育休明けの時短勤務はどうなる?期間・給料と「育児時短就業給付金」も解説【2026】

育休明けの時短勤務はどうなる?期間・給料と「育児時短就業給付金」も解説
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ライター 山吹あや
地方国立大学教育学部を卒業後、小中学校教員として11年間勤務。息子とダウン症の娘の子育てとの両立のため、現在は教員を退職しWebライターとして活動中。整理収納アドバイザー2級、教員免許状を保有。
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター。アパレル・事務職を経て、Web制作会社でのマーケティング実務を経験したのち独立。現在は「伝える」を軸に、メディアの企画・編集・ディレクションから執筆まで多角的に携わる。読者の心に届くストーリー設計と、伴走型のコンテンツ制作が強み。次なる野望は、言葉とデザインの融合を追求すること。
労務コンサルタント / 監修者 金田朋子
慶應義塾大学を卒業後、メガバンクへFP職として入行。2015年に社会保険労務士資格を取得し、実務経験を経てマネーフォワード社へ。上場準備やM&Aに伴う労務DD、労務記事監修など、急成長企業の実務を幅広く経験。その後、創業間もないスタートアップでの組織立ち上げを経て、現在は労務コンサルタントとして独立。 社労士としての専門的な知見と、ベンチャー企業内での労務担当者としての現場経験を生かし、実務に即した情報発信を得意としています。

育休明けに時短勤務を検討しているものの、「いつまで利用できるのか」「これまでフルタイムだったから給料はどうなるのか」と不安を抱いていませんか?子育てと仕事を無理なく両立させるためには、制度を正しく知っておくことが大切です。

この記事では、育休明けの時短勤務制度の概要や給料への影響、「育児時短就業給付金」などについて解説します。育休復帰前の準備として、やっておくべきことも紹介するのでぜひ参考にしてみてください。

CONTENTS
  1. 育休明けの「時短勤務」とは?基本ルールと対象者
  2. 【気になるお金の話】育休明けの時短勤務で給料はどう変わる?
  3. 収入減をカバーする「育児時短就業給付金」とは?
  4. 年金維持や社会保険料減額についての「特例手続き」
  5. 育休復帰前にやっておくべき「4つの準備と注意点」
  6. 時間減少とキャリアのモヤモヤを乗り越え、自分らしい働き方を叶えるならSHElikes
  7. 制度と給付金を賢く使って、無理のない復帰と理想のキャリアを叶えよう

育休明けの「時短勤務」とは?基本ルールと対象者

時短勤務とは、正式名称は「短時間勤務制度」で、育休から復帰後も子育てをしながら働き続けられるよう設けられた法律上の制度です。まずは、時短勤務の概要を以下の項目ごとに解説します。

ひとつずつチェックしていきましょう。

時短勤務の対象となる人の条件

まずは、時短勤務の対象になる人の条件と、対象外となるケースについて、それぞれ解説します。

時短勤務制度の対象となる人

時短勤務制度を利用するには、以下の要件を満たす必要があります。

3歳に満たない子を養育する労働者のうち、以下の要件を満たすもの

  • 日々雇用されるものでないこと
  • 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
  • 短時間勤務制度が適用される期間に現に育児休業(産後パパ育休を含む)をしていないこと
引用:厚生労働省|短時間勤務等の措置より

「日々雇用されるものでないこと」とは、1日単位で契約を結ぶ「日雇い」や「単発アルバイト」ではない、という意味です。よって、正社員はもちろん、契約社員や1日の所定労働時間が6時間を超えるパート・アルバイト、派遣社員などの非正規雇用者も対象となります。

時短勤務制度の対象から外れるケース

時短勤務制度の要件を満たしていても、会社と労働者側の間で「労使協定」が結ばれている場合、以下の人は対象外となるケースがあります。

労使協定を締結している場合に対象外となる労働者

  • 継続雇用1年未満の労働者
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
  • 業務の性質等に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者
引用:厚生労働省|短時間勤務等の措置より

自身が時短勤務制度の対象になるかどうか、勤務先の就業規則や労使協定の内容を確認しておくことが大切です。

1日の所定労働時間は「原則6時間」が企業の義務

時短勤務制度では、会社は3歳未満の子を養育する労働者に対して、1日の所定労働時間を原則6時間とするよう定めています。ただし、通常の所定労働時間が7時間45分である事業所の場合は、短縮後の所定労働時間を5時間45分とするなど、「1日5時間45分から6時間まで*1」を許容するとされています。

また、会社は1日の所定労働時間を6時間とする原則の措置を設けたうえで、たとえば以下のような追加の措置をあわせて設けることも可能です。

  • 1日の所定労働時間を5時間や7時間とする措置
  • 時短にする曜日を固定する措置(例:水曜日だけ時短など)
  • 週休3日とする措置

どのような措置があるかは会社によって異なりますが、3歳未満の子を養育する労働者が、1日の所定労働時間を6時間とする原則の措置を、実質的に選択できる状態となっている必要があります。

どうしても時短勤務が難しい場合の「代替措置」

どうしても時短勤務が困難な場合、会社は代替措置を講じる必要があります。

事業主は、業務の性質等に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者に対し、短時間勤務制度の代替措置として以下のいずれか1つ以上の制度を設ける必要があります。

  • 育児休業に関する制度に準ずる措置
  • フレックスタイム制
  • 始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差出勤の制度)
  • 保育施設の設置・運営等
  • テレワーク等
引用:厚生労働省|短時間勤務等の措置より

これらのうち、会社がどの代替措置を用意しているかは就業規則等によって異なります。もし時短勤務が難しい部署への復職になる場合は、代わりにどんな制度が利用できるのか、事前に人事担当者へ確認しておきましょう。

取得期間はいつまで?「子どもが3歳になるまで」が原則

時短勤務制度が利用できるのは、原則として「子どもが3歳になるまで」です。ただし、育児・介護休業法の改正*2によって、2025年10月以降、3歳から小学校就学までの子どもを養育する労働者に対しても柔軟な働き方を実現するための措置を講じることが義務付けられています。

3歳以降の対応についても、勤務先の就業規則や労使協定の内容を確認しておくとよいでしょう。

【気になるお金の話】育休明けの時短勤務で給料はどう変わる?

育休明けの時短勤務では、労働時間の減少に伴い、給料が減額されるのが一般的です。ここでは時短勤務の給料や賞与(ボーナス)への影響、残業代の扱いについて、それぞれ解説します。

労働時間の減少に伴い、給料が減額されるのが一般的

育休明けに時短勤務制度を利用する場合、一般的には短縮した労働時間に応じて給与も減額されます。たとえば、1日8時間勤務から6時間勤務へ短縮する場合、労働時間が75%となるため、基本給も約75%に減額されるケースが一般的です。

具体的な減額率については、勤務先の人事・労務担当者へ事前に確認しておくとよいでしょう。

賞与(ボーナス)への影響や残業代の扱いは?

時短勤務では、基本給の減額に伴って賞与(ボーナス)も減額されるのが一般的です。多くの企業では「基本給×◯ヶ月」や「勤務時間の割合」で賞与を算出するためです。

また、育児・介護休業法に基づいて残業免除を申請・受理されている場合、企業側は原則として残業を命じることはできません。残業免除の申請をしていない場合に残業が発生した際は、残業代は実労働時間に応じて計算されます。

収入減をカバーする「育児時短就業給付金」とは?

「育児時短就業給付金」とは、2歳に満たない子どもを養育する労働者が柔軟な働き方として時短勤務制度を選択しやすくすることを目的とした制度です。ここでは、育児時短就業給付金の概要を、以下の項目ごとに解説します。

ひとつずつチェックしていきましょう。

給付金の支給額は「時短勤務中の賃金の10%相当」

育児時短就業給付金は、原則として、時短勤務中の各月に支払われた賃金額の10%相当額が支給されます*3時短勤務開始時の賃金水準を超えないように調整され、各月に支払われた賃金額と支給額の合計が支給限度額を超える場合は、超えた部分が減額されます。

ただし、支給対象月に支払われた賃金額が時短勤務開始前の賃金水準を下回らない場合や、支給対象月に支払われた賃金額が支給限度額を超える場合、支給額が最低限度額以下である場合は、給付金は支給されません。

育児時短就業給付金をもらえる条件

育児時短就業給付金をもらえる要件は、以下の通りです。

育児時短就業給付金は、次の①・②の要件を両方満たす方が対象です。

①2歳未満の子を養育するために、育児時短就業する雇用保険の被保険者であること
②育児休業給付の対象となる育児休業から引き続いて、育児時短就業を開始したこと、または、育児時短就業開始日前2年間に、被保険者期間が12か月あること

加えて、次の③~⑥の要件をすべて満たす月について支給します。

③ 初日から末日まで続けて、雇用保険の被保険者である月
④ 1週間あたりの所定労働時間を短縮して就業した期間がある月
⑤ 初日から末日まで続けて、育児休業給付又は介護休業給付を受給していない月
⑥ 高年齢雇用継続給付の受給対象となっていない月

引用:厚生労働省|「育児時短就業給付金」を創設しました

自身が上記の要件を満たしているかを確認したうえで、申請するようにしましょう。

申請方法と詳細の確認先

支給を受けるためには、被保険者を雇用している事業主が、事業所の所在地を管轄するハローワークに対して「育児時短就業開始時賃金の届出」「受給資格確認」「支給申請」を行う必要があります。

ただし、育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き育児時短就業を開始する場合は、届出は不要です。また、支給申請は原則として2か月ごとに行いますが、被保険者が希望する場合は1か月ごとに支給申請を行うことも可能です。

年金維持や社会保険料減額についての「特例手続き」

時短勤務によって給与が下がった際に、将来の年金額の低下を防いだり、社会保険料の負担額を軽減したりするために行う「特例手続き」について解説します。

将来の年金額を減らさない「養育期間標準報酬月額特例」

「養育期間標準報酬月額特例」とは、子どもが3歳になるまでの期間中に、時短勤務等で標準報酬月額が低下した場合でも、将来受け取る年金の額を減らさないようにするための制度*4です。つまり、実際の給与が下がっても、その子どもを養育する前の標準報酬月額に基づく年金額を受給できるという仕組みです。

養育期間標準報酬月額特例の措置を受ける場合は、被保険者が事業主へ申し出て、事業主が手続きを行います。申請が遅れた場合でも、申出日の前月までの最大2年間は、遡って適用が認められます。

月額負担を軽減する「育児休業等終了時改定」

「育児休業終了時改定」とは、育休からの復帰後に時短勤務や残業減などによって給与が下がった際に、社会保険料の負担額を軽減できる特例制度*5です。これまでの標準報酬月額と育休終了時の改定後の標準報酬月額との間に1等級以上の差が生じる場合は、社会保険料の見直しが行われます。

復帰から3ヶ月間の報酬の平均額をもとに保険料を算出し、復帰月を基準に 4ヶ月目から新しい保険料が適用されます。ただし、3ヶ月間のうち、給与支払基礎日数が17日(パート・アルバイト等の短時間労働者は11日)以上となる月が1ヶ月以上あることが必要です。

制度を利用するためには、被保険者からの申出を受けた事業主が「育児休業等終了時報酬月額変更届」を日本年金機構へ提出する必要があります。

育休復帰前にやっておくべき「4つの準備と注意点」

育休から復帰する前に確認しておくべき、以下の4つの準備・注意点を解説します。

復職後の「こんなはずじゃなかった」という後悔を防ぐためには、事前の情報収集と環境づくりが欠かせません。

自社の「社内規定(就業規則)」の確認

育休復帰前は、会社の社内規定(就業規則)を必ず確認し、自身の働き方や権利、復職後の手続きなどについて正確に把握しておくことが重要です。

具体的には、時短勤務の条件、対象となる子どもの年齢や短縮できる時間、残業・休日出勤・深夜業が免除される制度の有無などについて確認しておくとよいでしょう。その際、どのような手続きが必要かについてもあわせて確認しておくとスムーズです。

子どもの急な体調不良に備えた「有給休暇の残日数」の把握

保育園に通い始めると、子どもは頻繁に熱を出します。いざというときに慌てないよう、有給休暇の残日数を確認しておきましょう。休業期間中に時効で消えていないか、また、復帰時に新たな有休が付与されるかどうかの確認が大切です。

さらに、子どもの体調不良で仕事を休む場合は、通常の「年次有給休暇」だけでなく、「子の看護等休暇」も利用可能です。有給・無給の扱いについては会社の規定によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

復職前面談での人事・上司への相談

復職前面談の前に、まずは自身の希望する働き方を整理し、時短勤務など利用したい制度とその期間、希望する始業・終業時間、残業や出張の可否などを明確にしておきましょう。復職前面談では、希望する働き方や保育園の状況などを具体的に人事・上司とすり合わせていきます。

利用を希望する制度については、具体的にいつ・どのような手続きが必要になるのかについても確認しておきましょう。

また、時短制度では勤務時間が減る分、業務量や目標数値も適切に調整してもらえるかをしっかり相談しておくことが、復職後のマインドを守るために重要です。

育児と家事のシミュレーションと意識の転換

実際の出勤・退勤時間と保育園のお迎え時間を想定し、パートナーと平日のタイムスケジュールをシミュレーションしてみましょう。朝の準備や夕食、お風呂、寝かしつけなどをその時間通りにこなしてみると、無理が生じる部分が洗い出されます。

「家事を完璧にこなす」という意識は手放し、ネットスーパーや便利家電の導入、時には家事代行を頼るなど、チームで乗り切る体制を整えましょう。

時間減少とキャリアのモヤモヤを乗り越え、自分らしい働き方を叶えるならSHElikes

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制度と給付金を賢く使って、無理のない復帰と理想のキャリアを叶えよう

育休明けもキャリアを諦めずに無理なく働き続けられるように、時短勤務制度を正しく理解し、利用できる制度や給付金を賢く使っていきましょう。制度を正しく理解することは、スムーズな職場復帰を叶えるだけでなく、経済的な不利益や復帰後の焦りを防ぐことにもつながります。

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※出典
*1:厚生労働省|育児・介護休業法のあらましp115より
*2:厚生労働省|育児休業制度特設サイト 法改正のポイントより
*3:厚生労働省|「育児時短就業給付金」を創設しましたより
*4:日本年金機構|養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置より
*5:日本年金機構|育児休業等終了時報酬月額変更届の提出より

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。