出産を前に、「仕事を続けるべきか、それとも退職するべきか」と悩む方は少なくありません。実際に妊娠を機に退職した人の中には、「出産後の生活を考えると退職してよかった」と感じる方もいれば、「キャリアを手放してしまいもったいない選択だったのでは」と後悔する声もあります。
出産を機に退職するかどうかは、これからの仕事や人生の方向を左右する大きな決断です。本記事では、出産を機に退職してよかったと感じるケースや後悔しやすいケースを整理しながら、後悔しないための判断基準を紹介します。
出産を機に退職して良かったと感じる理由は?
まずは、「妊娠を機に退職してよかった」と感じる実際の理由を紹介します。
退職を選ぶかどうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
わが子の成長を一番近くで見守れる喜びがある
出産を機に退職をしてよかったと感じる理由として多くあげられるのが、「わが子の成長を間近で見守れること」です。子どもの成長はとても早く、初めて笑った瞬間や寝返りができた日、言葉を話し始める時期など、日々の変化はかけがえのないものです。
このような瞬間に立ち会うことができた時に「仕事を辞める決断をして良かった」と感じる方も多いでしょう。退職を選ぶことで、子どもの成長をゆっくり見守りながら育児に向き合える点に、大きな喜びを感じる方は少なくありません。
仕事のストレスから解放されゆとりが生まれた
退職したことで、通勤のストレスや業務のプレッシャーなどから解放され、心身に余裕が生まれたという声もあります。妊娠中や出産後は体調の変化が大きく、育児が始まると、夜間の授乳や生活リズムの変化など、想像以上に体力を使います。
仕事の重圧から離れ、わが子に向き合う心の余白が生まれたり、家庭に集中できる環境を整えやすくなるという点も、退職をしてよかったと感じる理由の一つです。
一度退職したことが働き方を見直すきっかけになった
出産を機に退職したことで、これまでの働き方やキャリアについて改めて考えるきっかけになったという声もあります。仕事中心だった生活を一度リセットすることで、「自分はどのような働き方を望んでいるのか」「家庭と仕事をどう両立させたいのか」といった価値観を見直せる機会になるためです。
自身の考えを整理した結果、育児が落ち着いた後に、時短勤務や在宅ワーク、パートなど自分に合った働き方を選ぶ人も少なくありません。

出産を機に退職する際の注意点
出産をきっかけに退職を考える人は少なくありませんが、後から「本当にこの選択でよかったのか」と迷うケースもあります。退職する場合は、以下のように事前に認識しておきたい注意点があります。
それぞれ順を追ってみていきましょう。
世帯収入が減ることで経済的な不安が生まれるリスク
出産を機に退職すると、自身の収入が減る分、世帯年収が減ってしまう点は事前に認識しておきたいポイントです。出産後すぐは、ベビー用品や医療費など新たな支出も生まれ、その後も子どもの学費など大きな出費が必要な場面も出てきます。
もちろん、パートナーの収入や貯蓄によっては問題なく生活できるケースもありますが、安心して育児に向き合うためにも、生活費や将来の支出を一度整理しておくと安心です。退職を決める前に、家計のシミュレーションをしておきましょう。
キャリアにブランクができる
出産を機に退職すると、一定期間仕事から離れることになり、キャリアにブランクが生まれます。育児が落ち着いたあとに再び働きたいと考えたとき、以前と同じ条件で仕事を見つけるまでに時間がかかる可能性があることは認識しておきましょう。
必ずまた働きたいと考えている場合は、退職せずに育休産休を取得し復職できる状態を維持しておくことも大切です。もし退職を決断した後に再度仕事をする場合は、正社員として就職するだけでなく、フリーランスやパートなど、子育てと両立しやすい働き方を検討してみても良いでしょう。
社会からの孤立感が生まれるリスク
仕事を辞めることで、職場の人間関係や「社会とのつながり」が一時的に途切れるため、孤独を感じるケースもあります。特に、大人と話す機会が減り、育児中心の生活が続くと「自分だけ社会から取り残されている」という焦りにつながることも少なくありません。
一方で、地域の子育て支援センターやママ向けのコミュニティ、オンラインの交流など、同じ立場の人とつながれる機会は増えています。そのため、退職を選ぶ場合でも、社会との関わり方をいくつか持っておくと、安心して子育てに向き合いやすくなります。
退職タイミングによって受け取れない手当や給付金がある
出産を機に退職する場合、退職のタイミングによっては手当や給付金が受け取れなくなる場合があります。たとえば、産休・育休を取得せずに退職して出産する場合、健康保険から支給される出産手当金*1が支給対象外になるケースがあります。また、雇用保険から支給される育児休業給付金については退職後は受け取れません*2。
出産手当金については退職後でも受け取れる場合がありますが、以下の全ての条件を満たすことが必要となります*3。
- 被保険者の資格を喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間(健康保険任意継続の被保険者期間を除く)があること。
- 資格喪失時に出産手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。
なお、退職日に出勤した場合、退職後の出産手当金は支給されなくなってしまうため、注意が必要です。制度は条件が細かく定められており、法改正で内容が変わるケースもあります。退職前に勤務先や健康保険の窓口へ確認しておくと安心です。

後悔しないための退職判断チェックポイント
出産をきっかけに退職するかどうかは、多くの方が悩む大きな決断です。実際には、退職してよかったと感じる方もいれば、あとから別の選択肢を考える方もいます。ここでは、後悔しないために確認しておきたい退職判断のチェックポイントを紹介します。
上記を参考に、自分に合った選択をしましょう。
家計のシミュレーションを行い生活に不安はないか
退職前に、月々の収支や今後増える出費を具体的な数字で確認しておきましょう。収入面では、配偶者の手取り収入に加え、児童手当など受け取れる給付金も整理しておくと安心です。支出面では、現在の固定費(住居費・保険料・通信費など)に加え、おむつや粉ミルクといった育児費用が新たに加わります。
また、産後は外出が難しくなり、宅配や家事サポートサービスの利用が増えるケースも少なくありません。「なんとかなりそう」という感覚ではなく、具体的なシミュレーションを作成し、退職後の生活をより具体的にイメージしましょう。
「今は育児を優先する時期」と自分なりに納得できているか
育児への向き合い方に正解はなく、人それぞれ置かれた状況も異なります。退職後の生活に満足感を得やすいのは、「今は仕事の手を止めて、育児に時間やエネルギーを注ぎたい」という自分なりの納得感を持っているケースです。
もちろん、「仕事のプレッシャーから一度離れたい」という動機も、立派な選択理由のひとつ。大切なのは、周囲の意見や「なんとなく」という空気に流されすぎず、自分の優先順位を整理しておくことです。ちなみに、「数年間は育児に専念し、その後また新しい形でキャリアを再開する」といった長期的な視点を持つことで、退職後の焦りやミスマッチを防ぎやすくなります。
キャリアのブランクが生まれても後悔しないか
育児のために仕事から離れる期間は、職種・業界・個人の状況によってその影響が大きく異なります。そのため、数年後に再就職や職場復帰を希望する場合、「ブランクがあっても大丈夫か」を事前に確認しておくと安心です。
同じ職種の求人動向、資格やスキルの維持方法、再就職支援サービスの活用など、ざっくりとでも調べておくだけで選択肢が広がります。また、育児中にオンラインで学習を続けたり、フリーランスとして小さく働き続けたりという方法を取る方もいます。
産休・育休取得とどちらが良いか慎重に検討したか
退職と産休・育休取得のメリット・デメリットを事前に比較しておけば退職の決断をより納得のいくものにできます。たとえば、それぞれ以下のようなメリットデメリットがあります。
| メリット | デメリット | |
| 産休・育休取得 | ・雇用が継続されるため、育児が落ち着いた後に同じ職場へ戻りやすい ・出産手当金や育児休業給付金を一定期間受け取れる ・社会保険料が全額免除(将来の年金額には納付済みとして反映される)*4 ・職場での人間関係やキャリアが完全に途切れるわけではない | ・復職後は仕事と育児の両立が必要になる ・希望どおりの部署や働き方に戻れない可能性がある ・復職時にブランクによる不安やスキル面のギャップを感じる場合がある |
| 退職 | ・育児に専念でき、時間的・精神的な余裕を持ちやすい ・働き方やキャリアをゼロから見直すことができる ・職場の制約に縛られず生活設計ができる | ・安定した収入が途絶える ・育児休業給付金は原則受け取れず、出産手当金も条件を満たさないと受給できない ・再就職の際にブランクが不利になる可能性がある ・社会保険料が自己負担になる(配偶者の扶養に入る場合を除く) ※ただし、国民年金・国民健康保険ともに、産前産後期間は保険料免除制度があります*5*6。 |
両者のメリット・デメリットを比較検討したうえで、自分に合った選択ができているかを確認してみてください。
退職によるキャリアへの影響を最小限に抑えるには?
出産を機に退職をし「もったいないことをした」と後悔しないためには、キャリアへの影響を最小限にするための工夫をするのがおすすめです。実際にできる方法をいくつか紹介します。
退職を決断する前に知っておくと、安心につながるでしょう。
自分の理想の働き方を再定義する
育児期間は、これからの働き方をあらためて考える良いタイミングでもあります。以前と同じスタイルで働くことにこだわらず、「どんな仕事をしたいか」「どれくらいの時間働きたいか」「何を大切にしながら働きたいか」を自分のペースで整理してみましょう。
そうすることで、以前の仕事を続けるよりも、本当に自分の望む働き方が見つかるという場合も。また、育児を経験したことで、価値観や優先順位が変わることも多々あります。それを踏まえた新しい働き方を描くことが、納得のいくキャリア再出発につながります。
ブランク明けに備えスキルアップを行う
将来的に仕事への復帰を視野に入れているなら、育児の合間に無理のない範囲でスキルを維持・更新しておくと安心です。まとまった時間がなくても、資格の勉強やオンライン講座の受講など、取り組める方法は意外と多くあります。
最初の一歩は「すぐ仕事に役立つか」より、自分が興味を持てる分野から始めるのもおすすめです。スキルアップは再就職の準備になるのはもちろんですが、育児中心の生活に新しい刺激をもたらしてくれるかもしれません。
コミュニティに所属し社会との接点を持ち続ける
育児中は、どうしても生活の範囲が狭まりやすい時期です。意識的に外とのつながりを保つことが、気持ちの面でも将来のキャリアの面でも支えになる場合もあります。たとえば、地域の子育てサークルやオンラインコミュニティ、同じ職種・業界の交流グループなど、気軽に参加できる場は多くあります。
情報収集や人脈づくりになるだけでなく、「社会とつながっている感覚」が日々の充実感にもつながるでしょう。

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以下の記事では、SHElikesでスキルを習得し、自分らしい働き方を実現した受講生のリアルな事例を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。

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会社員月収の3倍を達成!専業主婦から4ヶ月でフリーランスのスライドデザイナーに|hisaさん
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出産を機に退職し、一度キャリアをリセットすることは勇気がいる決断です。しかし、わが子の成長を近くで見守りながら、これまでの働き方を見つめ直す時間は、決して「もったいない」ものではありません。大切なのは、自身が納得できる選択をすることです。
本記事で紹介したように、たとえ出産で一度現場を離れても、自分らしいキャリアを再構築することは十分に可能です。SHElikesでは50以上の職種スキルが定額で学び放題。グループコーチングや転職支援など、理想の働き方を叶えるサポート体制も整っているため、未経験でも安心して新しいことにチャレンジできます。
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※出典
*1:協会けんぽ|出産手当金 より
*2:厚生労働省|「育児休業給付を受給中に離職した皆さま」より
*3:協会けんぽ|「出産手当金」内「資格喪失後の支給について」より
*4:日本年金機構|厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)より
*5:厚生労働省|国民年金保険料の産前産後期間の免除制度 より
*6:江戸川区|産前産後期間の国民健康保険料が免除されます より




