マーケティング検定1級・2級・3級の難易度は?おすすめの勉強方法も解説

マーケティング検定1級・2級・3級の難易度は?おすすめの勉強方法も解説

マーケティング検定は、マーケティング能力を測るための民間検定です。難易度は3級・2級・1級と各等級によって異なり、マーケティングの基本概念の習熟度から、マーケティング業務のリーダーとして活躍できる応用力まで測定されます。

3級・2級は受検資格に制限はなく、未経験者でも挑戦可能です。これからマーケティング職に就きたい方は、検定を通して知識を身につけておくと採用で有利に働くこともあるでしょう。本記事ではマーケティング検定の難易度や合格率、各等級におすすめの参考書や勉強方法などを解説します。

マーケティング検定とは

マーケティング検定とは

マーケティング検定*1」とは、マーケティング能力を測定するための検定試験です。内閣府に認定されている民間検定であり、公益社団法人日本マーケティング協会が主催しています。

等級は1級・2級・3級とレベル別に構成されており、初心者から実務経験者まで受検者層はさまざまです。問題内容はマーケティングに関する重要な概念の基礎・応用から、実践的な思考力を測るものまであります。

試験は全国各地のテストセンターで受検できるCBT(Computer Based Testing)というプラットフォームを採用しており、オンラインでもオフラインでも受検可能です。

【等級別】マーケティング検定の概要一覧

マーケティング検定の等級は、1級から3級まであります。3級はマーケティングに関する基本的な概念の習熟度を測定し、2級は3級より範囲の広い基礎概念から応用までの理解度・習熟度を測ります。

1級は「他企業からスカウトされるほどの実力があるマーケティング・リーダー」を基準とした応用力が試されるため、難易度が高いです。合格基準が得点だけではなく「受検者全体の上位20%」という条件が入るので、他の等級と比較して合格の難易度がさらに上がるといえるでしょう。

難易度受検資格合格率合格基準受検料
1級「他企業からスカウトされるほどの実力があるマーケティング・リーダー」を基準とした、
マーケティングの応用力を測定
マーケティング検定2級試験の合格者20.4%(2022年)400満点の60%程度の得点かつ、
受検者全体の上位20%
一般:14,850円
日本マーケティング協会会員者:13,750円
学生:13,750円
2級「社会で活躍するマーケターとして認定できる実力」を基準に、
マーケティングの基礎概念から応用までの理解度・習熟度を測定
どなたでも受検可能正答率70%以上一般:9,460円
日本マーケティング協会会員者:8,360円
学生:8,360円
3級これからマーケティングに触れる方を中心に、
マーケティングの基本の習熟度を測定
どなたでも受検可能正答率70%以上一般:6,600円
日本マーケティング協会会員者:5,500円
学生:5,500円

マーケティング検定を取得するメリット・デメリット

マーケティング検定を受検するにあたり、資格取得のメリットとデメリットを把握しておくことは重要です。ここでは、マーケティング検定を取得するメリット・デメリットを順番に解説します。

メリット

  • マーケティングの基本を体系的に学べる
  • 客観的なスキルの証明になる
  • 習得した知識をマーケティングの現場で生かせる

マーケティング検定を取得する過程では、マーケティングの知識を体系的に学べます。これからマーケティングについて学びたい方は、資格取得をひとつの目標にすると、学習が進めやすくなるでしょう。資格取得はスキルの客観的な証明にもつながるため、就職や転職活動でアピールポイントになります。

また、マーケティング実務経験者にとっては、検定の内容が業務で役立つことも少なくありません。実務で知識を活かしてより良い実績を残せば、社内で評価される可能性も。マーケティング検定の取得は、未経験者にとっても実務経験者にとっても、メリットがあるのです。

デメリット

  • 参考書や受検料などのコストが必要
  • 継続的な学習が必要不可欠
  • 知識の習得はできるが実務経験は積めない

マーケティング検定の取得には、時間と費用がかかります。仕事やプライベートと両立して勉強時間を確保する必要があり、忙しい学生や社会人にとっては負担になりかねません。資格取得には、継続的な学習が必要不可欠です。長期にわたって時間を確保しなければならない点は、デメリットになることもあるでしょう。

また、マーケティング分野は実力が問われる職種でもあります。知識を身につけただけでは、現場で活かしきれないことも。資格取得後に学んだ知識をどのように活かすかが重要です。

【マーケティング検定3級】概要・難易度と勉強方法

マーケティング検定3級は、マーケティングの基礎を習得したい方や、これからマーケティング業に関わりたい方におすすめの検定です。ここでは、試験概要と難易度・合格基準のほか、テキストやオンライン学習システムを使ったおすすめの勉強方法を紹介します。

試験概要

マーケティング検定3級は、出題範囲である10の領域から、マーケティングに関する基礎・応用知識の習熟度を測る選択問題が出題されます。問題数は30問、試験時間は60分です。

受検条件どなたでも受検可能
試験形式多肢選択式(CBT試験)
問題数30問
試験時間60分
試験内容マーケティングに関する重要な概念
・基本概念
・市場環境
・戦略的マーケティング
・マーケティング・リサーチ
・消費者行動
・製品戦略
・価格戦略
・コミュニケーション戦略
・チャネル戦略
・サービス・マーケティング
の基礎・応用問題
受検料一般:6,600円
日本マーケティング協会会員者:5,500円
学生:5,500円

難易度・合格基準

マーケティング検定3級は、マーケティングに関わる方を対象とした、マーケティングの基本の習熟度を測定する試験です。もちろん、「これからマーケティング業に就職・転職したい」と考えている方も、受検の対象となります。

マーケティングの概念に関する選択式問題30問のうち、正答率70%以上で合格です。合格率は公開されていません。合格すると、認定証の発行を申請できます。

問題では日常生活で学ぶ機会のない、マーケティングの基礎知識が問われるため、勉強時間の確保が必須です。誰でも挑戦できますが、マーケティングについて学んだことがない方は、後述する「おすすめの勉強方法」を参考に学習を進めてみてください。

おすすめの勉強方法

マーケティング検定3級では、参考書と公式問題集を使った学習が推奨されています。ここでは、公式テキストについて詳しく見ていきましょう。

内閣府認定 マーケティング検定3級試験 公式問題集&解説

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こちらの公式問題集とともに、参考図書「ベーシック・マーケティング」を参考にすることで、マーケティングの基礎知識をつけられるでしょう。

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また、マーケティング検定の公式サイトでも、3級試験の模擬テストを受けられます。問題数は10問と少なめですが、3級の試験内容を想定した問題が出題されるため、本番を想定した練習が可能です。

さらに効率的に学びたい方には、eラーニング講座の受講をおすすめします。eラーニングとは、パソコンやスマートフォンを使って学べるオンライン学習システムのこと。オンライン講義を受講し、各章のテストを実施することで、マーケティング検定3級試験の出題範囲(全9章)を効率的に学べます。動画は3分ごとに区切られているため、隙間時間を使って勉強を進めるのに最適です。

【マーケティング検定2級】概要・難易度と勉強方法

マーケティング検定2級は、3級よりも試験範囲が広く、マーケティングの概念の理解度・習熟度を測ります。2級合格者は「Advanced Marketer」と認定され、資格者名簿に掲載されるため、マーケティングスキルのアピールがしやすくなるでしょう。ここでは、マーケティング検定2級の試験概要・難易度と勉強方法を紹介します。

試験概要

マーケティング検定2級も3級と同様、マーケティングに関する概念の習熟度を測る多肢選択式問題です。出題範囲は16領域あります。3級より試験範囲は広く、問題数は多いです。

受検条件どなたでも受検可能
試験形式多肢選択式(CBT試験)
問題数40問
試験時間90分
試験内容マーケティングに関する重要な概念
1. マーケティング・マネジメント
2. マーケティング環境の分析
3. 資源配分と製品ポートフォリオ管理
4. マーケティング組織のデザイン
5. 産業と競争の構造
6. 消費者行動の分析
7. 価格設定のデザイン
8. 製品開発と顧客価値
9. ブランド・マネジメント
10. マーケティング・コミュニケーション
11. サプライチェーン・マネジメント
12. 顧客関係マネジメント
13. サービス・マーケティング
14. 生産財(B to B)マーケティング
15. ソーシャル・マーケティング
16. グローバル・マーケティング
の基礎・応用知識
受検料一般:9,460円
日本マーケティング協会会社員:8,360円
学生:8,360円

難易度・合格基準

マーケティング検定2級では「社会で活躍するマーケターとして認定できる実力」を基準に、マーケティングの基礎概念から応用までの理解度・習熟度を測定します。合格基準は正答率70%以上で、合格率は公開されていません。

誰でも試験を受けられるので、3級を飛ばして2級から受検することも可能です。しかし、マーケティング検定2級は出題範囲は16分野と幅広く、マーケティング業務に関わっている方でも勉強が欠かせません。実際に受検した方の口コミを見ると「勉強方法は問題集で足りるけど、難しかった」「試験範囲が広い」などの声が多く見られました。

試験範囲の広さから3級よりも勉強時間が必要ですが、合格すると「Advanced Marketer」の資格認定を受けられ、資格者名簿に掲載されます。オープンバッジ(デジタル証明書)が交付されるので、電子履歴書や転職サイトに登録することが可能です。

おすすめの勉強方法

マーケティング検定2級の基本的な試験対策は、公式問題集上下巻の学習です。公式問題集と参考書を活用し、合格に向けて勉強することをおすすめします。ここでは、公式から推奨されているテキストを詳しく見ていきましょう。

内閣府認定 マーケティング検定2級試験 公式問題集&解説 上巻・下巻

2級対策用の公式問題集は上巻・下巻それぞれ300ページ以上あり、価格は1冊5,500円(税込)です。この2冊を中心に学習することで、試験範囲を網羅的に学べます。

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ほか、2級試験の参考図書として、以下の3冊が紹介されています。

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こちらは検定試験の全領域を網羅しているものではありませんが、公式問題集を制作する参考図書になっている書籍です。学習の手引きとして活用すると良いでしょう。

【マーケティング検定1級】概要・難易度と勉強方法

マーケティング検定1級は受検者全体の上位20%しか合格できない、難易度の高い検定です。1級に合格すると「Marketing Specialist」の資格が認定・資格者名簿に掲載されます。ここでは、マーケティング検定1級の試験概要・難易度と勉強方法を詳しく見ていきましょう。

試験概要

マーケティング検定1級は、マーケティング検定2級合格者のみ受検可能です。多肢選択式の2級・3級と異なり、記述式の問題によりマーケティングの総合力を測定します。問題数は3題で、試験時間は120分です。

受検条件マーケティング検定2級試験の合格者
試験形式記述式(CBT試験)
問題数4題(各1000~1500字程度の問題文)
試験時間120分
試験内容マーケティングの重要概念を複合した応用問題
受検料一般:14,850円
日本マーケティング協会会員者:13,750円
学生:13,750円

難易度・合格率

マーケティング検定1級での試験は「他企業からスカウトされるほどの実力があるマーケティング・リーダー」を基準として、応用力を測定します。受験条件はマーケティング検定2級試験の合格者のみです。プロフェッショナルのマーケターとしての実力がある方、マーケティングの全般的な素養がある方の受検が推奨されています。

試験は記述式問題で構成され、マーケティングにおけるすべての領域にもとづく総合力が試される試験内容です。マーケティングの基礎から応用までの理解があることを前提として、マーケティングの実践的な思考力を測る4つの事例が出題されます。合格基準は400満点の60%程度の得点かつ、受検者全体の上位20%であることです。そのため合格率は低く、2022年度の合格率は20.4%と公開されています。

難易度の高い試験ですが、合格すると「Marketing Specialist」の資格が取得可能です。合格者にはオープンバッジ(デジタル証明書)が交付され、資格者名簿に名前が掲載されます。名刺や履歴書にオープンバッジを掲載することで、スキルの証明として活用できるでしょう。

おすすめの勉強方法

マーケティング検定1級は、2級・3級のように規定の問題集や教材がありません。試験範囲は次の書籍の内容になります。

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3冊のテキストを中心に学習することが、試験対策につながります。さらに、1級試験は2級試験問題集上下巻に記載されている内容を理解している前提で出題されるため、2級試験までの各領域の復習も欠かせません。

上記のテキストによる学習のほか、ビジネスにおけるさまざまなテーマの具体的な課題や解決策に基づいた勉強が必要になります。座学に加えて実務経験を積むのも効果的でしょう。

マーケティング検定の資格取得は意味ない?

マーケティング業務は実績が重要なため「資格取得は意味がない」と謳う声をよく見受けます。しかし、マーケティング検定を取得していると、マーケティングの知識があることを客観的に証明できるため、スキルや知識のアピールに有効です。

2級・3級は未経験から受検できるため、マーケティングに関連する業務経験がない場合でも、客観的に知識のアピールができるようになるでしょう。2級・1級合格者には、それぞれ「Advanced Marketer」「Marketing Specialist」の称号を取得できるので、名刺や履歴書に記載しやすくなります。

マーケティング検定は大手企業の新人社員教育に多数導入されており、教育の一環として認められている検定です。すでに取得した状態でエントリーすれば、選考時に有利になるでしょう。

マーケティング検定の取得も良いけど、SHElikesのマーケティングコースもおすすめ!

マーケティング検定は、未経験者から実務経験者まで幅広い層が受検可能な検定試験です。これからマーケターを目指す方も受検は可能ですが、実践で役に立つスキルの習得には、アウトプットが欠かせません。

資格取得は知識を習得する方法のひとつにすぎないため、実践的なスキルを身につけたい方は、実践の場を設けるよう意識してください。たとえば、女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)のマーケティングコースでは、知識のインプットに加えて課題を通してアウトプットする機会があります。

学んだスキルはSHEが紹介する案件を通して実務経験が積める機会もあるため、スクール内で知識の習得とスキルの定着の両方が可能です。マーケティングに興味がある方は、ぜひ一度無料体験レッスンに参加してみてはいかがでしょうか。

※参考
*1:公益社団法人日本マーケティング協会|マーケティング検定より

ABOUT ME
ライター 島田 史
美容・医療・ビジネス分野などで活動中のフリーライター。 2016年よりライター活動を始め、2019年に個人事業を開業。 保有資格を活かして美容分野を中心に、多くのwebメディア等で、執筆・記事企画・美容記事監修・撮影・取材などを担当。 保有資格:日本化粧品検定特級 コスメコンシェルジュ®︎、化粧品成分検定1級 化粧品成分上級スペシャリスト、一般社団法人 薬機法医療法規格協会YMAA認証マーク取得、など
エディター 古澤 椋子
鹿児島大学大学院水産学研究科修了。水産系社団法人にて、水産に関わる調査研究、行政との折衝などを経験したのち、水産系ベンチャーにて、広報を担当。2023年からフリーライターとして活動を始め、主にエンタメ系の記事を執筆。SHElikesでキャリア、マインド共に変化した経験から、SHEsharesのライターを務める。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。