デザインにマーケティングの知識は必要?役割や関係性、役立つ場面を紹介!

デザインにマーケティングの知識は必要?役割や関係性、役立つ場面を紹介!

デザイナーがデザインをするうえで意識すべき領域は広がっており、近年ではUI/UXをはじめユーザーニーズを考える必要性も高まってきました。そこでデザイン制作に取り入れたいのが、マーケティングの視点です。

デザインとマーケティングは一見関係ないように思えますが、マーケティングのスキルがデザインに役立つ場面は多々あります。

今回は、デザインとマーケティングの役割をもとに、その関係性やマーケティングの知識が役立つ場面、デザイナーにおすすめしたいマーケティングスキルなどを紹介します。

デザインにマーケティングの知識は必要?

マーケティングの知識はデザインに役立ちますが、デザイナーのスキルセットとして必須というわけではありません。制作会社にはデザイナーとマーケターそれぞれの部門・部署があったり、部分的に外注できたりするからです。しかし、デザイナーがマーケティングの知識を保有していることで、以下のような利点があると考えられます。

  • 顧客理解が深まることで、ニーズに沿ったデザインを提案・実現できる
  • 関連部門のデータや意図を汲み取り、デザインに反映することができる
  • クライアントの課題解決に向けた提案やコンサルティング業務も担える

ただし、デザイナーにマーケティングの知識やスキルがあったとして、それを体現するデザインスキルがなければ意味がありません。デザインスキルがある前提でさらにマーケティングの知識を習得することで、より「成果をあげるデザイン」制作の実現が可能になるといえるでしょう。

デザインとマーケティングの関係性

実はデザインとマーケティングは密接な関係にあり、デザインにマーケティングの知識やスキルを活かすことで、ビジネスの成長を促します。どのようなつながりがあるのかを把握するために、まずはそれぞれの役割からUXデザインとの違いまで解説します。

デザインの役割

デザインの役割は、情報やアイデアを可視化させて課題を解決することです。よく混同しやすい言葉に「アート」がありますが、デザインは自己表現や問題提起をする「アート」とは異なります。

つまり、デザインはただ見た目の美しさを追及することではなく、課題解決や目的を実現するための手段なのです。そのため、基本的には自己満足ではなく、見る人を優先してデザイン設計を考えなくてはいけません。デザインを通じて何を伝えるか、デザインがどのように機能するのかを意識することが大切です。

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マーケティングの役割

マーケティングの役割は、顧客のニーズを見極めて商品やサービスを提供し、顧客満足度を向上させることです。さまざまなマーケティング活動を通して、自社の利益拡大に貢献します。要するに、自社の商品やサービスを必要としているターゲットを設定し、ターゲットに合わせた訴求をすることで、商品やサービスが売れ続けるための仕組みを作ります。

そのため、マーケティングの知識・スキルは顧客のニーズやターゲットを意識したデザイン制作に役立ち、課題解決や目的の実現を促します。

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UXデザインとマーケティングの違い

デザイン分野において、マーケティングと似ているものに「UXデザイン」があります。UXデザインとは、顧客が商品やサービスを利用する際に最適な体験を提供できるように設計することです。

どちらもリサーチをして顧客の心理を考えるという点では同じですが、あくまでも両者は別物であり、ビジネスにおける役割が異なります。たとえばWebサイト内の特定の場所にバナーの設置を検討する際に、マーケティング視点では「サイトを回遊してもらうために必要」と考えていても、UXデザインの視点では「ユーザーにとっての使いやすさを重視するため不要」という意見が出ることもあるのです。

つまり、ビジネスの成長という最終目的を果たすうえでのアプローチや優先順位はそれぞれで異なりますが、顧客のニーズを満たし企業の売上に貢献するためには両者の連携が大切だといえるでしょう。

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デザインにマーケティングスキルが役立つ場面

実際に以下のようなデザイン制作を行う場面では、マーケティングスキルが役立ちます。

デザインにおいてどのようにマーケティングスキルが役立つのか、それぞれ見ていきましょう。

Webサイト制作

企業がWebサイトを制作する目的には、新規顧客の獲得や認知拡大、自社商品の購買促進などがあります。そのため、ただ見た目を良くするだけでなく、Webサイトの効果を最大化するためのデザイン設計が重要なのです。具体的には、集客のために必要なSEO対策やSNS施策との連携、購入やサービス利用につなげるランディングページの設置などのマーケティング手法が役立ちます。

また、マーケティングの知識やスキルがあれば、Webサイト制作に携わるディレクターやマーケターなどの意図を汲み取ることもできるでしょう。

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ロゴデザイン

ロゴデザインとは、企業やブランドのイメージ・理念・名前などを図案化することです。企業や商品のシンボルとなるロゴは、ブランド力の向上において重要な要素です。

よって、ブランドイメージを体現するロゴデザインでは、市場や競合を踏まえたうえでの自社の独自性を打ち出すことが大切なため、分析・リサーチやターゲット設定などのマーケティングスキルが役立つのです。

販促物のデザイン

販促物をデザインする際には、目的(ゴール)を定める必要があります。たとえば、「商品の購買を促す」「既存顧客にリピートしてもらう」といった目的を定めたうえで、実現に向けた具体的な目標設定を考えなくてはいけません。

販促物には予算もあり、決めた目標設定において効率的に成果をあげなくてはいけないため、ターゲットに合わせた訴求が求められます。「誰にどのような行動を取ってほしいのか」を明確にして、ユーザーを次のアクションにつなげるキャッチコピーやビジュアルを考えるために、マーケティングの視点を持つことが大切なのです。

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パッケージデザイン

パッケージデザインは、消費者の購買意欲を左右する重要な要素であるため、ターゲットや訴求場所に合わせたデザインを考えることが大切です。いくら商品が良くても、パッケージによって商品に対する印象が変わったり売上に影響があったりする可能性があることを意識しなければいけません。

また、類似商品が並ぶなかで競合との差別化を図るためには、自社の強みや特徴を打ち出したデザインにする必要があります。このような観点において、自社のポジショニングや顧客ニーズを洗い出すマーケティングスキルが役立つでしょう。

デザイナーにおすすめしたいマーケティングスキル

デザイナーにマーケティングの知識・スキルが役立つことを解説しましたが、ここでは具体的にどのようなスキルを身につければよいのかを紹介します。おすすめしたいマーケティングスキルは、以下の6つです。

それぞれのスキルについて、詳しく見ていきましょう。

1.KPI設定

KPI(Key Performance Indicator)とは、目標に対する達成度合いを計測するための指標です。目標達成までの各プロセスごとに中間目標値を設定することを、KPI設定といいます。

KPIを設定することで、デザインを行う対象物における現状や課題が明確になり、PDCAが回しやすくなります。効果測定を行ううえでKPIは重要な指標となるため、知識として持ち合わせておくとよいでしょう。

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2.ペルソナ設定

ペルソナ設定とは、自社の商品やサービスを利用する具体的な顧客像を決めることです。年齢や性別をはじめ、行動パターンや価値観、職業やライフスタイルなど、ターゲットよりも詳細な項目を設定をします。

ペルソナ設定はマーケティング施策の基礎ともいえるほど重要であり、商品やサービスの訴求力を高めるために欠かせません。また、Webサイトのデザインにおいても利用・閲覧する人によって適切なテイストが異なるため、軸となるペルソナ設定が役立ちます。

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3.データ分析

購買行動の多様化が進む近年、自社の顧客一人ひとりがどのような課題や悩みを抱えており、どのようなニーズがあるのかを理解する必要性が高まっています。そこで重要となるのがデータ分析です。

データ分析を行うことで、顧客の潜在的なニーズや現状を把握することにつながり、より客観的な視点を持ったデザインの制作が期待できるでしょう。

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4.A/Bテスト

A/Bテストとは、Webサイトや広告などにおいて複数のパターンを同時並行で検証し、効果の高かったパターンを採用していくマーケティング手法のことです。A/Bテストといっても比較対象が3つ以上の場合もあり、一定期間ごとにパターンを変えて検証するケースもあります。

A/Bテストでは仮説を検証し成果が出るパターンがわかるため、その知見をもとに、より集客につながるデザインの制作や提案が可能になるでしょう。

5.LPO

LP(ランディングページ)とは、インターネット上の検索結果や広告をクリックした際に、最初にたどり着くページのことです。このLPをユーザーニーズに合わせて最適化し、成約率を上げるマーケティング手法をLPOといいます。

LPOの目的はページに訪れたユーザーの途中離脱を防ぎ成約まで導くことであるため、知識を身につけることでより成果をあげるデザイナーとして重宝されるでしょう。

6.SEO

SEO(Search Engine Optimization)とは、「検索エンジン最適化」を意味します。インターネットの検索結果でより上位に表示させて集客を増やすための施策をSEO対策といいます。

SEOで重要なのは小手先だけのキーワードの羅列ではなく、コンテンツの内容とその品質です。ユーザーが求めている情報かつ適切なサイト構造であるか、また視覚的に見やすいか、ユーザーが操作しやすいかも重要なポイントとなるため、デザイナーも最新のSEO情報を習得していくとよいでしょう。

デザイナーがマーケティングスキルを習得する方法

デザイナーがマーケティングスキルを習得する方法として、「オンラインスクールの活用」と「書籍での独学」の2つがあります。それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、自分に合った方法でスキルの習得を目指しましょう。

オンラインスクールの活用

マーケティングスキルを効率的に身につける方法として、オンラインスクールの活用があります。マーケター向けの専門スクールや初心者向けのスクールなど、自分の状況に合わせてスクールを選ぶことが大切です。

たとえば、女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)では、マーケティング入門・SNSマーケティング・コンテンツマーケティングの他にも、UI/UXデザインやデータ分析、ブランディングなど、全45以上の職種スキルが複合的に学べます。幅広いスキルを身につけてステップアップしたいデザイナーにおすすめのスクールです。

書籍で基礎を学ぶ

自分のペースでお金をかけずにスキルを習得したい人は、書籍で基礎を学ぶ方法もあります。さまざまな内容の書籍があるため、自分がわかりやすいと感じる書籍を活用し、基礎を身につけていきましょう。

ただし、書籍での独学ではわからないところを聞けないというデメリットも考えられます。まずは基礎を学び、より実践的なスキルはスクール受講を併用して身につけるのもおすすめです。

マーケティングの知識は、課題解決や目的を達成するためのデザイン制作に役立つ!

デザインは見た目のセンスを問われるというよりも、基本的には課題解決や目的を実現するためにユーザーファーストの視点が求められます。そのため、顧客の潜在的なニーズを把握したうえで売れる仕組みを作るマーケティングの視点は、成果をあげるためのデザイン制作に役立つのです。

デザインに役立つマーケティングスキルを習得したい人は、書籍やオンラインスクールを活用してマーケティングの基礎から学習してみてはいかがでしょうか。女性向けキャリアスクールSHElikesでは、複数のスキルが学べるだけでなく定期的なコーチングも受けられるため、忙しいなかでも挫折しにくい環境が整っています。

無料体験レッスンも実施しているので、気になる方はぜひ参加してみてください。

ABOUT ME
ライター 美亜
専門学校卒業後、シンガーとして音楽活動を行う。その後、リラクゼーションサロンのセラピスト、IT・web系の人材紹介会社にてライター業、派遣にて経理事務を経験。現在はフリーライターとして、主にキャリア系・IT系の記事を執筆。
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。