働き方が多様化するにつれて、パラレルキャリアという言葉を聞いたことがある方も増えているでしょう。しかし、以下のような疑問を抱くこともあるのではないでしょうか。
「パラレルキャリアはどのような働き方?」
「パラレルキャリアはどのように始めればよい?」
そこで、本記事ではパラレルキャリアの概要やメリットと注意点を解説。また、パラレルキャリアの始め方と実例も紹介します。
パラレルキャリアについて詳しく知りたい方やこれからパラレルキャリアを始めたい方は、最後までチェックしてみてください。
パラレルキャリアとは?
まず、パラレルキャリアとはどのような働き方なのかを把握しておきましょう。ここでは、以下の2点を説明します。
- パラレルキャリアと副業の違い
- パラレルキャリアが注目されている背景
それぞれを詳しく見ていきましょう。
パラレルキャリアと副業との違い
パラレルキャリアと副業は似ていますが、それぞれの意味は違います。
パラレルキャリアの主な目的は、スキルアップやキャリアアップ、自己実現、社会貢献などです。本業とは異なる活動をすることもあり、例としては「会社に勤めながらボランティアに参加する」「本業を続けながらNPO団体に所属する」などが挙げられます。活動を通じて結果的に報酬を得る場合もありますが、基本的には収入を第一の目的としないのがパラレルキャリアの特徴です。
一方で、副業とは報酬を得るために本業とは異なる仕事をすることです。収入増が目的のため、スキルアップや自己実現などは必須ではありません。また、本業で得た知識やスキルを活かすと効率がよいので、本業と同じ分野の仕事をする場合が多いといえます。
パラレルキャリアが注目されている背景
パラレルキャリアが注目されている背景には、以下の2つがあるといえます。
- 産業構造の変化
- 働き方の多様化
まず、終身雇用や年功序列のようなシステムが今後も続くとは限らなくなってきている点が挙げられます。定年まで同じ会社で勤務でき、長く働けば自動的に給料も上がっていく保証がないと、将来のキャリアへの不安が生まれるでしょう。パラレルキャリアを通じてさまざまな経験やスキルを身につけておけば、万が一解雇や倒産などに直面したときに柔軟に対応できるといえます。
また、働き方の多様化もパラレルキャリアが広まった理由の1つです。転職やリモートワーク、フレックスタイムなどが一般化し、ワークライフバランスという考え方も普及した昨今では、仕事の価値観や人生観も変化しています。仕事の仕方や生き方の選択肢が増えたことで、パラレルキャリアが注目されるようになったといえるでしょう。
パラレルキャリアのメリット5つ!
パラレルキャリアのメリットは、以下の5つが挙げられます。
- 本業では得られない体験ができる
- 人脈や視野が広がる
- 新しい知識やスキルを得られる
- 今後のキャリアの選択肢が増える
- 本業のモチベーションアップが期待できる
各メリットを詳しく説明します。
本業では得られない体験ができる
まず、パラレルキャリアに取り組むと本業では得られない体験ができます。現在の仕事とは異なる分野の活動に参加することで、新たな経験を積めるでしょう。
これまでにない体験をすると、新しい価値観が身についたり夢が広がったりするといえます。そうすると、より豊かな人生を送れるようになるかもしれません。
人脈や視野が広がる
人脈や視野が広がるのも、パラレルキャリアのメリットの1つです。ボランティアやアウトドア活動などに参加すると、本業では出会えないような人と関係を構築できます。
また、自分とは違う仕事をしている人や価値観の異なる人と交流することで、視野が広がるでしょう。柔軟な考え方ができるようになったり、多様性が身についたりするといえます。
新しい知識やスキルを得られる
パラレルキャリアを通じて、新しい知識やスキルの習得も目指せます。本業とは異なる仕事や活動をすることで、普段の業務では得られないような知識とスキルを身につけられるでしょう。
たとえば、ボランティアで地方活性化を目指すプロジェクトに参加して得た知識を活かせば、本業で地方創生につながる新規事業を提案できるようになるかもしれません。また、本業以外の時間で別の活動をすると、タイムマネジメントスキルも身につくでしょう。
今後のキャリアの選択肢が増える
パラレルキャリアに取り組むと、今後のキャリアの選択肢が広がります。パラレルキャリアを通じてさまざまなスキルを身につければ、別業界への転職や起業も視野に入れられるでしょう。
また、本業とは異なる活動をして新しい知見や経験を得ると、自分が本当にやりたいことや得意なことなどが見えてきて、将来のキャリア像が明確になるかもしれません。
本業のモチベーションアップが期待できる
本業のモチベーションアップにつながることも、パラレルキャリアのメリットです。ボランティアに参加して社会に貢献したり誰かの役に立ったりすると前向きな気分になり、本業のやる気も向上するでしょう。
また、パラレルキャリアで本業とは違う活動をすると、リフレッシュやストレス軽減の効果も期待できます。本業以外の時間で気分転換できれば、仕事のモチベーションを維持しやすくなるでしょう。
パラレルキャリアのデメリットや注意点
パラレルキャリアには、デメリットや注意点もあります。具体的には、以下の4つが挙げられます。
- 自由時間が減る
- 目標を決めないと中途半端で終わってしまう
- 勤務先がパラレルキャリアを認めているか確認する
- 収入が発生する場合は自分で確定申告の手続きが必要
それぞれを詳しく見ていきましょう。
自由時間が減る
1つ目のデメリットは、自由に使える時間が減ることです。本業以外の時間でパラレルキャリアに取り組むと、家族や友人、恋人と過ごす時間や趣味の時間は短くなります。
また、パラレルキャリアに集中しすぎて睡眠や休息の時間が減り、健康に影響が出ないよう注意してください。体調を崩して本業に支障をきたし、パラレルキャリアが難しくなると、本末転倒です。
目標を決めないと中途半端で終わってしまう
パラレルキャリアは、明確な目標を持って取り組まないと中途半端で終わってしまいます。具体的なゴールを設定せずにボランティアやスキルアップに向けた取り組みを行っていると、途中でやる気がなくなり、何も得られずにやめてしまうかもしれません。
本業以外の活動を通じて達成したいことや理想の将来像などを思い描き、それを実現させるために必要なことをパラレルキャリアとして取り組むのがよいでしょう。
勤務先がパラレルキャリアを認めているか確認する
パラレルキャリアを始める際は、勤務先の就業規則を確認するようにしてください。勤め先が副業を禁止していると、パラレルキャリアで報酬が発生した場合に就業規則違反とみなされる可能性があります。また、報酬の出ない活動をする場合でも、情報漏洩などの理由でパラレルキャリアが禁止とされるケースもあるでしょう。
パラレルキャリアを始めたい方は、勤務先の就業規則に目を通したり、上司や人事部などに相談したりしてみてください。
収入が発生する場合は自分で確定申告の手続きが必要
パラレルキャリアを通じて収入を得る場合は、自分で確定申告の手続きをする必要があります。勤務先が副業やパラレルキャリアを認めていたとしても、本業以外の収入に関する税金の手続きは個人で行う点は押さえておきましょう。
給与所得以外の所得金額が合計20万円を超える場合は自分で税金を計算して期日までに納付する必要がある*1ので、パラレルキャリアで報酬を得る方は注意してください。
パラレルキャリアの始め方
ここでは、パラレルキャリアの始め方を紹介します。具体的な流れは、以下の通りです。
- 目標や将来の理想像を明確にする
- 現状の自分を把握する
- 実際にパラレルキャリアに取り組む
各ステップを詳しく説明します。
1.目標や将来の理想像を明確にする
まずは、目標や将来の理想像を明確にしましょう。パラレルキャリアを通じて達成したいことや将来なりたい姿を思い描き、ゴールを設定します。
なお、目標は具体的に設定することが大切です。たとえば、「ボランティア活動をして社会貢献したい」よりも「海洋プラスチックごみを削減するプロジェクトに参加して環境問題に関する知識を身につけ、10年後には海をきれいにする事業を始めたい」としたほうが、行動を起こしやすくなるでしょう。
パラレルキャリアを始める際は、経験したいことやゴールまでの期間などを具体的に定めることが大切です。
2.現状の自分を把握する
目標や将来の理想像が定まったら、現状の自分を把握します。自分の強みと弱みやこれまでに身につけた知識やスキル、経験などを書き出し、棚卸しをしてみてください。
現状の自分を把握できれば、ステップ1で立てた目標とのギャップが可視化されるでしょう。目標を達成するために必要なスキルや現状の自分に足りていない経験などを洗い出すことで、これから自分が取るべき行動がはっきり見えてくるといえます。
3.実際にパラレルキャリアに取り組む
これからの行動が明確になったら、実際にパラレルキャリアに取り組みます。ボランティアや社会貢献活動に参加したい場合は、インターネットやSNSで探したり地域のボランティアに応募したりするとよいでしょう。
スキルアップやキャリアアップを目標とするなら、転職サイトやクラウドソーシングサイトなどを活用して求人や案件を探すのがおすすめです。転職エージェントに希望の働き方を伝えて、自分に合った仕事を紹介してもらうのも方法の1つです。
また、勉強会や交流会、セミナーなどに参加して異業種の人と交流するのもよいかもしれません。そこで出会った人から、ボランティア活動や仕事などを紹介してもらえる可能性もあります。
パラレルキャリアの実例
最後に、パラレルキャリアの実例を紹介します。実際にパラレルキャリアに取り組んでいる人の事例を知ることで、具体的なイメージを掴めるかもしれません。
フリーターからフリーランスのパラレルワーカーになったみえさん
13年間フリーターとして活動していたみえさんは、将来への不安や「在宅で仕事ができたらいいな」という思いから女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)への入会を決意しました。イラストやPhotoshop、マーケティング、ライティングなどを学習し、スキルを掛け合わせて身につけたといいます。
また、同じように目標に向かって頑張るSHEメイト*と交流することで、学習のモチベーションをキープ。さまざまな職種の人と繋がった結果、仕事のチャンスまで広がったそうです。
その結果、1か月で16案件を受注するなど、在宅で働くフリーランスパラレルワーカーになれました。SHElikes受講後はマインドも変化し、今では新しい挑戦を楽しめるようになったといいます。
※SHElikes受講生の通称
パラレルキャリアとは何かを理解して、実際に取り組んでみよう
パラレルキャリアとは、自己実現や社会貢献などを目的として、場合によっては本業とは異なる活動をすることです。収入が発生しない場合もありますが、人脈や視野が広がったりキャリアの選択肢が増えたりなど、さまざまなメリットを得られるでしょう。
また、スキルアップを目指してパラレルキャリアに取り組むケースもあります。近年では働き方が多様化しているため、スキルを身につけることで理想の働き方や生き方を実現させやすくなるといえます。
スキルアップに取り組みたい方には、SHElikesがおすすめです。Webデザインやライティング、SNSマーケティングなど全45以上の豊富な職種スキルが定額・学び放題*なので、自分に合ったスキルの習得を目指せます。複数のスキルを掛け合わせて身につけることで、働き方の選択肢を広げられるでしょう。
無料体験レッスンを実施しているので、興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。
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※スタンダードプランの場合
※出典
*1:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」より