ポートフォリオを作成する際に、「この作品は載せても大丈夫?」と疑問や不安を感じる方もいるでしょう。ポートフォリオに作品を掲載する際には、著作権や守秘義務などの観点から、自分が制作した作品であっても載せてはいけない場合があるため注意が必要です。
この記事では、ポートフォリオに載せてはいけない作品や載せても良い作品の例、作品を掲載する際に押さえておきたいポイントについて解説します。
ポートフォリオに載せてはいけない作品とは?
ポートフォリオは、自分自身が制作に関わったすべての作品を無条件に載せて良いわけではありません。ポートフォリオに載せてはいけない作品を掲載してしまうと、信用を失ったり、法的な問題に発展したりする恐れがあるため注意が必要です。具体的には、次の5つのいずれかに該当する作品は、ポートフォリオには載せてはいけません。
- 企業に著作権が帰属する作品
- 守秘義務(NDAを締結した場合も含む)に違反する作品
- クライアントから提供された素材を使用した作品
- 版権キャラクターを使用した二次創作作品
- チーム制作で担当範囲が不明確な作品
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1. 企業に著作権が帰属する作品
企業に著作権が帰属する作品を無断でポートフォリオに掲載する行為は、著作権侵害となり、法的責任を問われる可能性があります。
企業に所属している場合、職務著作という考え方があり、契約書に定められていなくても著作権は会社に帰属するケースがほとんど。そのため、企業に雇用されている期間に制作した作品の著作権は企業に帰属するため、ポートフォリオの掲載は許可を取るようにしましょう。
また、転職したとしても、前職の作品を無断でポートフォリオに使用してはいけません。
2. 守秘義務(NDAを締結した場合も含む)に違反する作品
守秘義務(NDAを締結した場合も含む)のある契約書を締結している場合、契約で保護されている情報をポートフォリオに無断で掲載してはいけません。たとえば公開前のプロジェクト情報やクライアント情報、企業の戦略などは、自分が制作に関わっていたとしても、ポートフォリオに掲載すれば守秘義務違反となってしまいます。
守秘義務違反となると法的な問題につながるのはもちろん、企業に勤めてクライアントワークを行なっていた場合、クライアントの情報を漏らすと勤め先企業が社会的な信頼を失う恐れもあります。そのため、公開する情報が企業の秘密情報に該当しないかを十分に確認することが大切です。
3. クライアントから提供された素材を使用した作品
クライアントから提供された素材を使用した作品は、許可なくポートフォリオに掲載すると著作権侵害になる可能性があります。提供された素材は、原則として制作した側に著作権があります。
素材の著作権の帰属先や利用範囲を確認し、無断で使用することのないようにしましょう。
4. 版権キャラクターを使用した二次創作作品
版権キャラクターとは、企業や個人が著作権をもつキャラクターのことです。また、二次創作とは、既存の作品をもとにして新たな創作活動を行うことを指します。版権キャラクターを使用した二次創作作品は、著作者の許可を得ていなければ原則として著作権侵害に該当します。
そのため、著作者の許可を得ずポートフォリオに掲載してはいけません。
5.チーム制作で担当範囲が不明確な作品
チームで制作した作品の場合、担当範囲が不明確なものをポートフォリオに載せてしまうと、他者の成果を誤って自分の実績だと誤解させるリスクがあります。
担当した役割や範囲が明確な場合は、「デザイン担当」「コーディング担当」などの役割を明記するのが大切。誤解やトラブルが生じるのを避けるためにも、担当範囲が曖昧な作品は掲載しないようにしましょう。
ポートフォリオに載せても良い作品の例
ポートフォリオに載せても良い作品の例は、次のとおりです。
それぞれについて解説します。
自主制作・個人制作の作品
自主制作や個人制作の作品は、自分自身に権利のある作品なので、ポートフォリオに掲載しても問題ありません。たとえば、架空のお店のWebサイトや架空のイベントのバナーなどは、納品先があるわけではなく他者から許可を得る必要もないため、自分のスキルを自由にアピールできます。
実績がない場合や活動歴が浅い場合、自主制作や個人制作として作品を制作して掲載すれば、充実したポートフォリオに仕上がるでしょう。

許可を得たクライアントワーク作品
過去に制作したクライアントワーク作品は、ポートフォリオへの掲載許可を得ていれば問題なく掲載が可能です。クライアントワーク作品を掲載することで過去にどのような仕事をしてきたのかがひと目でわかり、よりスキルや経験が伝わりやすくなります。
許可を得ていない作品や守秘義務(NDAを締結した場合も含む)の関係で載せてはいけない作品を掲載するとトラブルに発展する恐れがあります。そのため、事前に必ずクライアントに確認し、許可を得てから掲載しましょう。
著作権フリー素材や自分で撮影した写真を使った作品
著作権フリーの素材や自分で撮影した写真を使った作品であれば、ポートフォリオに掲載することが可能です。ただし、著作権フリー素材については利用範囲が規約違反にならないかなど、利用規約をよく確認しておくことが大切です。
自分で撮影した写真は原則として著作権は撮影者にあります。しかし、個人を特定できるような人物が写っている場合は肖像権侵害にあたらないよう、被写体の承諾を得るようにしましょう。
スクールや講座の課題作品
スクールや講座で制作した課題作品は、学校や講座の規定等で掲載がNGとなっていなければポートフォリオへ掲載することが可能です。そのため、実務経験がなくポートフォリオに掲載する作品がないと悩んでいる方は、学習過程で制作した作品で掲載可能なものがないか見返してみましょう。
掲載する際は、制作意図や工夫した点、学んだことなども詳しく記載すると、スキルのアピールにつながります。
ポートフォリオに作品を掲載する際に押さえたいポイント
ポートフォリオに作品を掲載する際に押さえておきたいポイントは、次の3つです。
それぞれについて解説します。
掲載許可を取得する
ポートフォリオに作品を掲載する際には、制作時に勤めていた企業やクライアントなどから掲載許可を取得する必要があります。載せてはいけない作品を無断で掲載することのないよう、契約内容を確認したうえで、これまでの実績をポートフォリオへ掲載可能かを問い合わせてみましょう。
一般公開された作品は出典元を明記する
クライアントや所属企業等の関わった企業が一般公開された作品をポートフォリオに掲載する場合は、出典元の明記が必要です。著作権法第32条と第48条には、引用について次のような記載があります。
「第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」
「第四十八条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。」
引用:e-Gov法令検索|著作権法第32条より
つまり、一般公開されている作品をポートフォリオに利用する場合は、出典元を明確に表記する必要があります。
ポートフォリオサイトはBASIC認証を設定する
Webサイト形式のポートフォリオは、BASIC認証を設定してアクセス制限をかけ公開したい人のみに見てもらうという方法を取ることができます。BASIC認証とは、Webサイトの閲覧を制限するために、ユーザー名とパスワードの入力を要求する認証方式です。
この認証を設定すれば特定のユーザーだけに閲覧を許可できるため、ポートフォリオサイトの情報を保護することにつながります。
載せてはいけない作品を正しく理解してポートフォリオを作成しよう
ポートフォリオに作品を掲載する際には、著作権侵害や守秘義務違反にあたらないかを十分に確認することが大切です。著作権が自分以外に帰属している作品は、必ず掲載許可を得てから載せるようにしましょう。
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