ヨーロッパに移住したいと考える方の移住先として、近年注目を集めているのがスペインです。温暖な気候や豊かな文化に加え、海外移住者を受け入れる制度が整いつつあることから、選択肢として検討する人が増加。
一方で、ビザの種類や生活準備、仕事など、事前に知っておきたいポイントがいくつかあります。本記事では、スペイン移住のメリットや必要なビザ、実現までのステップを整理し、移住を具体的に考えるための情報を紹介します。
スペイン移住の主なメリット
スペインは働き方や暮らし方の価値観が日本とは大きく異なる点に、魅力を感じる人も多いようです。
ここでは、スペイン移住の代表的なメリットを紹介します。
ワークライフバランスを重視する文化
スペインは、仕事とプライベートのバランスを大切にする文化が根付いている国です。家族や友人との時間を優先する価値観が強く、長時間労働を前提としない働き方が一般的です。昼休憩を長く取る習慣や、夏季にバカンスをしっかり取得する文化も特徴的。
効率よく働き、生活を楽しむという考え方に魅力を感じて、移住を検討する人も少なくありません。
温暖な気候と美しい景観
スペインは年間を通して比較的温暖な気候に恵まれており、地域によっては冬でも過ごしやすい環境です。さらに、地中海沿岸では海と街が近く、自然に囲まれた暮らしと便利な都市生活を両立しやすいのが魅力です。
日照時間が長いことから、屋外での活動やカフェ文化が根付いている点も特徴。気候や景観を重視して移住先を選びたい人にとって、スペインは魅力的な選択肢といえます。
生活費が西欧に比べて比較的安い
スペインは、フランスやドイツなどほかのヨーロッパ諸国と比べると、生活費を抑えやすい傾向があります。特に家賃や外食費は、エリアを選べば比較的リーズナブルに収まるケースもあります。
首都のマドリードやバルセロナを避け、地方都市を選べば、より低い生活コストで暮らすことも可能です。
デジタルノマドに有利な制度
スペインでは海外からのリモートワーカーを受け入れる制度が整いつつあります。近年は、デジタルノマド向けのビザ制度が導入され、一定の条件を満たせば、海外企業に所属したままスペインで生活・就労することが可能になりました。
場所に縛られず働くスタイルを希望する人にとって、制度面での追い風がある点も、スペイン移住が注目されている理由のひとつです。以下の記事では、海外移住や他拠点生活のために場所に縛られず働くための方法を解説していますので、あわせてチェックしてみてください。

スペイン移住前に知っておきたいデメリット
魅力の多いスペイン移住ですが、実際に暮らし始めてから「想像と違った」と感じる人も一定数います。ここでは、移住前に知っておきたいデメリットを紹介します。
移住後のギャップを減らすためには、メリットだけでなくデメリットも事前に理解しておくことが大切です。
仕事探しの難易度が高い
スペインは失業率が比較的高く、現地での仕事探しは簡単ではないといわれています。特に、スペイン語が話せない場合や専門スキルがない場合、希望条件に合う仕事を見つけるのは難易度が上がります。
現地企業への就職を目指す場合、語学力や現地での就業経験が重視されるケースも少なくありません。そのため、移住前に仕事を確保する、あるいはリモートワークなど別の働き方を検討する人が多いのが実情です。
税制・手続きが複雑
スペインでは、税制や行政手続きが複雑だと感じる人も少なくありません。たとえば、スペイン居住者か非居住者かによって税率や申告義務が変わるほか、開業や口座開設などの手続きにも時間がかかることがあります。
書類はスペイン語の場合が多く、内容を理解するのに苦労するケースも。移住後は、税理士や専門家のサポートが必要になる場合もあるでしょう。
都市部以外では英語があまり通じない
マドリードやバルセロナなどの都市部では英語が通じる場面もありますが、都市部を離れると英語がほとんど通じない地域も多いのが実情です。また、日常生活では、役所手続きや病院、住居探しなどでスペイン語が必要になる場面が多くあります。
完璧な語学力は必須ではありませんが、最低限のスペイン語を学んでおくことで、生活のストレスを大きく減らすことができるでしょう。
スペイン移住のための主なビザの種類と取得条件
スペインへの移住を実現するうえで欠かせないのが、目的に合ったビザ選びです。働き方や収入源によって取得できるビザは異なり、条件や手続きの難易度にも差があります。
ここでは、スペイン移住を検討する際によく選ばれる代表的なビザと取得条件を紹介します。条件は変更される可能性があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。
デジタルノマドビザ
デジタルノマドビザは、海外企業やクライアントと契約しながら、スペインに移住できるビザ*1です。たとえば、日本企業に所属したままリモートワークを行う会社員や、海外向けにサービスを提供するフリーランスなどが対象となります。自営業者の場合でも、スペイン国内企業向けの業務は全体の20%までに制限されています。
一定以上の収入証明や健康保険への加入、大学・大学院などの学位、もしくは同等と認められる3年以上の職務経験が必要です。 スペイン国内での就労を前提としないため、現地で仕事を探す必要がない点は大きなメリットですが、安定した収入と専門性があることが前提となるビザです。

投資家ビザ
投資家ビザは、スペイン国内で一定額以上の投資を行うことで取得できる居住ビザ*2です。投資家ビザでは、以下のいずれかに該当する投資が必要とされています。
- スペイン国内の不動産を50万ユーロ以上購入
- スペイン企業の株式・持分への100万ユーロ以上の投資
- スペイン国債への200万ユーロ以上の投資
- スペインの金融機関への100万ユーロ以上の預金
- 投資ファンド、事業投資など一定条件を満たす資本投資
比較的スムーズに居住権を取得しやすく、配偶者やこどもなど家族帯同が可能な点も特徴です。一方で、高額な資金が必要となるため、誰でも取得できるビザではありません。資産に余裕があり、長期的にスペインで生活基盤を築きたい人向けの選択肢といえるでしょう。
非営利滞在ビザ
非営利滞在ビザは、スペイン国内で就労せず、十分な生活資金をもとに滞在する人向けのビザ*3です。貯蓄や年金収入、海外からの安定した収入があり、スペインで働かずに生活できることが前提となります。そのため、申請には最低限の生活資金を証明する必要があります。
原則としてスペイン国内での就労は認められていないため、仕事目的の移住には向きません。一方で、長期滞在や生活環境を重視した移住を希望する人に選ばれるケースもあります。資金証明の基準は比較的高く、十分な経済的余裕が求められます。
起業家ビザ
起業家ビザは、スペインで新たに事業を立ち上げることを前提とした居住ビザ*4です。すべての起業家が対象となるわけではなく、革新性や雇用創出、経済的インパクトなど、スペイン経済への貢献度が重視されるのが特徴です。
申請時には、事業計画の内容や実現性、申請者自身の経験や専門性などが審査されます。そのため、準備に時間がかかるケースも少なくありません。明確なビジネスアイデアがあり、スペインで中長期的に事業を展開したい人向けのビザといえるでしょう。
自営業ビザ
自営業ビザは、フリーランスや個人事業主としてスペイン国内で仕事を行うために必要なビザ*5です。申請時には、事業内容をまとめた計画書や投資額・収入見込みに加え、職務経験や資格を証明する書類の提出が求められます。
起業家ビザのような革新性は不要ですが、事業として継続可能であるかが厳しく審査されるため、準備には時間と手間がかかります。スペインで働きながら生活したい人にとって、現実的な選択肢といえるでしょう。
高度技能専門家ビザ
高度技能専門家ビザは、ITエンジニアや研究職、管理職など、高度な専門性を持つ人がスペイン企業で雇用される場合に取得できるビザ*6です。原則として、事前にスペイン企業からの雇用オファーと居住許可の取得が必要となります。
対象となる職種や学歴、実務経験には一定の基準が設けられているため、誰でも申請できるわけではありません。一方で、条件を満たせば審査期間が比較的短く、家族帯同もしやすい点は大きなメリットです。専門スキルを活かしてキャリアアップを目指す人に向いたビザといえるでしょう。
スペイン移住を実現するためのステップ
スペインへの移住を成功させるためには、勢いだけで進めるのではなく、段階的に準備することが大切です。
ここでは、移住後のギャップやデメリットを減らしながら、スペイン移住を進めるためのステップを紹介します。
1.目的を明確にする
まずは、「なぜスペインに移住したいのか」という目的を明確にしましょう。ワークライフバランスを重視したいのか、海外でのキャリアを広げたいのか、生活環境を変えたいのかによって、選ぶビザや働き方は大きく変わります。
移住のメリットだけでなく、仕事面や手続きのデメリットも理解したうえで目的を整理することで、現実的な計画を立てやすくなります。
2.収入を得るためのスキルを身につける
スペインでは現地就職の難易度が高いため、移住前に収入源を確保しておくことも重要です。たとえば、リモートで働けるWeb系スキルや専門職スキルがあれば、スペイン移住後も安定した収入を得やすくなります。
ビザ条件の多くでも「一定の収入証明」が求められるため、スキル習得は移住準備の重要なステップです。
3.基本的なスペイン語を習得する
仕事を日本語や英語で行う場合でも、日常生活ではスペイン語が必要になる場面が多くあります。そのため、日常生活で頻出の会話は覚えてから移住するのがおすすめです。たとえば、住居探しや役所手続き、病院での対応などはスペイン語が必要になります。
流暢に話せる必要はありませんが、あいさつや簡単な会話、生活に必要な単語を身につけておくことで、移住後のストレスを大きく減らせます。
4.ビザ申請の準備をし取得する
スペインへの移住を実現するには、自分の目的に合ったビザを選び、条件を満たす必要があります。デジタルノマドビザや非営利滞在ビザなど、ビザごとに必要書類や収入条件は異なります。
申請には時間がかかることも多いため、余裕を持って準備を進めることが重要です。不安がある場合は、専門家に相談するのもよいでしょう。
5.滞在先を確保する
最後に、スペインでの滞在先を確保します。最初は短期滞在用の物件やシェアハウスを利用し、現地に慣れてから長期契約に切り替える人もいます。都市やエリアによって家賃や生活費に差があるため、仕事や生活スタイルに合った場所を選ぶことが大切です。
移住直後の生活をスムーズに始めるためにも、事前準備を怠らないようにしましょう。

スペインのおすすめ移住先都市
スペインは都市ごとに雰囲気や生活スタイルが大きく異なります。仕事のしやすさ、生活費、気候、外国人が多く暮らしていて移住者が生活しやすい環境かどうかなどを踏まえ、自分の目的に合った都市を選ぶことが、スペイン移住を成功させるポイントです。
移住者におすすめの4つの都市について、詳しく紹介します。
バルセロナ
バルセロナは、スペイン移住先として特に人気の高い都市です。海と都市が近く、温暖な気候と開放的な雰囲気が魅力。観光都市でありながら、IT企業やスタートアップも多く、デジタルノマドやリモートワーカーが集まりやすい環境です。
英語が比較的通じやすく、外国人コミュニティも充実しているため、初めてのスペイン移住にもおすすめの都市といえます。
マドリード
マドリードはスペインの首都で、政治・経済の中心地です。企業や行政機関が集まり、仕事の選択肢が比較的多いのが特徴。公共交通機関が整っており、生活インフラも充実しています。
一方で、家賃は地方都市に比べて高め。しかし、文化施設や飲食店が豊富で、都市型の生活を好む人に向いています。安定した生活基盤を築くことを重視する人におすすめの移住先です。
バレンシア
バレンシアは、生活費と住みやすさのバランスが取れた都市として注目されています。バルセロナやマドリードに比べて家賃が抑えやすく、海にも近いため、落ち着いた生活を送りたい人に向いています。
都市部と自然の距離が近い点も魅力。コストと暮らしやすさを重視する人におすすめです。
マラガ
マラガは南スペインに位置し、年間を通して温暖な気候が特徴です。近年は外国人移住者やリモートワーカーが増えており、生活費も大都市に比べて抑えやすい傾向があります。リラックスした雰囲気の中で暮らしたい人や、ワークライフバランスを重視した移住を考える人に向いています。
のんびりとした生活を送りながら働きたい人におすすめの都市です。
スペイン移住のためのスキルを磨くならSHElikes
現地就職の難易度が高いスペインへの移住を考えるなら、場所に縛られずに働けるスキルを身につけるのがおすすめ。女性向けキャリアスクールSHElikesでは、フリーランスやノマドワーク向きのスキルが学べます。ここでは、SHElikesの魅力や場所に縛られず働くスキルを身につけた受講生の事例を紹介します。
SHElikesなら50以上の職種スキルが学び放題
女性向けキャリアスクールSHElikesでは、Webデザイン・Webライティング・マーケティング・動画編集など、海外移住と相性の良い50以上の職種スキルを定額で学ぶことが可能です。
ひとつの職種に絞らず、複数のスキルを横断的に学ぶことで、仕事の幅を広げやすくなります。たとえば、デザインに加えてマーケティングやライティングの知識があれば、企画から制作までを一人で担えるため、チームに常駐しなくても完結できる仕事を受けやすくるといったメリットが。
こうしたスキルの掛け合わせは、時間や場所に縛られにくいリモートワークとの相性が良く、働き方の選択肢を広げてくれます。SHElikesのレッスンはすべてオンラインで完結するため、日本にいる間はもちろん、将来的に移住したあともスキルアップを続けやすい点も魅力です。
SHElikesで場所に縛られず働くスキルを身につけた事例
SHElikesでスキルを身につけ、場所に縛られない働き方を実現した事例を紹介します。スペイン移住を検討する際の参考として、実際のキャリアの変化に注目してチェックしてみてください。
「働きながら世界一周」を実現!5ヶ月で月収2倍の“旅するフリーランス”に|いとまりさん
「旅をしながら働きたい」という思いから、SHElikesでの学びをスタートしたいとまりさん。会社員として働きながら、マーケティングやライティングを中心に受講し、自分の強みになりそうな分野を探っていきました。
フリーランス転身後は、世界一周を見据えて動画編集にも挑戦。Webデザインもあわせて学び、サムネイル制作やチャンネル設計など、YouTube運営に必要なスキルを身につけていきます。複数のスキルを掛け合わせたことで、発信だけでなくマーケティングやメディア編集の仕事も受注できるように。
その結果、収入を得ながら世界一周を実現。帰国後はWebデザインの仕事にも取り組むなど、学びを起点に働き方の幅を広げています。

パートナーの海外転勤&妊娠でライフスタイルが変わった会社員。未経験から月収5万円アップで自由に働くフリーランスに|ちぴさん
メーカーでマーケターとして働いていたちぴさんは、もともとデザイナーへの憧れを抱いていたものの、スキルや自信の面から一歩を踏み出せずにいました。そんな中、パートナーの海外転勤と自身の妊娠をきっかけに、これからの働き方を見直すことに。
理想としていた「場所に縛られない働き方」を実現するため、SHElikesに入会し、Webデザインを中心に動画編集やSNS運用など幅広いスキルを学び始めました。レッスンはスマホでも受講できるため、スキマ時間を活用しながら学習を進められたそう。
受講生限定のコミュニティで育児や勉強の話を共有したり、互いに励ましあったりできる仲間ができたことが、学習の励みになったそうです。現在は、デザインやSNS運用にカメラスキルも掛け合わせ、海外を拠点にマルチに活躍しています。

スペイン移住を叶えるには「働き続けられるスキル」を持つことが近道
スペイン移住を実現するためには、ビザや住まいの準備だけでなく、移住後も安定して働ける手段を確保しておくことが欠かせません。特に日本語のみで働きたい場合や、現地就職が難しい場合は、場所に縛られない働き方ができるスキルを持っておくのがおすすめです。
Webデザインやライティング、マーケティングなどは、海外に住みながら日本の仕事を続けやすいスキルです。さらに複数のスキルを掛け合わせれば仕事の幅が広がり、ライフステージや居住地の変化にも柔軟に対応できるようになるでしょう。
SHElikesなら、Webデザインやライティング、マーケティング、動画編集など50以上の職種スキルを定額で学び放題。海外移住を見据えたキャリアづくりにも活かせます。まずは無料体験レッスンで、自分に合ったスキルや働き方の可能性を確かめてみてはいかがでしょうか。


※出典
*1:在日スペイン大使館(スペイン外務省)|国民ビザ – テレワーク(デジタルノマド)のための居住ビザより
*2:在日スペイン大使館(スペイン外務省)|投資家のための居住査証より
*3:在日スペイン大使館(スペイン外務省)|非営利目的居住査証より
*4:在日スペイン大使館(スペイン外務省)|起業家のための居住査証より
*5:在日スペイン大使館(スペイン外務省)|自営業就労ビザより
*6:在日スペイン大使館(スペイン外務省)|高度専門職のための居住査証と企業内転勤のための居住査証より




