転職を繰り返している女性には、さまざまな理由や背景があると考えられます。転職回数が多いと、スキルや実績が積み上がるなどポジティブに捉えられる側面もあれば、キャリア形成においてデメリットが生じることもあります。
当記事では、転職を繰り返す女性の特徴を掘り下げ、転職を成功させるためのコツやキャリアを再構築しやすい業界などについて紹介します。ただ転職回数を重ねるのではなく、キャリアを築くうえで転職を有意義なものにするための参考にしてください。
転職を繰り返す女性の特徴
転職を繰り返す女性には、いくつかの特徴がみられます。今回は、よくある6つの特徴を紹介していきます。
ポジティブな視点のものもあれば、見直すことでより良く変わるものもあるため、順に確認していきましょう。
自己成長・キャリアアップ志向が強い
転職を繰り返す女性の特徴として、自己成長やキャリアアップへの意欲が高いことが挙げられます。一つの職場にとどまるのではなく、「今より成長できる環境で働きたい」「新しい分野に挑戦してみたい」と、ポジティブな想いを原動力に転職を決断するケースです。
また、現職では「女性管理職のモデルケースがない」「キャリアアップが望めない」という背景が起因となっていることもあるでしょう。自身の価値を高めるために繰り返す転職は、理想のキャリアの実現に向けた前向きな行動といえます。
飽きっぽく新しいことに興味がある
好奇心が強く、新しいことに興味を持ちやすいタイプであることから転職を繰り返すケースもあります。仕事に慣れてくると、同じことの繰り返しで飽きてしまったり、刺激が少なく物足りなくなってしまったりするようです。
ただ「飽きっぽい」というとネガティブに聞こえますが、新しいチャレンジを楽しめる行動力があるタイプともいえるでしょう。
企業に求める理想が高い
企業や職場に対する理想が高いため、転職を繰り返すケースも少なくありません。「やりがいのある仕事がしたい」「人間関係の良い職場で働きたい」「もっと年収を上げたい」など、働くうえで大切にしたい価値観が明確にあるからこそ、理想と現実のギャップを埋めるために行動を起こしていると考えられます。
転職を繰り返したとしても、働くうえで大切にする軸をしっかりもって転職活動できていれば、将来的に満足度の高いキャリアを築ける可能性があります。
人間関係や職場環境に敏感
人間関係や職場環境に対して敏感なために、転職を繰り返してしまうケースもあります。
- 上司との相性が合わない
- 同僚と話が合わない
- 体育会系など職場の雰囲気に合わない
- 残業が多くプライベートの時間を取れない
ただし、この傾向は「我慢ができない」わけではなく、自分の心や身体を大切にする意識が高い証拠ともいえます。心地よい環境を探す姿勢は長く働ける職場を見つけるうえで大切です。
ワークライフバランスを重視している
仕事とプライベートのバランスを大切にする価値観を強く持っていることで、転職を繰り返す場合も。
たとえば「残業が少ない職場で働きたい」「家族との時間をもっと大切にしたい」「結婚・出産といったライフイベントや育児と両立できる職場がいい」など、ライフスタイルに合った働き方を求めていることが転職のきっかけになるケースです。自身が心地よく働ける場を模索するのは、キャリアを継続していくために欠かせない視点でしょう。
自己分析やキャリア設計が不十分
転職を繰り返してしまう女性の特徴として、自己分析やキャリア設計が十分にできていないことが挙げられます。「なんとなく合わない」「もっと良い仕事がある気がする」など感覚的な理由で転職を重ねると、自分に本当に合った職場や働き方が見つからず、同じ悩みを繰り返してしまうこともあるでしょう。
まずは、自身の強み・弱みや将来どうなりたいのかを明確にして、キャリアの方向性を定めることが満足度の高い転職につながります。
転職を繰り返すデメリット
ここからは、転職を繰り返すことによって起こるデメリットを3つ紹介します。
デメリットを知っておくことで事前に対策しやすくなるため、しっかり確認していきましょう。
早期退職のリスクが高いと懸念される
転職を繰り返すことで、早期退職のリスクが高いと判断されやすくなります。企業側は、長期に渡って自社で活躍してくれる人材を求めています。そのため、転職回数が多い人に対し帰属意識や定着性の面で懸念を抱く可能性があるでしょう。
面接に臨む際は、これまでの転職理由を納得感もって伝えられるよう入念な準備が必要になります。
キャリアの一貫性の欠如
職歴が多いと「どの分野に専門性があるのか」「どのような軸でキャリアを形成しているのか」が不明瞭になってしまい、キャリアの一貫性に欠けることがあります。そうなると、転職活動の際に自分の強みをまとめられず、うまく言語化できなくなってしまいます。
また、キャリアがバラバラだと、自身でも今後キャリアをどのような方向性で伸ばせばよいのか悩んでしまうこともあるでしょう。
退職金など福利厚生の恩恵を受けにくい
多くの企業では退職金制度や「◯年勤務ごとにリフレッシュ休暇を付与」「勤続〇年で金一封」のような長期勤務を前提とした福利厚生が提供されています。しかし、転職を繰り返すとその恩恵を最大限に受けられません。
特に退職金は一定の勤続年数を超えないと支給されないケースが多いため、金銭的なメリットを得られなくなる可能性があるでしょう。

転職を繰り返すメリット
転職を重ねることで、キャリアに良い影響をもたらしてくれる面もあります。デメリットと合わせて、転職を繰り返すことで得られるメリット3つも確認していきましょう。
順に一つずつ、解説していきます。
多様な経験によりスキルの幅が広がる
転職によって、さまざまな業界や職種を経験できる点はメリットです。あらゆる環境で身につけた知識やスキルは「強み」に幅をもたらしてくれるでしょう。
たとえば、接客業で培ったホスピタリティとIT企業で得たデジタルスキルを活かして、ユーザーに寄り添った技術的なサポートができる人材に成長できるかもしれません。スキルをかけ合わせることで、活躍の場も広げられるのです。
柔軟性や適応力が磨かれる
異なる価値観や働き方に触れると、柔軟な思考が磨かれやすくなります。新しい環境になじむための工夫や初対面の人とのコミュニケーション経験が増えることで、変化に強い精神を育むこともできるでしょう。
場数を踏むことによって得られる経験や能力は、新しい職場でも存分に活かせるはずです。
年収・給与アップの機会が増える
同じ職場にいると「毎年1万円アップ」のように昇給のペースが限定されてしまうケースも多いでしょう。しかし、転職を繰り返すことで年収や給与のアップを狙いやすくなります。なぜなら転職を通じて市場価値を見直すことで、より良い条件を提示してくれる企業と出会いやすくなるからです。
ただし、単にジョブホッパーになってしまわないためにも、スキルアップや実績作りなどキャリアアップにつながる努力は必要です。

転職を繰り返す女性が転職を成功させるコツ
転職を繰り返していたとしても、転職を成功させられる可能性は十分にあります。大切なのはこれまでの経験を振り返り、次にどう活かすかを考えることです。転職活動をする際は、以下5つのコツを意識してみてください。
それぞれのコツを詳しく解説します。
「転職の軸」を明確にする
転職を成功させるには、まず「転職の軸」を明確にすることが大切です。なにを一番に重視して働きたいのか、一度自身のキャリアを振り返りながら考える時間をつくってみましょう。
たとえば「スキルを活かせる環境がいい」「家庭と仕事を両立できる環境がいい」「在宅勤務がいい」のように、環境ひとつとっても重視したい点は人によってさまざまです。納得できる働き方を叶えるためにも、転職の軸をはっきりさせておきましょう。

事前リサーチの徹底
転職を成功させるためには、徹底した事前のリサーチが欠かせません。どのような社風なのか、働き方は出社か在宅か、仕事内容やキャリアパスはどうか、どのような人が活躍しているのかなど、企業のホームページや採用サイト・SNS・口コミサイトなどを活用して調べていきましょう。
また、その企業で働いている人と話す機会をつくれると企業に対する解像度がグッと高まります。SNSで探してみたり、カジュアル面談を申し込んだりしてみるとよいでしょう。
過去の転職理由を分析し一貫したストーリーを持たせる
転職理由が一貫していないと早期退職を懸念されたり、「何か問題があるのでは」と不信感を抱かせたりしてしまうケースも少なくありません。そのため、転職を繰り返している場合、これまでの転職に一貫したストーリーをもたせることはとても重要です。
過去の転職理由を分析し一貫したストーリーをつくれれば、転職の選択が自己成長やキャリアアップにつながっていることが説明できるうえ、むしろポジティブな印象を与えることも可能です。

自分の強みや経験をうまく言語化してアピールする
転職を繰り返している人が転職を成功させるには、自分の強みやこれまでの経験をしっかりと言語化し、相手に伝える力が欠かせません。職場が変わるたびに得た経験・スキル・強みを「次の職場でどのように活かすのか」をしっかり伝えていきましょう。
アピールする際には、成果や実績をあげた具体的なエピソードを交えて話すと相手に伝わりやすくなります。

特定分野の専門性を高める
転職を繰り返していても、特定の分野で専門性を高めていれば、キャリアに一貫性が生まれ企業からの評価も得やすくなります。
たとえば「クリエイティブ職のWebデザイナー」と職種の分野を決めたり、「金融」と業界を決めたりして専門性を磨くことで「ある分野のプロ」としてキャリアを築けるようになります。保有スキルに専門性があると年収アップやキャリアアップのチャンスも広がりやすくなるためおすすめです。

転職を繰り返す女性によくある質問
転職を繰り返していると「そもそも何歳で転職する人が多いんだろう?」「転職は何回までならOK?」など、不安や疑問が浮かんでくることもあるでしょう。ここでは、転職を繰り返す女性によくある質問を取り上げ、前向きにキャリアを考えるためのヒントをお伝えします。
女性が転職する年齢は何歳が多い?
厚生労働省の雇用動向調査によると、令和5年の女性の転職入職率が最も高い年代は、25~29歳です*1。このデータにおける転職入職率とは、「常用労働者数に対する転職入職者数の割合」のことを指します。
年代 | 令和5年 年齢階級別転職入職率(女性)*1 |
---|---|
20~24歳 | 16.5% |
25~29歳 | 19.1% |
30~34歳 | 14.2% |
35~39歳 | 12.4% |
また、同調査の女性25~29歳の「転職入職者が前職を辞めた理由」を見ると、多い順に「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」「職場の人間関係が好ましくなかった」「仕事の内容に興味を持てなかった」という理由が挙げられています(※その他の理由を除く)。20代後半はとくに不満や不安をそのままにせず、転職へ踏み出す女性が多いと予測できるでしょう。

転職は何回までならOK?
結論から述べると、転職回数の許容範囲は年代や業界によって異なります。「doda」が企業の採用担当者を対象に実施したアンケートによると、選考に影響する転職回数は「20代:3回目から」「30代・40代:転職回数は選考に影響しない」との回答がもっとも多い結果に*2。また、転職回数だけで合否を判断するわけではなく、年代別の転職回数により選考で見るポイントも異なるとのことでした。
転職が当たり前になった昨今では、スキルや経験値が最重要視される場合があります。また、IT業界など成長市場では求人数が多く、年収アップを目指し転職回数も多い傾向にあります。とはいえ、年代問わず「短期間で辞める人」は敬遠されるため、転職回数が多ければ今後のキャリア形成について考える時間をとってみてもよいかもしれません。

転職を繰り返す女性がキャリアを活用・構築しやすい業界
転職を繰り返していたとしても、キャリアを再構築できるチャンスはあります。ここでは、転職を繰り返す女性がキャリアを活用・構築しやすい業界を紹介します。
自分に向いているか、成功しやすいかの観点も踏まえ、それぞれの業界の特徴を確認しましょう。
介護・福祉系
介護・福祉系の業界は高齢化社会の影響によって需要が増えるなか、慢性的な人手不足に悩んでいます。そのため、転職回数が多くても歓迎されやすい業界です。また、対人スキルやホスピタリティが重視される傾向にあるため、介護や福祉に関する専門スキルを持っていなくても採用される可能性があります。
さらに、資格取得支援制度が整っている職場も多いため、働きながらスキルアップできる環境がある点はキャリアを構築しやすい要素の一つです。
人材業界
人材業界は、これまでの転職経験を強みに変えやすい業界です。たとえば、転職支援をするキャリアアドバイザーというお仕事では、転職を繰り返した経験が「求職者の気持ちに寄り添った提案やアドバイス」につながります。このように人材業界では、就職・転職・退職などの経験を活かしやすい職種が多々あるうえ、さまざまな企業を見てきた経験も大いに活かせるでしょう。
ベンチャー・スタートアップ企業
ベンチャー・スタートアップ企業は変化のスピードが早いため、チャレンジ精神が歓迎されやすい傾向にあります。転職で得た多様な経験や視点は、組織に新たな風を吹き込む力として評価される可能性も大いにあるでしょう。固定観念や既存のルールに縛られず、企業と一緒に成長していきたい気概がある方は特に、キャリアを築きやすい環境といえます。
IT・Web業界
IT・Web業界は新しい技術やサービスが次々に生まれる変化の激しい業界です。そのため、多様な経験を持つ人材が歓迎される傾向にあります。また、DXの推進やAIの台頭もあり、昨今需要が高まっている業界でもあるため常に求人を出している企業も少なくありません。
経験スキルや実績だけでなくポテンシャルを見て採用する企業も多く、新たなキャリアを築きやすいといえるでしょう。

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転職を繰り返して得た経験は強みにも変えられる!自分らしいキャリアを築こう
転職を繰り返していると「キャリアの一貫性がなくなってしまう」「転職活動時に早期退職を懸念される」など、さまざまなデメリットが生じやすいのは事実です。しかし、転職を通じて得てきた多様な経験や対応力は、大きな強みにも変えられます。自分らしいキャリアを築くのは、今からでも決して遅くはありません。
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※出典
*1:厚生労働省「雇用動向調査」より
*2:パーソルキャリア株式会社 転職・求人doda「転職回数が多いと選考結果に影響がある?採用担当者の印象や対策方法を解説」より

