残業月80時間で悩む方へ|違法性・36協定の上限と抜け出すためのキャリアチェンジを解説

残業月80時間で悩む方へ|違法性・36協定の上限と抜け出すためのキャリアチェンジを解説
ABOUT ME
ライター 伊藤 七
千葉大学卒業後、地方へ移住し、新卒でフリーランスのWebライターに。キャリアスクールを運営するベンチャー企業でマーケティング業務に携わった後、理想の生き方・働き方を探求するためにフリーランスとして活動を再開。本づくりやエッセイ・小説の執筆、日記の習慣など「書くこと」が好き。1994年生まれ。
エディター wami
企業でプロジェクトマネージャーとして働きながら、副業ライターとして活動中|ECサイトディレクター⇒UXデザイナー⇒プロジェクトマネージャー|主にIT系・Webマーケティング系・転職系の記事を執筆
労務コンサルタント / 監修者 金田朋子
慶應義塾大学を卒業後、メガバンクへFP職として入行。2015年に社会保険労務士資格を取得し、実務経験を経てマネーフォワード社へ。上場準備やM&Aに伴う労務DD、労務記事監修など、急成長企業の実務を幅広く経験。その後、創業間もないスタートアップでの組織立ち上げを経て、現在は労務コンサルタントとして独立。 社労士としての専門的な知見と、ベンチャー企業内での労務担当者としての現場経験を生かし、実務に即した情報発信を得意としています。

「毎月残業が80時間を超えていてきつい……」「この働き方を続けて大丈夫なのだろうか」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。残業月80時間は心身への負担が大きく、状況によっては法令や健康面の観点から注意が必要なケースもあります。

この記事では、残業月80時間の違法性や36協定との関係、働き方を見直すポイントに加え、残業の多い環境から抜け出すためのキャリアチェンジについても解説します。 

CONTENTS
  1. 残業月80時間は違法?36協定と労働時間の上限ルールを整理
  2. 「月80時間」は過労死ライン|心と体に起こるリアルな影響
  3. 残業80時間の残業代はいくら?割増分は本当に支払われている?
  4. 残業を減らせない会社にいるあなたへ|辞めどきの判断軸
  5. 長時間労働から抜け出す|キャリアチェンジという選択肢
  6. 長時間労働を抜け出す第一歩ならSHElikes
  7. SHElikesで理想の働き方を実現した事例
  8. 残業月80時間の働き方に悩んだら、自分のキャリアを見直すタイミングかも

残業月80時間は違法?36協定と労働時間の上限ルールを整理

まず初めにお伝えしますが、残業時間が月80時間を超える場合、すべて違法になるわけではありません。ただし、時間外労働には法律で定められた上限があり、企業は36協定に基づいて適切に運用する必要があります。

残業月80時間と36協定の関係について整理します。

原則の上限は月45時間・年360時間

労働基準法では、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて従業員を労働させる場合、企業は36協定を締結しなければなりません。そのうえで、時間外労働の原則的な上限は「月45時間・年360時間」と定められています*1

つまり、残業が月45時間を超える状態は、本来であれば例外的な扱いです。また、時間外労働と休⽇労働の合計は、「単⽉100時間未満」、かつ「2〜6か⽉のいずれの平均をとっても80時間以内」にしなければならないと決められています。

そのため、休日労働も含めた残業時間が数カ月間にわたって月平均80時間を超えているという状態であれば、労働基準法に違反しているといえます。

特別条項付き36協定で月80時間が許される条件

前述の通り、業務上どうしても法定の労働時間を超える残業などが発生する場合、企業は「特別条項付き36協定」を締結することで、原則の上限を超える時間外労働を命じることができます*1

ただし、無制限に残業させられるわけではありません。法律上は「年720時間以内」「時間外労働と休日労働の合計が単月100時間未満」「複数月平均80時間以内」などの上限が設けられています。また、月45時間を超えられるのは年6回までです*1

そのため、「36協定があるから毎月80時間残業しても問題ない」というわけではなく、厳しい条件のもとで認められている例外措置だと理解しておきましょう。

「月80時間を超えたら」どうなる?罰則と企業のリスク

36協定で定められた上限を超えて時間外労働をさせた場合、企業には労働基準法違反として罰則が科される可能性があります。さらに、従業員が心身の不調を抱えた場合には、安全配慮義務違反を問われるケースも。

残業時間が慢性的に月80時間を超えている場合は、法律上の問題だけでなく、自身の健康やキャリアを守るためにも、働き方を見直すことを検討しましょう。

「月80時間」は過労死ライン|心と体に起こるリアルな影響

残業月80時間は、単に「忙しい」で済ませられるレベルではありません。厚生労働省の基準でも、残業単月100時間・複数月平均80時間超が過労死ラインとされています*2

残業月80時間が続いた場合に起こり得る影響を見ていきましょう。

1日3時間以上の残業×毎日でプライベートがなくなる

残業月80時間は、単純計算すると1か月20日勤務の場合、1日あたり約4時間の残業に相当します。たとえば9時から18時まで勤務したあと、22時近くまで働く生活が続くイメージです。

帰宅後は食事や入浴を済ませるだけで1日が終わり、自分の時間を確保するのは難しくなるでしょう。趣味や勉強、家族や友人との交流などに使える時間も減りやすく、「仕事のために生きているように感じる」と悩む人も少なくありません。残業月80時間がきついと感じるのは、ごく自然な反応といえるでしょう。

睡眠不足・体調不良…見逃してはいけない健康サインが起きる可能性

長時間労働が続くと、睡眠時間の不足や疲労の蓄積によって心身にさまざまな影響が現れる可能性があります。朝起きても疲れが取れない、休日は寝て終わる、食欲が落ちるといった変化は注意したいサインです。

また、イライラしやすくなったり、集中力が続かなくなったりするケースもあります。残業月80時間は「過労死ライン」の目安の一つとされており、脳・心臓疾患との関連性が強いと考えられている水準。無理を続けるのではなく、自身の健康状態を定期的に見直すことが大切です。

残業80時間の残業代はいくら?割増分は本当に支払われている?

残業月80時間ともなると、かなりの残業代が支給されるはず。しかし、給与明細を見ても計算方法がわからず、本来受け取れるはずの賃金が支払われているのか不安に感じている方もいるかもしれません。

残業代の仕組みと確認しておきたいポイントを解説します。

残業代の基本計算式とよくある勘違い

残業代は、「1時間あたりの賃金×割増率×残業時間」で計算されます。法定労働時間である1日8時間・週40時間を超えた時間外労働には、原則として25%以上、時間外労働が月60時間を超える場合は50%以上の割増賃金を支払わなければなりません*3

たとえば時給換算で1,500円の人が80時間の時間外労働をした場合、最初の60時間分は割増率25%(1,500円×1.25×60時間=112,500円)、60時間を超えた20時間分は割増率50%(1,500円×1.5×20時間=45,000円)で計算しますので、157,500円の残業代が発生します。

なお、月60時間を超える時間外労働の割増率50%は、2023年4月から中小企業を含むすべての企業に適用されています*4。「80時間分すべて25%」という計算しかされていない場合は、未払いが発生している可能性があるため注意が必要です。

また、深夜(22時〜翌5時)労働には、時間外の割増とは別に25%が上乗せされます。たとえば時間外労働を深夜に行った場合は、25%+25%=50%の割増になります。さらに法定休日に働いた場合は35%と、状況によって割増率は変わります*3

ただし、実際の手取り額は税金や社会保険料が差し引かれるため、額面どおりにはなりません。「残業をたくさんしているのに思ったより手取りが増えない」と感じる理由は、額面と手取りの差から生まれているかもしれません。

未払い・固定残業代に隠れた違法がないかチェック

残業月80時間という長時間労働をしているけれど「どう考えても残業代が少ない気がする……」という場合は、適切に残業代が支払われているのか一度確認してみましょう。タイムカードや勤怠記録と給与明細を照らし合わせてみると、未払い残業代に気付くこともあります。

また、特に注意したいのが、固定残業代制度を採用している企業です。固定残業代そのものは違法ではありません。しかし、「何時間分の残業代が含まれているのか明示されていない」「固定時間を超えた分が支払われていない」といったケースは問題になる可能性があります。

残業を減らせない会社にいるあなたへ|辞めどきの判断軸

残業が多くてきついと感じていても、「もう少し我慢すれば改善するかもしれない」と悩み続ける方は少なくありません。しかし、状況によっては環境を変える選択が必要な場合もあります。

複数の視点から現在の働き方を見直してみましょう。

「会社が変わる」のを待つべきか、辞めるべきかを切り分ける

残業が多い職場にいても、「そのうち人員が増えるはず」「来年には落ち着くかもしれない」と期待してしまうかもしれません。しかし、長年同じ状況が続いている場合は注意が必要です。

慢性的な人手不足や長時間労働が当たり前になっている企業では、個人の努力だけで状況が改善する可能性は高くありません。一方で、組織改編や採用強化など具体的な改善策が進んでいるなら、様子を見る選択肢もありでしょう。まずは「本当に会社が変わりそうなのか」を冷静に見極めることが大切です。

体調・人間関係・将来…3つの観点でいまの環境を見直す

辞めどきを判断する際は、給与や仕事内容だけでなく、体調・人間関係・将来性の3つの観点から考えることをおすすめします。たとえば、睡眠不足や頭痛、気分の落ち込みなどが続いている場合は、心身が限界に近づいているサインかもしれません。また、相談できる上司がいない、人間関係のストレスが大きいといった状況も働き続けるには負担になります。

さらに、今の仕事を続けることで数年後にどのようなキャリアが描けるのかも重要なポイント。もし働き続けることを想像した時、明るい未来が見えないなら、一度立ち止まって転職などの選択肢も考えてみるとよいでしょう。

今の環境が自身の理想のキャリアにつながるか考える

残業が多くても「今が頑張り時」という考えで、理想のキャリアを実現するために必要と考えるなら今の職場で働き続ける選択もよいでしょう。しかし、「将来的にはリモートワーク中心で働きたい」「副業やフリーランスにも挑戦したい」と考えているにもかかわらず、それが叶わない業界で毎日終電近くまで働いていて学ぶ時間も取れないのであれば、その環境は目標から遠ざかっている可能性があります。

目の前の忙しさに追われると、自分が本当に実現したい働き方を見失いがちです。今の会社で得られる経験と、自分が目指す将来像が一致しているかを改めて確認してみるとよいでしょう。

長時間労働から抜け出す|キャリアチェンジという選択肢

残業がきつい状態を改善したい場合、働き方や職種を変えることで、時間的な余裕を取り戻せる可能性もあります。

長時間労働から抜け出すためのキャリアチェンジの例を紹介します。

残業の少ない働き方ができる職種に転職

業界や職種によって、残業時間には大きな差があります。もちろん会社ごとの違いはありますが、比較的ワークライフバランスを保ちやすい職種を選ぶことで、長時間労働から抜け出せる場合があります。

たとえば、以下のような職種は比較的残業が少なめです。

  • 一般事務
  • 営業事務
  • 経理
  • 人事・労務
  • カスタマーサポート
  • 学校事務
  • 自治体職員

特にバックオフィス系の職種は、繁忙期を除けば勤務時間が比較的安定しているケースも少なくありません。残業がきつい環境から離れたい場合は、仕事内容だけでなく平均残業時間も確認しながら転職先を検討するとよいでしょう。

在宅・リモート可の仕事で時間と心の余裕を取り戻す

長時間労働に悩んでいる方の中には、業務そのものだけでなく通勤による負担を感じている人もいるでしょう。そんな場合は、在宅勤務やリモートワークが可能な職種を検討するのも一つの方法です。

たとえば、以下のような職種はパソコンとインターネット環境があれば働けるケースが多くあります。

  • Webデザイナー
  • Webマーケター
  • SNS運用担当
  • ライター
  • 動画編集者
  • Webディレクター

ちなみに、毎日往復2時間通勤している場合、フルリモートになるだけで月40時間以上の時間を確保できる計算に。そのため、仕事とプライベートの切り替えがしやすくなり、心にも余裕が生まれやすくなります。

フリーランスになり自分で働く時間をコントロールする

働く時間を自分で決めたいと考えるなら、フリーランスという働き方も選択肢の一つです。案件やスケジュールを自分で調整できるため、会社員時代より柔軟な働き方を実現できる可能性があります。

フリーランスとして活動しやすい職種には、以下のようなものがあります。

  • Webデザイナー
  • Webマーケター
  • ライター
  • 動画編集者
  • SNS運用代行
  • オンライン秘書

ただし、自由度が高い反面、収入が安定するまで時間がかかることもあります。そのため、まずは副業から実績を作り、少しずつ独立を目指す方法もおすすめです。残業がきつい働き方を続けるのではなく、自分らしい働き方を選ぶ手段として検討してみるのもよいでしょう。

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長時間労働を抜け出す第一歩ならSHElikes

「残業がきついから転職したい」と思っても、次に何を目指せばよいかわからず行動できない方は少なくありません。キャリアチェンジを成功させるためには、自分に合った働き方やスキルを見つけることが大切です。

長時間労働から抜け出したい方に女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)がおすすめな理由を紹介します。

50以上の職種スキルが学び放題で自分に合った働き方を見つけられる

SHElikesは、WebデザインやWebマーケティング、ライティング、動画編集など、50以上の職種スキルを定額で学べる女性向けキャリアスクールです。キャリアチェンジを考えていても、「自分に何が向いているのかわからない」「自分にはスキルがない」と感じている方も少なくありません。

SHElikesなら複数のコースを自由に受講できるため、興味のある分野を試しながら自分に合った仕事を見つけやすいのが特徴です。すべてのコースはオンライン完結型のため、仕事が忙しい方でもスキマ時間を活用し、学習を進めることができます。長時間労働から抜け出し、自分らしい働き方を目指したい方にとって心強い環境といえるでしょう。

転職・副業・フリーランスまでニーズに合わせたサポート

SHElikesの魅力は、スキルを学ぶだけでなく、その先のキャリアの実現までサポートを受けられることです。「残業の少ない会社へ転職したい」「副業で収入源を増やしたい」「将来的にはフリーランスとして働きたい」など、さまざまなニーズにあったサポートを提供。月1回のコーチングを通じて目標を整理しながら学習を進められるほか、受講生同士が交流できるコミュニティも用意されています。

さらに、実際の案件にチャレンジできる機会もあり、学んだスキルを実践につなげやすい環境が整っています。

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SHElikesで理想の働き方を実現した事例

SHElikesには、働き方を見直しながら理想のキャリアを実現した受講生が数多くいます。

実際にキャリアチェンジを叶えた2名の事例を紹介します。

4ヶ月で転職成功!広告営業からフルリモートマーケターへの道のり|natsukiさん

広告営業として働いていたnatsukiさんは、仕事にやりがいを感じる一方で、年間の残業時間が約600時間という働き方を続けることへの不安を抱えていました。将来を見据えてキャリアの選択肢を広げたいと考え、SHElikesへの入会を決意したそうです。

受講中はマーケティングを中心に学びながら、グループコーチングを通して理想の働き方を明確化。受講生限定コミュニティの運営にも挑戦し、コースで学んだことをアウトプットすることで、知見が広がったといいます。

受講開始からわずか4ヶ月でフルリモート勤務が可能なマーケターへの転職を実現。現在は場所に縛られない働き方を叶えながら、自分らしいキャリアを築いています。

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事務職から月収1.5倍の複業フリーランスに!|クガイシオリさん

事務職として働いていたクガイシオリさんは、将来への漠然とした不安から新しいスキルを身につけたいと考え、SHElikesで学習をスタートしました。受講当初はWebデザインを学んでいたものの、気分転換に受講したWebライティングのコースで、自身にはライティングのほうが向いていると気づき、方向転換をしたといいます。

コンペや実際の案件にもチャレンジし、わずか半年でライターとしてのキャリアをスタート。現在は複業フリーランスとして活動し、最大月収は会社員時代の約1.5倍に。自分次第でその日の仕事内容や内容を自由にアレンジする自由度の高い働き方を実現しています。

インタビュー記事はこちら
事務職から月収1.5倍の複業フリーランスに!満員電車通勤の日々から、場所も時間も自由にアレン…

残業月80時間の働き方に悩んだら、自分のキャリアを見直すタイミングかも

残業月80時間は、36協定の特別条項によって認められるケースがあるものの、決して当たり前の働き方ではありません。心身への負担が大きく、過労死ラインの目安ともされているため、「きつい」と感じているなら、その感覚を軽視しないことが大切です。

また、会社が改善するのを待つだけでなく、自分自身でキャリアを見直すことも重要な選択肢の一つです。残業の少ない職種への転職や、リモートワークが可能な仕事へのキャリアチェンジ、フリーランスとして働くなど、働き方の選択肢は以前よりも広がっています。

しかし、「何から始めればいいかわからない」「自分に向いている仕事が分からない」という方も多いでしょう。そんな方は、まず新しいスキルに触れながら、自分らしい働き方を考えてみるのがおすすめです。

SHElikesでは、Webデザインやマーケティング、ライティングなど50以上の職種スキルを学びながら、転職・副業・フリーランスなど理想のキャリアに向けたサポートを受けることができます。

長時間労働に悩み続けるのではなく、自分らしい働き方への第一歩を踏み出してみませんか?気になる方は、ぜひSHElikesの無料体験レッスンに参加してみてください。

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※出典
*1:厚生労働省|時間外労働の上限規制 わかりやすい解説より
*2:厚生労働省|過労死等防止啓発月間 より
*3:厚生労働省|割増賃金の計算方法 より
*4:厚生労働省|2023年4月1日から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます より

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。