「いつか憧れの国に移住してみたい」「海外でノマドワークをしたい」「家族の都合で海外に移住するかもしれない」という時に、キャリアの面で不安を抱える方は多いものです。
この記事では、海外で働く時に役立つ資格やスキルについて解説します。海外へ移住する可能性のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
海外就職で役立つ資格の選び方
海外就職する際に役立つ資格は、大きく分けると「語学力が証明できるもの」「専門スキルを証明できるもの」の2つに分けられます。
語学力が証明できる資格を選ぶ
語学力を証明する資格があると、海外での就職に有利です。とくに、TOEFLやIELTSは世界的にも広く認知されており、採用の際にそれらの資格のスコアを重視する企業もあります。
また、就職する国によって取得すべき資格は異なります。たとえば、ケンブリッジ英検は欧州での評価が高く、ヨーロッパ就職を視野に入れる人に適しています。中国での就職を考えるなら、中国語検定であるHSKが役立ちます。こうした資格は履歴書にも記載でき、採用担当者にとっての信頼材料となります。
専門スキルを証明できる資格を選ぶ
海外で働くうえでは、語学力に加え、専門スキルを証明する資格も重要です。即戦力となるスキルを持つ人材は、国外問わず重宝されるからです。
たとえば、ビジネス分野であればMBA(経営学修士)やCAP(米国公認会計士)が代表的で、パソコンスキルならMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)、IT分野ではCITP(国際ITプロフェッショナル認定)など、目指すジャンルや分野によって適した資格がことがります。飲食業界を目指す方には調理師免許も武器になるでしょう。
このような資格は、専門性の高さを客観的に伝える材料となり、海外で働く時に役立ちます。
海外就職に役立つ語学系の資格6選
海外で働く際、語学力は欠かせないスキルのひとつです。語学系の資格を取得したり、高いスコアを示したりすることで、現地での仕事への適応力を示すことができ、採用の際に有利に働きます。海外で就職する際に役立つ6つの語学系の資格を紹介します。
TOEFL
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)は、とくにアメリカやカナダなどの英語圏で高く評価されている資格です。リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングのスキルがバランスよく測定される資格のため、実践的な英語力を証明する手段として評価されています。
英語を使用する企業での採用条件としてスコア提出を求められることもあります。本格的に英語力を伸ばしたい方にはおすすめの資格です。
IELTS
IELTS(International English Language Testing System)は、イギリスやオーストラリア、ニュージーランドなどで広く認知されている英語力判定試験です。アカデミック版とジェネラル版の2種類があり、進学・就職・移住など目的に応じた受験が可能です。
スピーキング試験が対面形式で行われるため、英語での会話力を証明できます。海外での生活や仕事をスムーズに行いたい方におすすめの資格です。
ケンブリッジ英検
ケンブリッジ英検(Cambridge English Qualifications)は、イギリスのケンブリッジ大学が提供する国際的な英語検定です。語学力を6段階で評価する国際的な基準「CEFR」を採用しているため、自身のレベルに合った試験を選ぶことができます。
とくにヨーロッパ圏での評価が高く、就職やビザ申請時に有効な証明となる場合があります。長期的に英語力を活かしてキャリアを築きたい方に最適な資格です。
漢語水平考試(HSK)
HSK(漢語水平考試)は、中国語の能力を測る中国政府認定の語学検定です。中国や台湾、シンガポールなど中華圏全体で認知されており、企業での採用基準にも活用されています。
レベルは1級から6級まであり、自分の能力に応じた試験を受験できます。中国語を使う環境で働きたい方にとっては、スキルを客観的に証明できる資格です。
韓国語能力試験(TOPIK)
TOPIK(韓国語能力試験)は、韓国政府が実施する韓国語能力の公式検定です。ビジネス文書や会話の理解力、作文能力など、実用的な言語スキルが問われるため、韓国企業での採用に直結します。
レベルは初級から上級まで幅広く設定されており、自分の能力に応じてステップアップが可能です。韓国語を使ったキャリア形成を目指す方にとっては、基礎力の証明として有効な資格です。
DELEスペイン語検定
DELE(Diplomas de Español como Lengua Extranjera)は、スペイン政府が認定する国際的なスペイン語資格です。A1からC2までの6段階が用意されており、自身のレベルに合った試験に挑戦できます。
スペインや中南米諸国に移住・就職する際には、客観的な語学力の証明として役立ちます。スペイン語を使って国際的に活躍したい方は資格取得を検討してみましょう。
海外就職に役立つ経理・総務・会計系の資格3選
経理・総務・会計といったバックオフィス業務は、海外でもニーズの高い分野です。スキルを証明できる国際資格を取得すれば、海外での就職の選択肢が広がります。海外でのキャリア形成に役立つ経理・総務・会計系の3つの資格を紹介します。
経営学修士(MBA)
海外でマネジメント職を目指す方には、MBA(経営学修士)の取得がおすすめです。MBAは世界中のビジネススクールで提供されており、経営戦略・財務・人材管理など、企業運営に関する知識を総合的に学ぶことができます。
オンライン形式のプログラムも充実しており、働きながら学ぶことも可能です。経営層やリーダーシップ職へのステップアップを考える方にとって、信頼性の高い資格として役立つでしょう。
米国上級秘書資格(CAP)
CAP(Certified Administrative Professional)は、米国の事務管理協会(IAAP)が認定する、国際的に認知された秘書・管理業務向けの資格です。ビジネス文書の作成、スケジュール管理、情報整理など、実務に直結したスキルが問われるため、海外のオフィスでの活躍を目指す方に適しています。
英語での業務に携わりたい方や、外資系企業のバックオフィス職を目指す方にも役立つ資格です。
米国公認会計士(USCPA)
USCPA(米国公認会計士)は、世界的に信頼されている会計資格の一つです。会計・監査・税務・ビジネス法といった幅広い専門知識が求められ、グローバル企業や国際会計事務所などで高く評価されています。
英語を用いる試験ですが、日本国内でも受験が可能で、働きながら資格取得を目指すこともできます。海外の財務部門や外資系企業でキャリアを築きたい方におすすめです。
海外就職に役立つIT系の資格5選
IT分野で海外を目指す方は、実務スキルを証明できる資格の取得が大きな強みになります。とくに国際的に認知度の高い資格は、海外での就職や日本企業の海外拠点で働く際に役立つでしょう。海外就職に役立つ5つのIT系資格を紹介します。
MOS
MOS(Microsoft Office Specialist)は、WordやExcelなどのMicrosoft Office製品の操作スキルを証明する資格です。業務効率を高めるスキルとして世界的に認知されており、事務職などを希望する方にとって有利に働きます。
とくに海外企業では、実践的なスキルの証明として評価されることが多く、即戦力として信頼を得やすくなります。IT初心者でも取り組みやすい資格です。
Microsoft認定資格プログラム(MCP)
Microsoft認定資格プログラム(MCP)は、クラウド、セキュリティ、データ分析など、分野別に専門性を高められるIT資格です。たとえば、クラウドの基礎を学べるAZ-900や、データサイエンス向けのDP-100などがあります。
世界中の企業で通用するMicrosoftの資格は、英語での業務や国際的なプロジェクトにも対応できるスキルの証明になります。将来的にグローバルなIT環境で活躍したい方におすすめです。
認定情報技術者(CITP)
CITP(Certified Information Technology Professional)は、米国公認会計士協会(AICPA)が認定する高度なITスキルとビジネス理解が求められる専門資格です。とくにデータ分析やIT戦略など、経営に直結する業務に関わる方に役立つでしょう。
財務×ITのハイブリッドスキルを証明できるため、海外の経営層や管理職を目指す方におすすめです。専門性の高いキャリアを築きたい方に役立つでしょう。
オラクル認定技術者制度(ORACLE MASTER)
ORACLE MASTERは、日本オラクルが提供するデータベース関連の資格です。ITシステムの構築・運用に欠かせないスキルを学べるため、エンジニアとしての成長を目指す方に適しています。
資格はレベル別に分かれており、自分のスキルに合った段階での挑戦が可能です。世界中のIT企業で導入されているOracle製品に関する知識を持つことで、海外で就職するチャンスも広がります。
情報処理技術者試験
情報処理技術者試験は、経済産業省が認定する国家資格で、ITスキルの基礎から応用まで幅広く評価されます。海外の企業で働くというよりは、海外企業との連携がある日系企業や、外資系の日本拠点で働く際に、スキルを証明するために役立つ場合があります。
試験は初級から高度な専門分野まで幅広く用意されており、体系的に学習できるのが特徴です。信頼されるIT人材を目指す方におすすめです。
海外就職に活かせる接客・サービス業系の資格4選
接客やサービス業の経験を活かして海外で働きたい方には、専門性の高い資格の取得がおすすめです。国や業界に応じたスキルを証明することで、現地での採用にもつながりやすくなります。ここでは代表的な接客・サービス業系の資格を4つをご紹介します。
調理師免許
飲食関係の仕事をしたい方には、調理師免許の取得がおすすめです。飲食業界は海外でも需要が高く、和食ブームなどの影響もあり、日本人シェフの活躍の場が広がっています。
日本の国家資格である調理師免許取得に向けた学習内容には、調理技術だけでなく、衛生管理や栄養の知識も含まれており、取得をすることで料理のプロフェッショナルとしての信頼を高めてくれるでしょう。食の分野で海外で働きたい方にはおすすめの資格です。
美容師・理容師免許
美容師・理容師免許があると、海外でも美容関係の仕事に挑戦しやすいです。日本の美容技術は高く評価されており、現地のサロンでの就職や個人事業としての開業にも活用できます。
国ごとのライセンスが必要な場合もありますが、日本の免許をもとに就労ビザを取得したり、協定制度を利用できたりするケースも見られます。美容師・理容師免許は、美容業界で働きたい方にとって海外でも強い味方をしてくれる資格です。
サービス接遇検定
接客マナーを身に付けたい方には、サービス接遇検定がおすすめです。この検定では、お客様への心配りや的確な言葉遣い、状況判断など、サービス・接客の現場で役立つ実践的なスキルが評価されます。
とくにホスピタリティの質が求められる海外の接客業では、日本ならではの丁寧な接遇が強みとなります。ホテル・観光・販売など幅広い業種で活かせる資格です。
観光英語検定
観光業界で働きたい方には、観光英語検定の取得がおすすめです。観光地でよく使われる英語表現や、接客・案内業務に特化した語彙・会話力を身につけられるのが特徴です。
試験では英語力だけでなく、旅行業務に関する基礎知識も問われるため、語学系資格以上に観光業務の即戦力として評価されやすくなります。観光地で外国人観光客に対応する仕事に興味のある方におすすめです。
海外就職に活かせる専門系の資格
専門分野に特化した資格は、グローバルに活躍したい方にとって大きな武器になります。語学力だけでなく、教育や物流などの分野でも、資格を通じてスキルを証明することが可能です。
日本語教育能力検定
日本語を外国人に教える仕事をしたい方には、日本語教育能力検定の取得がおすすめです。日本語教育に必要な知識や理論、言語学の基礎を幅広くカバーしており、国内外の教育機関での採用時に活用されています。
日本語教師として海外で働きたい方にとっては、基本的なスキルやモチベーションを提示できる有効な資格です。
保育士資格
子どもと関わる仕事をしたい方には、保育士資格が役立ちます。日本の保育士制度は、教育と福祉の両面から子どもを支える仕組みが整っており、海外でも注目されています。
現地の保育施設や日本人学校、インターナショナルスクールなどでの採用に有利に働く場合があります。子どもの発達を支える専門職として、グローバルに働きたい方に適した資格です。
通関士の資格
貿易や物流の分野で活躍したい方には、通関士の資格取得が役立ちます。通関士は、輸出入に関する業務を専門的に扱う国家資格であり、国際物流に欠かせない存在です。
通関士の資格は、グローバルな企業で働く際専門知識を持つ人材として重宝されます。海外と関わるビジネスの現場で、即戦力として働きたい方におすすめです。
海外でも役に立つポータブルスキルを紹介
業界や職種、国や企業が変わっても通用するスキルを「ポータブルスキル」と言います。ポータブルスキルは、資格とは異なり、経験や学習によって身につけられます。海外でのキャリア形成においても重要なので、資格取得と並行して「どのようなスキルを身に付けると良いか」を考えましょう。
幅広い業界で活躍できるポータブルスキルを紹介します。
マーケティングスキル
商品やサービスを魅力的に伝えるマーケティングスキルは、海外でも求められる汎用性の高いスキルです。市場調査、SNS運用、コンテンツ企画など、職種に応じて活用の幅が広く、語学力と掛け合わせれば現地企業での業務にも役立てられます。
とくにデジタルマーケティングは国境を越えて需要が高まっており、フリーランスとして活躍したい方におすすめのスキルです。実践を通じて磨けるスキルなので、独学でも学べますし、独学が難しい場合はスクールに通うこともできます。
Webデザインスキル
Webデザインスキルは、国や業種に関係なく活かせるクリエイティブなスキルです。国内外問わず案件があるため、フリーランスとして働く際にも役立ちます。Webデザイナーにならずとも、簡単なサムネイル作成や画像編集はさまざまな職業で生かすことができます。デザインの知識は分かりやすい資料作りにも役立つでしょう。
特にリモートワークとの相性が良く、場所にとらわれず働きたい方には注目されるスキルです。クリエイティブな仕事をしたい方や自由度の高い働き方をしたい方は、ぜひデザインスキルを身に付けましょう。
コミュニケーションスキル
言語や文化が異なる環境では、コミュニケーションスキルが非常に重要になります。単に話したり聞いたりするだけでなく、相手を尊重しながら信頼関係を築いたり、仕事の条件をすり合わせたり、あらゆる職種・ポジションで必要とされるスキルです。
ハードスキルとは異なり、コミュニケーションスキルを中心に学ぶ講座やスクールは多くありません。しかし、SHElikesのようにビジネススキルを学ぶ一環としてコミュニケーションスキルを身に付けられるスクールもあるので、有効活用しましょう。
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憧れの韓国に移住!接客業から9ヶ月で自由に働くフリーランスマーケターになるまで Nabiさん
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新卒でホテルに就職したものの、働き方や環境にイメージとの大きなギャップを感じ、入社から10ヶ月で退職したNabiさん。「興味のある韓国語や、手に職をつけられるようなスキルを身に付けよう」と考え、派遣社員の仕事をしながら独学でデザインを学び始めます。
「スクールで勉強した方が効率的に学べるのではないか」と思っているときにSHElikesに出会います。デザインスキルはもちろん、デザイン以外のスキルも学べることや、サイトのデザインに惹かれたことが決め手となり入会しました。
入会後はマーケティング関係のインターンに参加したり、SHEが紹介する企業案件に挑戦したりしました。インターン先で賞を受賞したことも、仕事をしていくうえでの自信につながったそうです。
現在では複数の企業と業務委託契約を結んで仕事をしています。憧れだった韓国を拠点にしながら、フリーランスのマーケターとして活動できるようになりました。

パートナーの海外転勤&妊娠でライフスタイルが変わった会社員。未経験から月収5万円アップで自由に働くフリーランスに ちぴさん
会社員からフリーランスのマルチクリエイターに転身したちぴさんを紹介します。
会社員としてマーケティングの仕事をしていたものの、パートナーの海外転勤や自身の妊娠をきっかけに、キャリアについて考えていたちぴさん。「自分が退職をしなければいけない可能性があるなら、会社に頼らずに個人で働けるスキルがほしい」と考えるようになり、フリーデザイナーを目指すためにSHElikesに入会します。
学んだ知識を活かして作品をSNSに投稿したところ、企業の目に留まり、フリーペーパーの誌面のデザインの仕事を受注しました。
現在はアメリカに移住し、デザインやSNS運用、カメラなどの複数のスキルを掛け合わせながらマルチクリエイターとして活動しています。

海外で働きたい。そんな方には資格取得やスキル習得がおすすめ
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一方で、海外で働く方法は現地就職だけではありません。スキルがあれば、海外に住みながらも日本の企業で仕事をしたり、フリーランスとして個人で働いたり、さまざまな働き方を選択できます。
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