カスタマーサクセスの志望動機を効果的に伝えるためには、適切な準備と戦略が必要です。この記事では、カスタマーサクセスの仕事内容や求められるスキルを解説した後、志望動機の書き方を具体例とともにご紹介します。
カスタマーサクセスの経験者、未経験者それぞれの例文と、志望動機を作成するときのNG例など、内定獲得に向けた実践的なアドバイスをお届けします。ぜひ参考にして、あなたらしい志望動機を作成してください。
カスタマーサクセスの志望動機を書く前に確認しておくこと
転職活動の際は、どのポジションに応募する場合も事前準備が最も重要になります。まずはカスタマーサクセスの一般的な仕事内容と求められるスキルについてご紹介します。
カスタマーサクセスの仕事内容
カスタマーサクセスは、顧客が製品・サービスを最大限に活用することで、顧客の目的達成に近付けるためにサポートをする職種です。主な業務は、製品・サービスの導入支援、利用促進、顧客満足度の向上、解約防止などが挙げられます。
カスタマーサクセスは、顧客のニーズや顧客ごとの課題、状況について深く理解し、適切なソリューションを提案しながら顧客の成功に向けて伴走を続けます。
担当顧客の満足度を高め、成功に導くことで、自社のLTVを最大化させることもカスタマーサクセスのミッションです。
カスタマーサクセスに求められるスキル
カスタマーサクセスには、中長期的な関係構築を行うコミュニケーション力、課題抽出力、問題解決能力、顧客志向性などのスキルが不可欠です。求められるスキルは求人によって異なりますが、カスタマーサクセスの仕事内容には顧客の課題を的確に把握し、効果的な解決策を提案することが含まれるため、課題を特定するための分析力も重要となります。
さらに、所属企業が販売する製品・サービスの深い知識や業界動向への理解、データ分析スキル、プロジェクトマネジメント能力なども求められます。
すべての能力が100%備わっている人材は少ないため、応募先の企業が求める人材要件を読み込み、どのスキルが最も重要視されているか確認することも大切です。
カスタマーサクセスの志望動機の書き方!押さえるべきポイントを紹介
カスタマーサクセスの志望動機の書き方について、具体例を交えながら解説します。
1つずつ確認していきましょう。
志望動機の基本構成
カスタマーサクセスの志望動機を書く際は、以下の構成で書くと効果的です。
- カスタマーサクセスを志望した理由を明確に述べる。
- 自身の経験やスキルがどのように活かせるかを具体的に説明する。
- 入社後の目標や将来のビジョンを示す。
- 最後に、改めて応募企業を選んだ理由を伝え、企業理念や事業内容と自身の価値観が合致していることをアピールする。
志望動機を作成する際は、職種を問わずPREP法の構成を活用するのがおすすめです。結論から述べることで、自分のアピールしたい内容を論理的かつ力強く伝えやすくなります。
応募先企業で働きたい理由を明確にする
応募企業で働きたい理由を明確にすることは、志望動機の重要なポイントです。「なぜIT業界に興味を持ったのか」「複数の企業の中からなぜ興味を持ったのか」「他の職種と比べて、なぜカスタマーサクセスが良いと思ったのか」という流れで、大きなテーマから小テーマにブレイクダウンするように整理するとスムーズでしょう。
志望理由を聞かれると、固く考えすぎて答えられなくなる方は少なくありませんが、「興味を持ったきっかけ」程度に捉えると、答えやすくなるかもしれません。あるいは、企業の公式HPや採用サイトを見ながら、共感できるキーワードをピックアップして、なぜ共感できたのか考えてみるのもおすすめです。
応募先企業で働きたい理由を言語化するときは、インターネットの情報を真似しすぎず、自身の経歴と重ね合わせながらオリジナルの言葉でまとめることも大切です。
活かせる経験やスキルをアピールする
カスタマーサクセスの志望動機では、今までの業務経験や保有スキルをどのように活かせるかについて、可能な限り具体的に説明することも重要です。
まずは、今までどのようなスタンスで顧客対応をしてきたのか、問題解決に取り組む際は何にこだわってきたのかなど、自身の行いを振り返ってみましょう。自身の行動やスキルがカスタマーサクセスの業務にどのように役立つかイメージを膨らませて、まとめていきます。
経験やスキルだけでなく、業界や製品・サービスに関する知識や実体験がある場合は、それらもアピール材料になります。具体的なエピソードを交えて、より説得力のある志望動機に仕上げましょう。
入社後にどう活躍できるか将来像を伝える
あなたが活躍している姿を面接官が想像できるように、入社後の具体的な目標や将来のビジョンを述べながら、将来像を伝えることも大切です。「私はこういう風になりたい」「こんな人材を目指したい」などと、自分本位の説明にならないように注意しながら、希望しているキャリアプランを説明しましょう。
具体的には、「顧客満足度の向上に貢献し、リピート率を〇%アップさせたい」「リピート率をアップさせることで、貴社事業の〇〇という強みを伸ばしたい」など、自分と企業の話をリンクさせる意識が重要です。
また、長期的なキャリアビジョンを伝えることで、長く働く意欲を示すこともアピールにつながるでしょう。
カスタマーサクセスの志望動機の書き方【経験者の例文】
カスタマーサクセスの経験者は、前職でどのようなスキルを身につけたのか、入社後はカスタマーサクセスとして何を実現したいのかについて、自身の経験と照らし合わせて具体的に伝えることが重要です。カスタマーサクセスの経験者向けに、志望動機の例文を2つご紹介します。
経験者向け:関係構築力をアピールしたい例文
「これまで5年間、カスタマーサクセスを経験する中で身につけた顧客との関係構築力を活かしたいと思い、応募しました。現職では、サービス導入後1週間・1ヶ月・3か月と区切って顧客と目標設定を行い、具体的に取り組むべき施策を資料にまとめて提案をしています。
お客様都合でミーティングがスキップされることは多いですが、ミーティングができない週でも必ずチャットでお役立ち資料や進捗データをお送りして、密なコミュニケーションを心がけました。その結果、担当顧客の継続率ナンバー1の社内表彰を3期連続で受賞できました。
今までは私なりの方法で顧客と関係構築を行ってきましたが、貴社では顧客コミュニケーション手法にもデータ分析を取り入れていると聞きました。私の顧客支援の情熱と、貴社のデータに基づくロジカルな取り組みを融合させ、顧客と企業の双方に価値を提供していきたいです。」
ポイント解説
カスタマーサクセスを経験する中で、具体的にどのようなスキルを身につけたのか、自身が得意なことについてエピソードを交えて伝えている志望動機です。また、応募先企業の特徴にも触れて、熱意をアピールしているのがポイントです。
経験者向け:社風への共感をアピールする例文
「貴社のボトムアップの社風に惹かれて応募いたしました。現職では組織拡大につれ、どうしても社内会議が多くなり、トップダウンの施策が増えています。企業成長による変化は致し方ないものの、現場のお客様の声を重要視する環境で働きたいと思うようになりました。
貴社では、お客様の声を拾うためにユーザーコミュニティを立ち上げたり、インサイドセールス自らお客様インタビューを行ったりしていると聞いています。どのポジションも常に現場目線で、ボトムアップで意見を言いやすい社風が表れていると思いました。
入社後はカスタマーサクセスの経験者として即戦力となり、顧客の声をいち早く拾って社内に共有するよう努めたいと思います。」
ポイント解説
経験者だからこそ感じた違和感をはっきりと伝えつつ、応募先企業の具体的な取り組みに触れているため意欲が伝わる例文です。スキルや能力のアピールだけではなく、仕事に向き合うスタンスや価値観を伝えることも重要です。
カスタマーサクセスの志望動機の書き方【未経験者の例文】
未経験者の場合も、別職種で培ったスキルを活かす方法を具体的に伝え、入社に対する意欲を明確に示すことが重要です。カスタマーサクセスに初めて応募する未経験者向けに、志望動機の例文を紹介します。
未経験者向け:営業経験を活かした例文
「顧客の長期的な成功を支援し、より深い関係性を構築できる点に魅力を感じたためカスタマーサクセスを志望しました。また、貴社のサービスが持つ〇〇の強みに惹かれ、応募いたしました。
前職の法人営業では大手企業を担当することが多く、顧客の社内体制や稟議の流れなどを細かく理解してから提案することが求められました。この経験から、キーマンとなる協力者をステークホルダーから見つけて、関係を構築することで円滑に物事を進める力を養いました。
カスタマーサクセスの仕事でも、目の前で対峙している顧客の担当者だけでなく、顧客の企業で働くさまざまな関係者とのコミュニケーションが重要だと考えています。前職経験を活かし、ステークホルダーのスピーディーな把握と関係構築により、最短距離で成果に結びつけていきます。
カスタマーサクセスは未経験ですが、10年以上経験を重ねた営業の知見を活かし、入社後半年で〇〇の目標達成を目指します。貴社の〇〇の強みを存分に活かしながら、私の持ち味である〇〇をあわせて発揮していきたいです。」
ポイント解説
前職で担当していた顧客像や仕事のこだわりを具体的に説明することでアピールになっています。営業経験とカスタマーサクセスの共通点を言語化している点もポイントです。
未経験者向け:マーケティング経験を活かした例文
「長年経験してきたマーケティング職におけるリサーチおよび分析能力を活かしたいと思い、カスタマーサクセスを志望しました。前職では、広告運用のマーケティング職として顧客から受託した製品の広告出稿・運用・改善施策の実行までワンストップで経験しました。広告出稿の際は、競合他社の出稿キーワードやアクセス動向など複数の指標で入念なリサーチを行い、ロジカルな運用計画が必須となります。
この経験から、ITツールを複数活用しながらデータ分析を行うスキルと、複数顧客の案件を同時に進めるプロジェクトマネジメント能力を身につけました。このスキルは、カスタマーサクセスで顧客管理を行う際に活かせると考えています。
広告運用で培ったデータ分析スキルに加えて、入社後はカスタマーサクセスとして顧客折衝力を鍛えることで、より本質的な課題を抽出し、提案に生かしていきます。また、〇〇業界の中でも、〇〇に強みのある点は、私の前職経験とも通ずると感じて応募をいたしました。
未経験ではありますが、マーケティング職で培ったデータ志向を活かし、入社後は〇〇業界でトップシェアになれるよう尽力してまいります。」
ポイント解説
自身の持ち味であるロジカルなデータ分析スキルをアピールすることで、カスタマーサクセスの適性があることが伝わります。前職と応募先の共通点も付け加えると、意欲がアピールしやすいです。
志望動機を作成するときのNGポイント
志望動機のNG例を通して、書き方の注意点を解説します。
具体性に欠ける志望動機
「顧客と接する仕事がしたい」「人の役に立ちたい」といった抽象的な理由だけでは、カスタマーサクセスへの理解不足と判断される可能性があります。本気で顧客のサポートをしたいと思っていても、受け身に捉えられてしまうと、「カスタマーサクセスとカスタマーサポートを混同しているのでは」と見られてしまう場合もあるでしょう。
具体的に、どのように顧客の成功を支援したいのか、どのようなスキルを活かせるのかを明確に述べることが重要です。
自己中心の志望動機
面接官は志望動機を通して、「どんなスキルや経験を持っているのか」「応募意欲が高いかどうか」「入社後の活躍イメージが湧くか」などを知ろうとしています。どの職種でも言えることですが、「労働条件が良いから」「有名企業だから」といった理由など、自己中心的な理由は避けるべきでしょう。
転職理由は本音と建前を使い分けることが大切です。本音では給与アップのための転職だとしても、可能な限り言葉を置き換えて、自己中心的な意見にならないよう配慮しましょう。
カスタマーサクセスの志望動機を魅力的に書くコツ
最後に、カスタマーサクセスの志望動機をより魅力的にするためのコツを紹介します。
順に見ていきましょう。
徹底した企業研究
応募企業の事業内容、企業理念、市場での位置づけについて徹底的に研究してから志望動機を作成しましょう。企業のWebサイトやIR情報、SNS、ニュースリリースなどから広く情報を収集し、企業の課題や目標を理解します。この知識を基に、自身のスキルや経験がどのように企業の成長に貢献できるかを具体的に述べることで、志望動機に説得力が増します。
自己分析・棚卸し
志望動機を作成する前に、自身の強み、弱み、価値観、キャリア目標などを1つずつ丁寧に棚卸しましょう。過去の経験や学びを振り返り、カスタマーサクセスの役割にどのように活かせるかを考え、言語化していきます。特に、顧客対応、問題解決、コミュニケーションに関する具体的なエピソードを整理しておくと、志望動機をより具体的に書くことができるでしょう。
キャリアビジョンの明確化
短期的な目標だけでなく、長期的なキャリアビジョンも明確にしましょう。カスタマーサクセスの役割を通じて、どのようなプロフェッショナルに成長したいのか、どのような価値を提供し続けたいのかを考えるのがポイントです。自身が掲げたビジョンと企業の成長戦略を結びつけることで、より説得力のある志望動機を書くことができるでしょう。
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魅力的な志望動機で内定獲得を目指そう
カスタマーサクセスの志望動機を書く際は、自身の経験やスキルを具体的にアピールし、企業の理念や事業内容との合致点を明確に示すことが重要です。また、入社後の目標や将来のビジョンを具体的に述べることで、より説得力のある志望動機となります。
徹底した企業研究と自己分析を行い、キャリアビジョンを明確にして、採用担当者の心に響く志望動機を作成しましょう。
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