就職・転職活動をおこなう方のなかには、「自分に合う仕事を探したい!」「そもそも世の中にはどんな仕事の種類があるのだろう?」と考えている方も多いのではないでしょうか。
さまざまな種類の仕事を知り選択肢を広げることは、自分が目指したい職業を探す際に非常に大切です。この記事では、具体的な仕事の種類や就いてよかったと思える仕事を見つける方法を紹介します。
仕事の種類一覧 – 世の中の仕事とは?
「令和4年版 厚生労働省編職業分類表」によると、世の中の仕事は大分類で15の項目があり、さらに中分類・小分類へと分けられ、計440もの仕事の種類が存在します。
「思っている以上に豊富な選択肢がありそう!」と感じた方もいるのではないでしょうか。
オフィス系の仕事
オフィス系の仕事の種類をみていきましょう。
オフィス系の仕事には企業をサポートするものが多く、縁の下の力持ちのような存在といえます。業務内容は多岐にわたり、資格や経験がなくともできる業務もあれば、資格や経験が必要な業務もあります。具体的な職業としては、次のような仕事が挙げられます。
- 一般事務・OA事務
- 営業事務
- 経理
- 広報
一般事務・OA事務
「一般事務」は、事務職と呼ばれる仕事の中でもっとも幅広い役割を担います。業務内容は、書類作成や電話・メール対応、来客対応、データ入力など多岐にわたります。
似たような仕事に「OA事務」がありますが、OA事務はパソコンを使ってデータ入力や資料作成などを中心に担当し、電話などの社外対応は担当しない仕事を指します。
一般事務やOA事務は業務を通じて仕事のやり方を身につけやすく、就職時に特別なスキルや資格が必要でない場合が多いため、未経験者でも応募しやすい職業です。
営業事務
「営業事務」は、営業担当の補佐として主に事務仕事を代行する仕事で、「営業アシスタント」とも呼ばれます。
業務内容はスケジュールや顧客情報の管理、社内文書作成、電話やメール対応などの業務が中心で、足を使う仕事が多い営業担当に代わって事務的な仕事を請け負います。顧客対応をおこなわないことが一般的ですが、営業担当とともに取引先を訪れる場合もあるでしょう。
営業担当の活躍に伴い業務量も増えますが、仕事を通じて多くのことを学べる職業です。
経理
「経理」とは、会社のお金を管理する仕事で、企業・組織間における取引や金銭の動きを記録します。
具体的な業務内容としては、日々の売上、売掛金の処理、仕入れや原価の計算、給与額の計算、保険料の支払いの処理、交通費の精算、資産の購入・売却の処理などさまざまです。会社の決算期に合わせて決算業務をおこなったり、年末調整や確定申告、税金の納付をおこなったりするのも経理の業務の1つです。経理の仕事に就きたい方は、日商簿記検定を取得しておくのがおすすめです。
広報
「広報」の仕事は、社外広報と社内広報の2つに分けられます。
社外広報の業務では、プレスリリース配信や取材対応、SNS運用、ブログ投稿など、社外に向けて企業やサービスをPRします。社内広報の業務では、異なる部署間での相互理解を深めたり、社内コミュニケーションを活発にしたりするための経営情報やビジョンの共有、社内イベントの企画などを担当します。広報は取材を受けたり情報を発信したりするため、自社の顔にもなり得る立場です。
医療・介護・福祉系の仕事
医療・介護・福祉系の仕事は、治療や介護、支援が必要な人に対して、医療・介護・福祉のサービスを提供する役割を担っています。具体的な職業としては、次のようなものが挙げられます。
- 医師
- 看護師
- 薬剤師
- 医療事務
- 調剤事務
- 生活支援員
- ケアマネージャー
医師
「医師」は患者を診察し、治療すること(診療)が仕事です。このような医療行為は、医師法によって定められているように、医師だけがおこなうことができます。医師のなかでも、患者と向き合い診療をおこなう医師を「臨床医」と呼び、大学や研究所などに在籍して研究をおこなう医師のことを「研究医」と呼びます。
医師になるためには、大学の医学部に進学したうえで医師国家試験を受け、合格しなければなりません。医師免許を取得した後も、臨床研修や専門医の取得など一人前の医師になるための長い道のりが待っています。知識欲と向上心を持ち、患者さんを思いやれる優しさと強さを持っていることが大切です。
看護師
「看護師」は、医師の診察にもとづき診療や治療の補助をおこないます。
看護師の活躍の場は病院やクリニックのみならず、訪問看護ステーションや介護施設などさまざまな施設が存在します。
看護師になるためには、国家資格が必要です。業務内容は多岐にわたりますが、病院勤務の看護師は排泄や食事などの援助、歩行介助、注射や点滴の実施、看護記録の作成や管理などがあります。また、看護計画を立て必要に応じて准看護師に指示を出すなど、マネジメント力が問われる場面もあります。
薬剤師
「薬剤師」は、患者への調剤や服薬指導などを通じて健康を支える薬の専門家です。
薬剤師の業務内容としては、薬局・ドラッグストアや病院、介護施設での調剤や服薬指導、薬歴管理が思い浮かぶ方も多いでしょう。
ですが薬を販売する以外にも、薬の研究開発をおこなったり、行政機関での薬事衛生に関する業務に携わったりするのも薬剤師の仕事です。薬剤師になるためには、大学の薬学部で6年制の薬剤師養成課程を修了し、国家試験に合格する必要があります。薬剤の細かい管理や調剤をおこなうため、集中して細かい作業をするのが得意な方にが向いているといえるでしょう。
医療事務
「医療事務」は、医療機関で受付業務や会計業務、診療報酬請求業務などをおこなう病院やクリニックの事務職です。
医療事務の仕事に就くために必ず求められる資格はありませんが、医療事務検定試験などの資格を取得することで実務に役立つ知識が身につき、即戦力として就職しやすくなる可能性があります。クラーク処理やレセプト処理など、一般的にイメージする事務職とは異なる専門的な業務を担うため、これから医療事務を目指そうと考えている方は資格を取得するのがおすすめです。
調剤事務
「調剤事務」は、調剤薬局で薬剤師の業務をサポートする仕事です。業務内容としては受付や会計、調剤報酬請求、処方箋の管理などがあり、デスクワークから立ち仕事までさまざまです。
無資格・未経験から始めることも可能ですが、手に職をつけたいと考えている方は調剤報酬請求事務専門士などの資格を取得することでより活躍することができるでしょう。
また、調剤事務資格は学ぶ知識が薬に関わる範囲に限られているため、医療事務の資格よりも取得しやすいといえます。独学で資格取得を目指す方もいるようです。
専門用語や薬の商品名、成分名など覚えることはたくさんありますが、やりがいのある仕事といえるでしょう。
生活支援員
「生活支援員」は、体や知能、精神に障がいを持つ人々の日常生活や就労に向けたサポートをおこなうのが主な仕事です。生活のすべてをサポートするのではなく、より自立した生活を送ったり、また自分らしく人生を過ごしたりできるよう支援します。業務内容としては、生活習慣が身につくような指導・支援や、就労のための職業訓練の指導、さまざまな相談に親身に応じることなどが挙げられます。
資格を持っていない未経験の方でも福祉施設や就労支援事業所などに就職することが可能ですが、公共施設の生活支援員を目指す場合は地方公務員試験に合格しなければなりません。また、介護福祉士や社会福祉士、精神保健福祉士の資格を取得すると、業務に役立てることができるでしょう。
ケアマネージャー
「ケアマネージャー」は、利用者が必要なサービスを受けながら自立した生活を送れるようサポートする仕事です。
介護や支援を必要とする人からの相談や心身の状況に応じて、訪問介護やデイサービスといった介護サービスを受けられるようケアプランを作成することが主な業務内容です。また、自治体・事業者・施設などとの連絡調整をおこなったりします。ケアマネージャーになるためには、各都道府県が認定する公的資格である介護支援専門員の資格が必要です。
保育・教育系の仕事
保育・教育系の仕事は、子どもの成長において重要な役割を果たす仕事のため、子どもたちの見本となるような存在になる必要があります。
具体的な職業としては、次のようなものが挙げられます。
- 教師
- 学芸員
- 保育士
- ベビーシッター
教師
「教師」は勉強や生活に関する指導をしたり進路についての相談に乗ったりすることで、生徒の成長をサポートする仕事です。教科指導が主な業務内容ですが、生徒指導、進路指導、部活指導など生活面・道徳面の指導も生徒の人生にとって非常に重要です。
教師になるには教員免許が必要で、資格の種類は幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校といった学校種ごとに異なります。さらに中学校や高等学校では、教科別に分かれています。
教師は生徒の成長や人生そのものに大きく関わることができる仕事で、生徒と一緒に成長できる点に大きなやりがいを感じられるでしょう。
学芸員
「学芸員」は、美術館や博物館で資料の収集・保管・展示・調査・研究など専門的な業務をおこなう職員のことで、「キュレーター」と呼ばれることもあります。
日々たくさんの展示品が並んでいるなか、所蔵品の分析や研究をおこない資料の保管・管理に努めています。また、所蔵品を他の施設で行われる展覧会などに貸し出すこともあり、その際は運搬・展示にも立ち合います。
学芸員になるためには国家資格が必要で、資格を取得しても就職は狭き門です。しかし、1から展示の企画を立案する学芸員の仕事は、美術や芸術に興味がある方にとって非常に魅力的なのではないでしょうか。
保育士
「保育士」は、子どもたちが保育園で安心・安全に成長していけるよう、生活全般の世話をしながら基本的な生活習慣を身につけさせる仕事です。
食事や着替えなどの身の回りのことを手助けしたり、年齢に合わせた遊びや体験を通じて成長できるようにサポートしたりと、幼少期の発達において重要な役割を担います。
保育士になるには、国家資格の取得が必要です。日々の体調や行動を報告するなど、保護者としっかり連携をとることが大切です。元気な子どもたちと過ごす保育士はある程度の体力が求められる場面も多い仕事ですが、子どもの成長を間近に感じられるやりがいのある仕事といえるでしょう。
ベビーシッター
「ベビーシッター」は、依頼主が仕事で忙しいなどの事情がある際に、代わりに子どものお世話をする仕事です。
お世話をする際は、保護者の教育方針に従うことが基本となります。子育て経験があり、保護者の教育方針に違和感を覚えたとしても、独断で自己流のしつけをおこなうのではなく必ず保護者と相談し合うようにしましょう。
資格や経験がない方でも働くことは可能ですが、保護者が不在のときに子どもの命を預かる仕事のため、保育士や幼稚園教諭の免許、認定ベビーシッターの資格を取得することで信頼されるベビーシッターになることができるでしょう。
金融・コンサルタント系の仕事
金融系の仕事では、銀行・証券・保険業界で金融商品やお金に関する業務を担います。
コンサルタントは、クライアント企業から相談を受け、課題を分析してその解決策を考える仕事です。
金融・コンサルタント系の仕事で活躍するためには、その分野に関する専門知識や経験を活用する必要があります。豊富な知識や思考力が求められる仕事ですが、大きな充実感を得られるでしょう。金融・コンサルタント系の具体的な仕事には、次のようなものがあります。
- 銀行員
- コンサルタント
- 金融事務
銀行員
「銀行員」は、お金に関するさまざまなサポートをおこなう職業です。窓口で口座開設や振込の応対をするだけでなく、個人や企業に経営資金を融資したり為替や証券取引に関する手続きをおこなったりするのも銀行員の役割です。
銀行員のなかでも、金融商品を提案する営業職、窓口対応や後方で書類のチェックなどをおこなう事務職、企業のM&Aに関する専門的な助言をおこなうアドバイザリーと職種が分かれており、幅広い業務を分担して働いています。
銀行員になるために特別な資格は必要ありませんが、高校を卒業してすぐに銀行に就職する道は狭き門といえます。メガバンクをはじめ大手の銀行への就職を目指す場合は、大学で商業や金融に関する勉強をするとよいでしょう。
コンサルタント
「コンサルタント」にはさまざまな種類がありますが、一般的に「クライアント企業の現状分析と課題の把握」「課題に関する情報の収集」「課題解決に向けたビジョンの策定と実行支援」の3つが共通の仕事内容として挙げられます。
コンサルタント業界は、全体的に年収相場が高くなっています。年功序列ではなく実力で評価されるコンサルティングファームが多く、日々知識を吸収してスキルを高め続けることができれば、収入も上がり自身が成長したことを実感できるでしょう。
一部の職種を除いて必須とされる資格があるわけではないため、未経験からコンサルタントを目指すことも可能です。ですがコンサルティングファームによっては業界に関する高度な知識や専門性が求められることもあり、入念な準備とスキルアップが必要となるでしょう。
金融事務
「金融事務」は、金融業務関連の事務作業を幅広く担当する仕事です。主な業務内容は、窓口や電話・メールでの顧客対応、文書・データの作成や管理です。金融関連の知識が求められることが多いため専門性が高く、証券外務員やファイナンシャルプランナーなどの資格を取得している人もいます。
金融事務の仕事に就く際に必ずしも特別な資格は必要ありませんが、金融商品を取り扱うため、就職後に外務員資格や生命保険募集人資格などの資格取得が求められる場合があります。
IT系の仕事
IT業界にはさまざまな仕事があり、ソフトウェア業界や通信業界、Web業界などさらに細かく分類することができます。なかでもソフトウェア業界は、IT業界の大黒柱のような存在です。IT業界は今後もどんどん発展していくことが予想され、仕事も需要が伸び続けるといえるでしょう。IT系の主な職業を紹介します。
- データサイエンティスト
- システムエンジニア
- プログラマー
データサイエンティスト
「データサイエンティスト」は、主にビッグデータ(画像データや通信パケットなど、大量かつ整理されていない情報)を解析することで、経営に役立つ情報を抽出しヒントや気づきになる事象を発見する仕事です。
データ収集や企画、仮説・考察、データ前処理、データ分析・解析、結果の解釈・仮説の検証、レポーティングを通じ、効果的なアプローチを科学的に考えます。
データサイエンティストとして仕事をしている人には、データエンジニアや開発エンジニア、データアナリスト、マーケター、コンサルタントから転身したケースが多くみられます。
システムエンジニア
「システムエンジニア」は、ソフトウェアの設計・開発をおこなう仕事です。
企業やチームによって担当業務に多少の違いはありますが、ヒアリングと要求分析からスタートし、要件定義、基本設計、詳細設計、テストという流れでソフトウェアを開発します。
実務経験がない方でも、知識さえあればシステムエンジニアとして働くことは可能です。まずはプログラミングとITに関する基本的な知識を学び、少しずつ専門的な技術を身につけていきましょう。
プログラミングの勉強は独学でも可能ですが、オンラインスクールを活用することで着実にステップアップすることができます。自分のペースで勉強を進め、システムエンジニアを目指しましょう。
プログラマー
「プログラマー」は、コンピューターを動かすプログラミングをおこなうことで、さまざまなシステムやソフトウェアを作る仕事です。
プログラマーの基本的な業務内容は、システムエンジニアが設計した全体のプログラムの仕様書やWebデザイナーによるビジュアルのデザインに基づいて、システムが作動するようプログラミングをおこなうことです。
プログラマーになるために特別な資格は必要ないため、知識とスキルをしっかり身につけることでプログラマーとしての就職を目指すこともできるでしょう。
ただし、プログラミングスキルの習得は簡単ではなく、途中で諦めてしまう人も少なくありません。自分に合った方法を探し、コツコツと学び続けることが大切です。
Web・クリエイティブ系の仕事
Web業界も、目覚ましい進歩を遂げている業界の1つです。特に最近ではクリエイティブな仕事に注目が集まっており、自分のアイデアを形にしたいと考えている方にぴったりの業界といえます。
具体的には、次のような仕事が挙げられます。
- Webデザイナー
- 動画クリエイター
- ゲームデザイナー
Webデザイナー
「Webデザイナー」は、Web上で表示されるコンテンツの色合いやフォント、イラスト、アニメーションなど、ビジュアル面を制作する仕事です。企業やサービスの雰囲気に合うカラーリングに加え、ユーザーの動線や使いやすさを考慮し、多くの人にわかりやすいようなデザインを作成します。
デザインソフトで外観のアイデアを表現して提示するだけでなく、コーディングをすることで実際にWebサイトを構築できるWebデザイナーであれば、より活躍することができるでしょう。
動画クリエイター
動画クリエイターとは、その名のとおり動画制作に携わる仕事をいいます。個人で活動しているYouTuberやフリーランスの動画編集者など、企画から編集、演出まですべて1人で担当する場合もあれば、企業やグループのなかで一人ひとりがそれぞれ異なる工程を担当する場合もあります。
最近は、さまざまな場面で動画の需要が高まっています。本格的な映画やテレビ番組だけでなく、インターネットのみで配信されるCM動画やWebコンテンツとしての動画も豊富です。今後も動画の需要は伸びていくことが予想され、動画編集のスキルを身につけることで、幅広く活躍することができるでしょう。
ゲームデザイナー
ゲームデザイナーは、ゲーム作りに必要なさまざまな要素をデザインしながら、1つの世界観を仕上げるデザイナーです。まずはゲームのストーリーやシステム・ルールを企画し、それに基づいて魅力的なキャラクターや背景、サウンドなどあらゆる要素を考案しながら完成を目指します。
また難易度のバランスを調整したり、プレイ中に感情に訴えかけるような要素を入れたりすることで、プレイヤーが没頭できるような独創的なゲーム体験を提供することも大切です。ゲームデザイナーになるには、ゲーム制作会社に入社する方法が近道といえます。ゲーム制作の基礎スキルから学ぶことができる専門学校もあります。
メディア・出版系の仕事
メディア・出版系の仕事は、多くの人々に情報を届ける仕事です。新しいトレンドを作り出すことができます。具体的な職種としては、次のものが挙げられます。
- 編集者
- テレビディレクター
- 新聞記者
編集者
「編集者」は、書籍や雑誌などに掲載するものを企画し、出版やWebメディアに掲載するまでの工程を管理します。業務内容は、企画構成、取材アポ入れ、取材、記事の編集、クリエイターへの依頼、制作物のチェック、校正、進行管理などさまざまです。担当している媒体によっても、どこからどこまでを担うかは異なります。
編集者になりたい方は、出版社や編集プロダクションに就職するとよいでしょう。豊富な経験を積んで編集者としてのスキルを身につけたひとのなかには、フリーの編集者として独立する人もいます。
テレビディレクター
テレビディレクターは、テレビ番組の制作を指揮する現場の責任者です。プロデューサーとともに企画を立案し、キャスティングや台本制作、演出などをおこないます。ディレクターは、マネジメント能力や急なトラブルへの対応力が重要になる仕事です。多くの人と一緒にものを作るのが好きな方は、楽しみながら仕事をすることができるでしょう。
テレビディレクターになるために必須の資格はありませんが、キー局をはじめとする大手のテレビ局への就職では4年制大学の卒業が求められることが多いです。非常に倍率が高いキー局への就職以外に、番組制作プロダクションに入社してディレクターを目指す方法もあります。
新聞記者
新聞記者は、世の中の事件や政治・経済の情報からエンターテイメントに関する情報まで、さまざまな出来事を取材して人々に伝える仕事です。新聞の編集局は、政治や経済、文化、スポーツなどジャンルが分かれており、どこに所属するかによってどんなテーマを取材するかが異なります。
特定の分野だけを扱うとしても、幅広い教養と高度な文章力が不可欠です。また、視野を広く持ち、公正な目線から取材をすることが求められます。新聞記者になるための必須資格はありませんが、多くの新聞社で4年制大学や大学院の卒業が条件となっています。
文化・芸術・アート系の仕事
文化・芸術・アート系の仕事は、芸術に関する知識やアイデアを表現するための技術だけでなく、センスや感性も必要とされることが多いです。具体的な職業としては、次のようなものが挙げられます。
- ギャラリスト
- フォトグラファー
- 絵画修復士
ギャラリスト
「ギャラリスト」は、所有している画廊やギャラリーに作品を展示・販売する仕事です。自ら美術品を仕入れて販売するため、芸術作品を見極めるスキルやコミュニケーション力が求められます。美術に関する豊富な知識や、海外取引に備えた語学力を身につけておくとよいでしょう。
最近では、カフェを経営しその一角で美術品を展示しているギャラリストも多くみられます。アートが好きで、素晴らしい芸術家を発見しその活躍を後押ししたいと考えている方にとって、大きな充実感を得られる仕事といえるでしょう。
フォトグラファー
フォトグラファーは写真を撮影する仕事です。新聞や雑誌、広告、イベントの写真を撮影する商業カメラマンのほか、家族写真などのより身近な写真を撮影してくれるカメラマン、風景や動物の写真撮影を専門とするカメラマンなど、さまざまな種類があります。
カメラマンを目指す場合、プロとして活動している写真家のもとでアシスタントとして修行をしたり、写真館に就職したりする方法がありますが、最近では企業などの組織に属することなく活動するフリーランスのフォトグラファーも増えています。
自分の強みや得意分野、写真の雰囲気をポートフォリオやSNSを使って伝えることで、仕事につなげることができるかもしれません。スマホで誰でも気軽に綺麗な写真が撮れるようになった今、どうすれば写真撮影を依頼されるのかを考え工夫を凝らしてみましょう。
絵画修復士
「絵画修復士」は、古くなったり傷ついたりした油絵や日本画を、元の姿に近づけられるようイメージして修復する仕事です。元の作品がどのような姿だったかが明らかなケースは少なく、その作品が制作された時代の絵画の傾向や使われていた画材を調査することで原型を想像しなければなりません。現在ではほとんど使われていないような画材を用いることもあり、美術に関する幅広い知見と画材を駆使する技術力が求められます。
美大や専門学校で学んだのち、美術館や美術品の保存・修復事業をおこなっている企業に就職して絵画修復士を目指す人が多いようです。西洋美術の修復に携わりたいと考え、イタリアに留学して修復士の資格を取得する人もいます。
アパレル・小売系の仕事
アパレル・小売系の仕事では、洋服や雑貨などの商品を販売します。小売業界の代表的な企業としては、スーパーやコンビニ、ドラッグストア、ショッピングセンターなどが挙げられます。
店舗でお客さんと向き合うスタッフとして働くイメージがあるかもしれませんが、ほかにもさまざまな携わり方があります。
- アパレル店員
- バイヤー
- 商品企画
アパレル店員
「アパレル店員」は、店頭に立ってお客さんに直接洋服を販売する職業です。レジでの接客やコーディネートの提案のほか、商品管理、ディスプレイ、電話対応などの仕事も担います。
アパレル店員は未経験の方でも比較的就きやすい職業で、ファッションに興味があれば誰にでも挑戦することができます。お客さんとの会話が大切な仕事なので、どんな人とも会話できるコミュニケーション力があるとよいでしょう。
バイヤー
「バイヤー」は、店舗やECサイトで販売するための商品の仕入れをおこなう職業です。市場から売れそうな商品を見つけて適正な価格や個数、販売コンセプトを考え、商品を仕入れます。買いつけた商品を各店舗に配置して在庫を管理し、売上情報から需要を分析することも大切です。
バイヤーには商材に関する深い知見や販売戦略を練る分析力・企画力が求められます。小売業界でも人気の職種で、販売スタッフとして商材に関する理解を深め経験を積んだ後、バイヤーとしてステップアップする方が多いようです。
商品企画
「商品企画」は、小売店で販売する自社のオリジナル商品を企画・開発する仕事です。最近では、コンビニやスーパーマーケットでオリジナルの商品を見かけることが増えてきました。小売店で他社から仕入れた商品を販売するだけでなく、自社のプライベートブランドや他社とのコラボ商品を限定で展開する傾向が高まっています。
商品企画では、新たなオリジナル商品を開発し、販売や宣伝の戦略を考えるため、市場で求められるものを分析し実現するマーケティング力が必要です。プライベートブランドが小売企業のブランディングに直結することも多く、商品開発という仕事は重要な役割を果たしています。商品企画は自分のアイデアを形にして実際に販売できる仕事なので、大きなやりがいを感じることができるでしょう。
観光・旅行系の仕事
観光・旅行系の仕事では、旅行に行きたい人をサポートしたり、旅行を楽しいものにするためのサービスを提供したりします。
自分も旅行が好きでさまざまな国や地域に詳しい方や、人をおもてなしすることにやりがいを感じる方は、観光・旅行系の仕事に向いているでしょう。具体的には、次のような仕事の種類があります。
- ツアーガイド
- ツアープランナー
- ホテルスタッフ
- 空港スタッフ
ツアーガイド
「ツアーガイド」は、旅行先の文化や歴史をお客さんに解説しながら一緒に観光スポットをまわる仕事です。お客さんを出迎えて観光案内をし、安全に旅行を楽しんでもらえるよう添乗業務を担います。現地の文化や歴史を深く理解し、観光情報や注意事項を参加者にしっかりと伝えることが必要です。参加者が楽しめるような体験や必要性が予想されるサポートを考え、計画を立てていきます。
日本国内で日本の旅行者を案内する場合は取得しなければならない資格はありませんが、日本国内を外国語で案内する場合は国家資格である通訳案内士の資格が必須です。海外で日本語を使って案内するツアーガイドは、国によって資格の取得が必要な場合があります。対象となる国や地域の制度をよく確認するようにしましょう。
ツアープランナー
「ツアープランナー」は、旅行ツアーを企画し具体的な内容を考える仕事です。企画立案のほか、交通機関や宿泊施設、観光施設との交渉も担います。パック旅行のプランニング以外に、個人の旅行コースの相談にのることもあります。
豊富な選択肢のなかから予算や目的に合った施設を提示する必要があるため、担当の地域の旅行情報をしっかりリサーチしておくことが大切です。旅行では交通機関の混雑によるスケジュールのずれや予想外のハプニングがつきものなので、旅行期間全体を俯瞰してプランを組むスキルが求められます。
まずはツアーガイドとして現場での感覚を掴んでから、ツアープランナーに転身する人もいるようです。
ホテルスタッフ
「ホテルスタッフ」は、宿泊客が快適に滞在できるようサポートする仕事です。フロントやドアマン、ベルパーソン、コンシェルジュ、ハウスキーパー、レセプショニスト、ウェイター、ウェイトレスなどさまざまな仕事があります。
最近では外国人観光客もどんどん増加しており、国内のホテルで働く場合も多様な言語を使いこなすことが求められます。外資系ホテルの場合は、一緒に働く上司や同僚が外国人であることも少なくありません。
ホテルスタッフになるために必須の資格はありませんが、ホテルビジネス実務検定試験や語学力を証明できる資格を取得しておくと、現場で活かすことができるでしょう。
空港スタッフ
空港のグランドスタッフは、空港内での接客を担当する仕事です。飛行機に乗るのではなく、空港内での搭乗手続きや荷物の預かり、出発・到着ロビーでの案内、フライト発着掲示板の操作などを担当します。
航空会社に直接雇用される以外にも、地上業務専門のハンドリング会社に就職してグランドスタッフになる人が多いです。空港のスタッフと聞くと華やかなイメージが浮かびますが、大きな荷物を預かるなど体力も求められます。海外からのお客さんも案内するため、語学力をつけておくとよいでしょう。
美容系の仕事
美容系の仕事では、美容に関する専門的な施術やサービスを提供します。お客さんからアドバイスを求められるなど、専門的な知識とコミュニケーション力が必要な職種です。人気の美容系の仕事には、次のようなものがあります。
- 美容部員
- 美容師
- メイクアップアーティスト
美容部員
「美容部員」は、コスメブランドの店舗や百貨店・専門店の化粧品売り場でコスメやスキンケアアイテムを販売する仕事です。「ビューティーアドバイザー(BA)」と呼ばれることもあります。美容部員は、お客さんの好みや悩んでいることを聞いてカウンセリングし、実際の商品を体験してもらうタッチアップを通じてぴったりの商品を提供します。商品の陳列やレジ業務、売上管理、在庫管理業務も美容部員の仕事です。
豊富な商品のなかからお客さんに似合うものを紹介するため、美容部員には化粧品や美容に関する知識が不可欠です。自分で商品を使って魅力を伝えるためにもメイクテクニックを高めることが求められます。
コスメ検定(日本化粧品検定)や日本メイクアップ知識検定試験など美容やメイクに関する資格の取得を目指すことで、必要な知識を身につけることが可能です。
美容師
「美容師」とは、お客さんの髪の毛のカットやカラーリング、パーマ、セットなどによってヘアスタイルを整える仕事です。
ネイルやメイク、着物の着付けに関する資格を取得し、トータルビューティーとしてサービスを提供している人もいます。流行のヘアスタイルを見極め、SNSを活用して集客をおこなうなど、お客さんを集めるための工夫も欠かせません。技術が高く理想的なヘアスタイルを叶えてくれる美容師さんのもとには、遠方からお客さんが足を運んでくれることもあります。
美容師になるためには、所定の養成施設で決まった一定期間学び、国家資格の美容師免許を取得する必要があります。
メイクアップアーティスト
「メイクアップアーティスト」は、主にタレントやモデル、俳優などメディアやショーに出る人に、プロとしてメイクをする職業です。またブライダルサロンに所属するなど、特別な日を迎える人に対してメイクをおこなう仕事もあります。カウンセリング、ヘアスタイリング、メイクアップを通じてその人の個性や魅力を引き出し、より美しく演出することが求められます。
メイクアップアーティストの国家資格はありませんが、人にヘアセットやメイクアップをおこなうためには美容師免許が必要です。美容専門学校などに通って美容師免許の取得を目指すことが、メイクアップアーティストへの第一歩となるでしょう。
飲食・サービス系の仕事
レストランや居酒屋などを展開し、飲食を提供する飲食・サービス業界には、さまざまな種類の仕事があります。昇格制度が用意されており、少しずつステップアップできる可能性が高いのも特徴です。
- ホールスタッフ
- シェフ
- バリスタ
- フードコーディネーター
ホールスタッフ
「ホールスタッフ」は、飲食店で主に接客業務を担当します。ホールスタッフはお客さんを席に案内してオーダーをとり、料理を提供するため、お店でのお客さんの体験に大きく関わることができる仕事です。
言葉遣いや立ち振る舞い、コミュニケーション能力など、接客スキルの基本を身につけることができます。ホールスタッフから昇格し、フロアリーダーや店長へとステップアップする人もいるようです。
シェフ
「シェフ」は、ホテルやレストランなどの厨房を仕切る料理長のことをいいます。調理を担当する料理人たちを統括し、お客さんに喜ばれる料理を提供します。食材を仕入れてメニューを考案し、調理や味つけをチェックするのが主な仕事です。
まずは料理人として修行をつみ、自分の店を持つことを目指す人が多いです。シェフになりたいと考えている方は、専門学校に通ったり、実務経験を積んで試験を受けたりし、調理師免許を取得しましょう。
バリスタ
「バリスタ」は、エスプレッソを中心としたコーヒーを調製・提供する専門家です。
業務内容は、コーヒー豆の選定・焙煎やコーヒーの抽出、お客様へのサービス、メニュー開発・イベント企画などさまざまです。
バリスタになるには、コーヒーに関する知識を深め、実際に働いて経験を積むことが大切です。専門的な知識や技術を身に付けるために、専門学校に通いながらSCAJ コーヒーマイスターなどのバリスタになるための民間資格を取得することもおすすめです。
フードコーディネーター
「フードコーディネーター」は、一般的に「食」に関するあらゆる業務を担当する専門職を指します。食や栄養に関する幅広い知識をもち、コンビニやスーパーなどの新商品やレストランのメニューを開発したり、料理のイメージに合う食器やテーブルクロスなどの演出を提案したりします。活躍の場は、企業や飲食店、料理教室などさまざまです。
フードコーディネーターになるには、フードコーディネーター資格認定試験を受けて合格する必要があります。大学や専門学校で食に関する専門知識を学び、資格取得を目指すとよいでしょう。
運輸・鉄道系の仕事
運輸・鉄道系は、運転をしたり機械に触れたりする機会が多い仕事です。直接乗り物を運転する職種のほかに、安全を支える仕事もあります。具体的な職種には、次のようなものがあります。
- 鉄道会社社員
- トラック運転手
- 通関士
鉄道会社社員
「鉄道会社社員」は、日々安全に鉄道を運行するためにさまざまな業務をおこなっています。鉄道会社で働く人は、主に「事務職」「技術職」「現場職」の3つに分けられます。事務職は鉄道会社の本社や支社に勤務し、一般的な事務作業に加えて運行ダイヤの考案や駅・鉄道構内でのサービス内容について考えます。
技術職は、各設備の点検やメンテナンスをおこなう仕事です。現場職は、主に駅係員や運転士、車掌として働きます。特に鉄道の運転士になるには、鉄道会社の採用試験に合格して入社した後、適性検査を受験して養成所に入り、訓練を受けて動力車操縦者運転免許試験を受験するという長い道のりをクリアしなければなりません。まずは高校や大学を卒業し、鉄道会社への就職を目指しましょう。
トラック運転手
「トラック運転手」は、貨物を目的地まで輸送する仕事です。勤める運輸会社や輸送する貨物によって仕事内容は異なる場合があります。貨物の輸送だけでなく車両のメンテナンスや伝票作成、梱包作業などの業務もあります。
トラック運転手になるには運転免許が必要で、取得免許によって扱えるトラックが異なります。いずれドライバーをまとめる役職に就きたいと考えている人は、国家資格の運行管理者試験を取得することでシフト管理や安全指導をおこなえるようになります。
通関士
「通関士」は、物品の輸出や輸入に必要な書類の作成や手続きを代行する仕事です。業務では通関書類の作成や通関手続きのほか、申請が許可されなかった場合の不服申し立てなどをおこないます。
書類をチェックするだけでなく、取引する品物が法令や規制に反するものではないか、関税や消費税が発生するかどうかといった審査をおこなうのも通関士の仕事です。通関士になるには、通関士試験に合格する必要があります。
スポーツ・アスリート系の仕事
スポーツ・アスリート系の仕事は、アスリートやスポーツ用品店のスタッフのほか、アスリートのサポートをおこなう仕事などさまざまです。具体的には、次のような仕事があります。
- スポーツメーカー社員
- スポーツカメラマン
- スポーツトレーナー
スポーツメーカー社員
「スポーツメーカー社員」は、スポーツ用品の企画やデザイン、販売を主におこないます。プロ用のスポーツ用品から一般向けのものまで、さまざまなスポーツ用品を展開する仕事です。
どのような部署に所属するかによって業務は異なりますが、商品企画などを担当する際はスポーツ工学の知識があるとよいでしょう。アスリートが世界記録に挑むためのウェアや、スポーツを楽しんで日常生活をより豊かにするためのマテリアルを、専門知識を駆使して開発します。
スポーツメーカーの研究室や商品開発部門に勤めたいと考えている方は、大学や専門学校で専門知識を深めるのがおすすめです。
スポーツカメラマン
「スポーツカメラマン」は、世界中で開催されるスポーツ大会やスポーツイベントを中心に撮影をおこないます。
スポーツの撮影では素早い動きをズームして追わなければならないシチュエーションが多く、ほかの写真撮影よりも鋭い反応力が求められます。高度な撮影技術やスポーツに関する知識が不可欠なため、専門学校や大学などで写真や映像技術を学んでおくと就職に役立つでしょう。
新聞社や出版社で働く以外に、フリーランスのスポーツカメラマンとして活躍している人もいます。
スポーツトレーナー
「スポーツトレーナー」は、企業や各種団体に所属しアスリートのサポートをおこないます。アスリートの日々のトレーニングやコンディションの調整が主な仕事で、テーピングやアイシングなど怪我の予防や外傷の対応にも携わります。
スポーツトレーナーになるために必ず取得しなければならない資格はありませんが、柔道整復師や理学療法士といった医療系の国家資格や公認アスレティックトレーナーの資格を取得することで選手や監督から信頼されるスポーツトレーナーを目指すことができるでしょう。大学や専門学校で人体構造や運動機能、トレーニング理論、応急処置の技術などについて学び、資格の取得を目指す人が多いです。
動物・自然系の仕事
動物・自然系の仕事には、動植物を育てる仕事や知識を伝える仕事、あらゆる命がよりよく暮らせるよう研究する仕事などがあります。具体的には、次のような仕事が挙げられます。
- 気象予報士
- 水族館飼育スタッフ
- 樹木医
気象予報士
「気象予報士」は、様々な気象観測データをもとに天候を予測して公開する資格をもつ人のことです。テレビやラジオなどで天気予報を担当しているイメージが大きいですが、気象庁や民間の気象会社などに所属して活躍している気象予報士もいます。
気象予報士は自動観測機器から送られてくる情報を参考に、数時間後から数日間の天候を予測します。近年では、気象条件から予測される花粉の飛散予測や桜の開花予想、紅葉時期の予想なども需要が高いです。気象予報士になるには、国家資格が必要となります。
水族館飼育スタッフ
「水族館飼育スタッフ」は、その名の通り水族館で生き物の飼育をする仕事です。水生生物の購入や採集、飼育、健康管理から、来場者に生物の解説までおこないます。必要に応じて、生物の解剖をおこなうこともあります。
水族館飼育スタッフになるには、水産大学や水産系・海洋系・生物系の学科に進むとよいでしょう。公立の水族館に就職したい場合は、地方公務員試験にも合格する必要があります。
樹木医
「樹木医」とは、樹木の保護に関係する知識や技術をもち、樹木の病気を診断・治療・予防する仕事です。樹木は森や公園、個人宅の庭などさまざまな場所に生息しています。それぞれの樹木がかかりやすい病気や土壌に関する知識を活用し、どのような手入れや予防をしたらよいかを考えるのが、樹木医の役割です。
樹木医になるには、実務を経験した後に樹木医、樹木医補などの資格を受験する必要があります。長い道のりではありますが植物や自然が好きで、自然環境を守りたいと考えている人におすすめです。
士業系の仕事
士業とは、資格名称の末尾が「士」で終わる仕事のことを指します。
士業の業務にはその資格を持っていないと携われない独占業務があり、無資格者がこれをおこなうことは禁止されています。難易度の高い専門的な職種が多いのが特徴です。
- 弁護士
- 税理士
- 海事代理士
弁護士
「弁護士」は高度な法律知識を備えた専門家で、基本的人権の擁護と社会正義の実現という使命に基づいて、市民の利益を守る仕事です。弁護士が担当する事件は、個人の困りごとから企業間の取引まで、依頼者の求めに応じて紛争の防止や解決を目指す「民事事件」と、被疑者・被告人の権利を擁護する弁護人として働く「刑事事件」に分けられます。
弁護士になるためには司法試験に合格し1年間の司法修習を受けた後、司法修習生考試に合格する必要があります。
税理士
「税理士」は、国が認めた税務の専門家のことです。業務内容は税務代理、税務署類の作成、税務相談などで、税金の計算をして必要な手続きをおこないます。
クライアントが法人の場合、決算期に設定されていることが多い12月や3月の前後は繁忙期となるでしょう。依頼者が個人の場合は、3月の確定申告の時期も忙しくなります。税理士を目指す方は、税理士試験に合格して実務経験を2年以上積めば、税理士名簿に税理士として登録ができます。
海事代理士
「海事代理士」は海の法律家とも呼ばれ、海に関係する法的手続きや相談業務が主な仕事です。業務内容としては、船舶の登記や小型船舶操縦免許証の更新手続き、雇い入れ・雇い止めなどが挙げられます。
船員を新たに雇う「雇い入れ」と契約を更新せず雇用契約を修了させる「雇い止め」に関する手続きは、令和4年の船員法改正に伴い、海事代理士のみが代理で行える独占業務になりました。海事代理士になるには、海事代理士国家試験に合格する必要があります。
公務員の仕事
公務員は、国や地方自治体の職員として、人々のために安定した社会を作り支えることが仕事です。
公務員は国家公務員と地方公務員に大きく分けられ、そのなかでも細かく職種が分かれています。働く場所は、各省庁や裁判所、立法府から地方自治体の庁舎や警察署・消防署、学校などさまざまです。
- 都道府県職員
- 国家一般職
- 国立国会図書館職員
都道府県職員
「都道府県職員」は、都道府県の役所や公的機関で働く公務員です。例えば一般行政に関する業務では、住民票や戸籍の管理・予算や税金の管理・経理・国や市町村との連絡調整などを担当します。社会福祉に関する業務では、子ども・高齢者・体の不自由な人などへの支援を担当することもあります。
ほかにも土木担当、建築担当、機械担当などさまざまな分野に分かれており、地域によっても異なります。都道府県職員になるには、各都道府県の職員採用試験に合格する必要があります。
国家一般職
「国家一般職」は中央官庁や出先機関で働いており、国家総合職が企画立案した政策の運用や事務処理などの仕事に従事しています。
国家や国民に貢献する大きな仕事に携わることができるため、対応する特定分野についての専門知識と正確な事務処理能力が必要です。国家一般職になるためには、国家公務員試験に合格する必要があります。
国立国会図書館職員
「国立国会図書館職員」は、日本国内で出版されたすべての出版物を収集・保存している国会図書館で働いている職員のことです。国会職員という特別職の国家公務員にあたります。業務内容には国政審議に関連する調査業務のほか、国内外から集めた資料の整理、国会図書館利用者の資料探しの手伝いをする司書業務、一般事務などがあります。
国立国会図書館職員になるには、国会図書館職員採用試験に合格する必要があります。国家公務員や地方公務員試験と併願する人も多いようです。
世の中の仕事から「就職してよかった」と思える職種を見つける方法
せっかく仕事に就くなら、「就いてよかった」と思える職種を見つけたいと思う人も多いでしょう。自分に合う仕事を見つけたいときは、次の3つをおこなったうえで就職活動に臨むのがおすすめです。
- 自己分析をおこなう
- 業界・企業研究をする
- キャリアスクールを活用する
自己分析をおこなう
「自分の強みを活かしてキャリアアップしたい!」「プライベートと両立できる仕事を見つけたい」など新しい仕事を探す理由はさまざまです。
就職や転職活動を決意したら、もう1歩踏み込んで自己分析をしてみましょう。性格やライフスタイルを含め、あらゆる点が強みとしてアピールできる可能性を秘めています。あらためて自分自身を見つめ直し、企業に伝えたいポイントとして集めていきましょう。
そのうえで、自分にとっての優先順位をはっきりさせていけば、具体的な仕事探しの目的がみえてきます。ライフプラン全体からみたキャリア構築の方向性を定めることで、就職してよかったと思える仕事に出会える可能性が高まるでしょう。
業界・企業研究をする
自分が進みたい業界や企業がみえてきたら、自分の目標ややりたいことに合っているかを考えてみましょう。
最初は幅広く調査することで市場の全体像を把握し、進みたい業界や企業を絞り込みます。そのうえでより範囲を狭め、業界ごと、企業ごとに研究をするのがおすすめです。得た知識や情報をまとめた「業界研究ノート」「企業研究ノート」を作れば、頭の中の情報を整理しやすくなり、選考前にノートを見直すことで対策もおこなえます。
キャリアスクールを活用する
未経験から新たに挑戦する業界や企業で活躍するためには、専門的な知識や技術以外にも幅広いビジネススキルが必要です。
やってみたい仕事に幅広いスキルが必要な方や、どんなスキルを身につけて仕事探しに臨めばよいかわからない方は、さまざまなコースが用意されているキャリアスクールを活用しましょう。一緒に勉強している仲間たちと交流することでモチベーションアップにもつながるため、学習を続けやすくなります。
自己分析をして「就いてよかった」と思える仕事を見つけよう
この記事では、さまざまな仕事の種類を業界別に紹介しました。初めて目にする面白そうな職種もあったのではないでしょうか。
自分に合った仕事を見つけるには、自己分析や業界・企業研究を通じて興味や優先したいことと仕事の内容をすり合わせていくのがおすすめです。それと同時に新しい仕事で必要な知識や活躍するための思考法、ビジネススキルを身につけましょう。
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