婚早かったね」って言われますけど、私からしたら「計画より1年遅れた〜!」って感じです。(笑)
「上目遣いもたまらなく可愛いです。いつか旦那さんと成美さんの可愛さについて語りたい。」
大原:そんな計画重視の人、初めて見ました。(笑)
阿部:ただ、ざっくりした計画は立てていたんですけど、ちょうどSHE株式会社に出会う直前くらいはものすごく悩んでいました。
なんとなく描いていたスケジュールを詰めてみると、起業と子どもを産むタイミングと、どっちが先がいいのか迷いました。正直、博報堂は給与も福利厚生もよかったので…。でも、お金のために子どものタイミングをコントロールしようとしている自分に嫌気もさして、モヤモヤしていました。
大原:そうだったんですね。SHE株式会社にはそんな風に悩んでいるタイミングで出会ったんですか?
阿部:そうですね。元々代表のさあやちゃんとは友達だったので、さあやちゃんのfacebookでSHElikesを知りました。まさに自分のキャリアに悩んでいたこともあって、SHElikesの理念にめちゃくちゃ共感したのを覚えています。
最初は自分のスキルアップのために、ウェブデザインコースを受講したんですけど、話をするうちに「ブランディングレッスンやってよ」と言われ、運営側に関わるようになりました。
大原:初めは会員さんとして参加していたんですね。知らなかったです。
阿部:ちょうどその時期に、起業に向けたいろんな追い風が吹いてきて、ふわっとしていた事業構想が明確になったり、昔お世話になった農家さんにブランディング講座をして欲しいと言われたりしていたんです。この流れを止める手はないな、と思いました。
SHE株式会社は私の夢も応援してくれて、学ばせてくれて、やらない理由が見つかりませんでした。いつどうなるかわからない子どもに縛られてブレーキをかけるのをやめて、思い切って転職することを決意しました。
大原:そんな背景があったとは…。本当に成美さんと一緒に働けて、心底幸せです。ありがとうございます。大好きです。最後に、成美さんにとっての人生の目的を教えてください。
阿部:人生の目的…難しい質問ですね。起業を考えているからこそ、よくそのテーマは考えます。
でもやっぱり、小さい時から一番尊敬してるのは、自分の母なんです。子どもを育てたいっていうのが一番にあります。
プラス、何か世の中の力になれるという、自分の可能性を信じたいと思っています。自分より優秀な人はめちゃくちゃたくさんいます。その中でも私にしかできないことを考えると、私自身が体験して知っている畑の魅力を、身につけた力で伝えていくことかなと思っています。
大原:面白すぎる、魅力的なお話をありがとうございました!またさらに成美さんのことが大好きになりました!!!
「大原オーダーのポーズ。可愛い。大満足。」
▶︎編集後記〜改めて、大原が感じる成美さんの魅力について〜
初めてお会いした日から、「この人をもっと知りたい・・・!」と強く心揺さぶられたことを覚えています。その時は上手く言語化できなかったのですが、今ならわかります。
成美さんの素直で、自分の人生の指針に向かってまっすぐで、ユーモラスな性格は、周りの人を圧倒的に魅了する強烈なパワーがあります。
とっても自信家だけど身の程も知っていて、ワクワクドリーマーだけど、現実的な計画に忠実で、そのバランス感覚が、成美さんの独特な魅力を形作っているんだろうな、と改めて実感するインタビューでした。
日々、「成美さんと働けるなんて、本当に幸せだな〜」と感じますし、「いつか起業して会いにくくなるなんて、想像しただけで辛すぎる…。」と思うくらい大好きなので、これからも成美さんの大ファンとして、魅力を発信していこうと思います。
これだけ素敵な成美さんの「ブランディング講座」は、魅力的じゃないはずがありません。
自信を持って、レコメンドします。
成美さんのブランディング講座は最高なので、ぜひぜひ受講してみてください!!!
直接的にブランディングをやっていない人でも、何かの魅力を誰かに伝えたい人は、みんな実践に活かせると思うので、オススメです!!