職種や業界によっては、社内・社外でプレゼンテーションを行う機会があります。プレゼンテーションは企業の利益に直結することもあるため、スキルとして優れていると評価される人材は活躍の場が広がるでしょう。
一方で、「プレゼンテーションが苦手…」「上手なプレゼンって何…?」と悩む方もいるかもしれません。
そこで今回は、プレゼンテーションに必要なスキルや成果を挙げるポイント、注意点などについて解説します。同僚や上司から適切な評価をしてもらえるプレゼンテーションのやり方を勉強したい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
プレゼンテーション能力の必要性
必要なスキルを理解する前に、まずはプレゼンテーション能力の必要性を再認識しておきましょう。シーンによっても異なりますが、一般的なビジネスシーンでは下記の通りです。
- 自社商品・サービスの魅力を理解してもらう
- 相手に適切な行動をしてもらう
- 自身が適切な評価を受ける
順番に見ていきましょう。
自社商品・サービスの魅力を理解してもらう
社外向けのプレゼンテーションでは自社の商品やサービスを魅力的に発表できるため、見込み顧客に理解してもらえる機会の一つです。スキルの高い方がプレゼンテーションを行えば、その場で契約が決まり、自社の利益向上が期待できます。
ビジネスシーンによってはサービスの将来性が期待され、企業や投資家から出資を受けられる可能性もあるでしょう。ピッチコンテストや企業コンペなどに出場する際にもプレゼンテーションスキルで結果が左右されるため、正しいやり方を学ぶことが大切です。
相手に適切な行動をしてもらう
プレゼンテーションの目的の多くは自社や個人の考え方を理解してもらい、相手に何かしらの行動を起こしてもらうことです。例えば社内のプレゼンテーションではサービス改善を目的に意見をまとめて、方針転換などを目的に上層部にプレゼンテーションを行うことがあります。
またプレゼンテーションスキルに長けている方であれば、日常的な業務の中でも伝え方が上手になり、部下や同僚などの希望する行動をとってもらえるでしょう。
自身が適切な評価を受ける
発表者自身が適切な評価を受けるためにも、プレゼンテーションスキルを磨くことは大切です。社内プレゼンテーションで説得力のある発言ができると、同僚や上司からの高い評価が期待できます。社外向けのプレゼンテーションで出資や新規契約などの成果を挙げられると、自身のキャリアアップにもつながるでしょう。
プレゼンテーションで結果を出せる人材は重宝される傾向があるので、スキルを身につけて会社に貢献できることを目指しましょう。
プレゼンテーションに必要なスキル
それではプレゼンテーションに必要なスキルを紹介します。プレゼンテーションの目的や人によっても異なりますが、まずは下記の知識を学んでみてください。
- 論理的思考
- 資料作成
- リサーチ能力
- 人を惹きつける話し方
それぞれ順番に解説します。
論理的思考
論理的思考とは簡単にいうと、物事をわかりやすく考える思考法を指します。プレゼンテーションでは多くの情報を相手に伝えるため、聞き手が理解しやすい構成や話し方を学ぶことが大切です。
プレゼンテーションでの伝え方にはさまざまな方法が存在しますが、慣れていない方は「PREP法」を意識して発表するとよいでしょう。具体的には下記の通りです。
- P(Point):結論
伝える内容・プレゼンテーションの結論 - R(Reason):理由
結論が大切な理由 - E(Example);具体例
データなどを提示して、内容の信ぴょう性を高める - P(Ponit):結論
したがって結論が大切だと再度伝える
結論を先に伝えることで、「今から〇〇(結論)について話をするんだな」と相手が理解してくれます。プレゼンテーションの趣旨が脱線しないためにも、話す内容を整理して聞き手が理解しやすい話し方で発表を行ってください。
資料作成
プレゼンテーションでは、スライド資料や動画資料などを活用して発表を行うことが一般的です。関連するデータや情報をグラフなどで可視化して伝えることで、相手に内容をより詳しく伝えることが可能になります。例えば自社と競合他社の商品の違いをマトリクスを用いて解説すると、業界におけるポジションや魅力が視覚的に理解できるでしょう。
スライド資料などは多くの情報を端的に伝える手段なので、プレゼンテーションを行う方は読み手が理解しやすい資料の作り方を勉強してみましょう。
下記の記事ではプレゼンテーション資料の作り方やコツなどについて解説しています。スライドデザインのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
リサーチ能力
聞き手の興味や関心を理解してプレゼンテーションを行うには、事前にリサーチを行う必要があります。相手がプレゼンテーションを聴く背景や期待する内容などを調査して、適切な内容を考えましょう。
プレゼンテーションに参加する方には、自身でも気づいていない潜在的な課題やニーズが存在する可能性があります。それらにアプローチできると、自社の商品やサービスに興味を抱いてくれる確率は高くなるでしょう。
したがってプレゼンテーションを行う際はニーズ調査やアンケート調査などを実施して、聞き手が求める内容を分析してください。
人を惹きつける話し方
聞き手の関心を持続させるには、人を惹きつける話し方を学ぶことが大切です。具体的には明瞭で聞き取りやすい発音や適切な声のトーン、話す速度などが該当します。またプレゼンシーンによっては、声の抑揚も重要になるでしょう。
ただ資料を読み上げるだけで相手の興味を惹きつけることは難しく、プレゼンテーションの途中で聞き手の集中力が切れる可能性があります。自分たちが伝える情報を相手にイメージしてもらうためにも、話し方には細心の注意を払いましょう。
下記の記事では、プレゼンテーションで人を惹きつける話し方のポイントについて解説しています。詳しいやり方を知りたい方は、こちらも参考にしてください。
スキルを活用してプレゼンテーションで成果を挙げるポイント
前述では、プレゼンテーションに必要なスキルについて解説しました。しかし、「プレゼンテーションで成果を出すには何が大切なんだろう?」と悩む方もいるかもしれません。
ここからは、スキルを活用してプレゼンテーションで成果を挙げるポイントを見ていきましょう。具体的には下記の通りです。
- 相手の目を見て話す
- 適切な構成を作成する
- 導入で聞き手の心を掴む
- ストーリー性を意識する
- リハーサルを行う
人によっても異なりますが一般的には上記の通りです。順番に解説します。
相手の目を見て話す
プレゼンテーションを行う際は、相手の目を見て話すことが大切です。視線を向けることで、「自分に関係ある話だな」と感じてもらえるため、内容をより注意深く聞いてくれるでしょう。資料を見ながらプレゼンテーションを行うと声が聞きにくくなり、雰囲気が悪くなる可能性があります。
大人数の前でプレゼンテーションを行う際も同様に、参加者の目を見て情報を伝えることを意識してみてください。またオンラインでプレゼンテーションを行う場合は、カメラ目線を意識しましょう。
適切な構成を作成する
プレゼンテーションの内容を相手に理解してもらうには、わかりやすい構成を意識する必要があります。話す順番はプレゼンテーションにおいて非常に大切なので、適切な構成で発表を進めましょう。
人によっても異なりますが、「PREP法」や「AIDMAの法則」に則って構成を作ることが有効と考えられます。紹介する商品やプレゼンテーションの目的によっては、「PASONAの法則」なども活用できるでしょう。
ビジネスで使用されるフレームワークを利用できることは多いので、話す順番がわからない方は既存のフレームを使ってみてください。
導入で聞き手の心を掴む
関心をもって話を最後まで聞いてもらうには、プレゼンテーションの最初の数分で聞き手の興味を掴むことが大切です。例えばTEDで行われた次世代型デバイス「AIR PIN」のプレゼンテーションでは、冒頭の約3分のところで商品のレクチャーを行い、視聴者を驚かせていることがわかります。
またプレゼンテーションの前半で聞き手の悩みや課題を言い当て話に引き込むスタイルもしばしば見られます。自社の話をより深く理解してもらうためにも、プレゼンテーションの導入部分には細心の注意を払いましょう。
ストーリー性を意識する
ストーリー性のあるプレゼンテーションが行えると、話の内容が聞き手の記憶に残りやすくなります。物語は相手の感情に訴えかけられる伝え方の一つなので、視聴者の共感率も高くなるでしょう。
例えば商品の開発秘話や背景をストーリーとして伝えることで、自社のファンになってくれる人が存在します。サービスを利用するユーザーのメリットを物語で伝えると、相手は導入するイメージをしやすくなるでしょう。
聞き手の関心を持続するためにも単なる情報の羅列ではなく、相手の心に残るプレゼンテーションを考えてみてください。
リハーサルを行う
本番前には必ずリハーサルを行いましょう。話す内容の確認も大切ですが、使用するパソコンやスライド資料、マイクなどの音響設備のチェックも含めて事前演習をしてください。本番中に機材トラブルが発生すると話せる時間が短くなり、内容が伝わり切らない可能性があります。
不測の事態は聞き手からの評価を下げる要因にもなるので、適切な準備をしてプレゼンテーションを開始しましょう。
プレゼンテーション能力を活かせない事例
ここからは、プレゼンテーション能力をうまく活かせない事例を紹介します。
- 自社の魅力だけを伝える
- フィーラー表現が多い
- 冗長な話が多い
- 資料が見にくい
プレゼンテーションで成果を挙げたい方は、上記の項目には注意しましょう。
自社の魅力だけを伝える
自社の魅力だけを伝えるプレゼンテーションは、聞き手の興味を掴めない可能性があります。理由は、相手が自分ごとだと考えられないからです。例えばクラウド型のサービスを開発してプレゼンテーションを社外向けに行う場合、サービスを導入したことによる顧客のメリットを伝えることが重要です。
機能などの魅力だけを伝えても活用方法を相手が理解できなくては、成果が出る可能性は低いと考えられます。したがってプレゼンテーションを行う際は、聞き手にとっての魅力を伝えることが大切です。
フィーラー表現が多い
フィーラー表現とは、話の中に生じる意味のない言葉のことです。簡単にいうと、「あのー」「えー」「えーと」などのワードなどが挙げられます。フィーラー表現が多くなると聞き手は不快感を抱き、内容に集中できない可能性があります。
緊張して無駄な言葉が出てしまう方は、事前にリハーサルを行って極力フィーラー表現を減らす工夫を行いましょう。
冗長な話が多い
冗長とは簡単にいうと、無駄に長い話し方や述べ方を意味します。前述のフィーラー表現とは異なり、前置きが長くなったり、結論に至るまでの内容が多くなったりすることが挙げられます。必要のない話が多くなると聞き手の集中力が削がれるので、発表する際は注意しましょう。
また話し方だけではなくスライド資料などでも、「利用することができます」などは「利用できます」「ご利用可能です」と簡略化することが大切です。必要のない話や言葉は極力減らし、シンプルな表現を意識してください。
資料が見にくい
見にくいスライド資料を作成してしまうことも、プレゼンテーションでの注意点の一つです。魅力的な話し方だけを勉強しても資料の質が低いと、聞き手は内容の理解に苦しみます。そのためテキストや配色が多すぎる資料ではなく、シンプルで簡潔なスライドを作成することが大切です。
デザイナーのようなおしゃれなスライド資料でなくても問題ないので、適切な資料の作成方法は勉強しておきましょう。
プレゼンテーションスキルを向上させる方法
プレゼンテーションのスキルを上達させるなら、下記の方法を参考にしてみましょう。
- 上級者のやり方を分析する
- 練習を繰り返す
それぞれ順に解説します。
上級者のやり方を分析する
プレゼンテーションでの発表方法は、人それぞれです。しかし上級者のやり方を分析することで、自分にあったやり方が見つかるかもしれません。例えば世界中の講演会を配信しているYouTubeチャンネル「TED」では、著名人のプレゼンテーションを無料で視聴することが可能です。日本の方も出演されているので参考になるでしょう。
話し方だけではなく資料の作り方や内容の構成なども勉強して、プレゼンテーションスキルを上達させましょう。
練習を繰り返す
どれだけスキルを勉強しても、練習に勝る上達方法はありません。そのためプレゼンテーションの練習風景を録画して、自身の改善点を見つけることが大切です。プレゼンテーションで成果を挙げている多くの方は、入念な準備をしているといわれています。聞き手の人物像をしっかりとイメージして、本番までにできる限りの練習を行いましょう。
プレゼンテーションスキルに関するよくある質問
最後に、プレゼンテーションのスキルに関するよくある質問を紹介します。
プレゼン能力が高い人の特徴は?
人によっても異なりますが、コミュニケーション能力が高い方や、論理的思考が得意な方が該当すると考えられます。また人前で話すことに抵抗がない方も、プレゼンテーションで成果を挙げられる可能性があるでしょう。
トレーニングでプレゼンは上達する?
多くの場合、スキルを学び練習を繰り返すことでプレゼンテーション能力は上達します。経験を重ねることで人前での発表にも慣れてくるでしょう。
ただし事前に練習をしないとスキルの向上は難しいかもしれません。そのためプレゼンテーションで成果を挙げたい方は、自分なりの上達方法を見つけることが大切です。
必要なスキルを身につけてプレゼンテーションで成果を出そう!
プレゼンテーションで成果を挙げるには、話し方だけではなく資料の作り方や内容の構成なども大切になります。必要なスキルを学び練習を行い、自社に貢献できるプレゼンテーション能力を身につけましょう。
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