誰もが未経験からのスタート。竹村恵美さんが独学で経営者兼エンジニアを実現できた理由

「やりたいことがあるけど、未経験だから不安」
「新しい挑戦をしたいけど、自分なんてきっと上手くいかない」
「本当にこの道が正解なのか分からない」

働き方や生き方が多様化し、選択肢が増えた現代。だからこそ、1歩を踏み出せずに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

しかし、今‘‘その道のプロ’’として活躍する人だって、最初からできたわけではありません。未経験からのスタートは、みんな同じ。

今回は未経験から経営とエンジニアリングを学び、今もなお新しい挑戦をし続ける竹村恵美さんにお話を伺いました!

※竹村さんはSHElikes卒業生ではありません。

竹村恵美さん プロフィール

株式会社Coupe代表取締役。立教大学文学部に入学し、大学3年生のときにインターンシップ先でプログラミングに出会う。その後、美容師の親友の課題解決のために「Coupe」を開発・ローンチ。2014年12月、大学4年生で株式会社Coupe設立し、「個人を輝かせる」というビジョンのもとインフルエンサーマネジメント事業も開始。2019年2月にサイバーエージェントグループへジョイン。

1.未経験から経営とエンジニアリングを学んだ方法

竹村さんの大人の魅力に取材中もドキドキです
大原

早速ですが、もともと文系でアナウンサー志望だった竹村さんがエンジニアリングを学ぼうと思ったきっかけを教えてください

竹村

学生時代、就活の一貫としてIT企業でインターンをしていたときに、アプリを作る過程に衝撃を受けたことがきっかけです。

竹村

Webサイトやアプリを作る際には、専用の言葉を使ってコンピューターに指示を出します。その指示がなければ、サイトの画面を表示させることすらできません。

でも当時の私は、黒いPC画面に並ぶカラフルな文字列によってアプリが作られているとは知らなかったんです。その後、同僚から「勉強すれば誰でもできるようになる」と聞き、「文系の私でもできるかも!」という軽い気持ちでプログラミングスクールに通うことを決めました。

大原

スクールでは何を学びましたか?

竹村

未経験でもOKのプログラミングスクールに10日間みっちり通って、Webサイトの見た目を作るフロントエンドや、ユーザーには見えないシステムを構築するバックエンドを学び、最終的にはWebサイトを作りました。
とても楽しかったですし、自分に向いているなと感じましたね。

2013年、プログラミングを始めたての頃にMySQLを学ぶ竹村さん
大原

アナウンサーからエンジニアに方向転換したのは、実際にやってみて「楽しい」「向いている」と感じたからなんですね。

竹村

実際にエンジニアリングを学ぶうちに、自分が人前に出て褒められるよりも、作ったWebサービスを使ってもらって褒められる方が嬉しいと思うようになりました

大原

「自分が何に喜びを感じるか」を知っておくと、納得感を持って働けそうです。

竹村

そうですね。スクール卒業後、もっと学ぶために別のプログラミングスクールに通おうか迷っていたのですが、インターン先の会社の人に「自分でプロダクトを作ったほうが学べるよ。それを元に就活すれば?」とアドバイスいただいて。

大原

自分のプロダクトをまず作ろう、と。

竹村

はい。試行錯誤しつつ分からないところは全部ググって、美容師の親友が抱える課題を解決するためにCoupeを完成させました。

https://coupe-tokyo.com/?utm_source=shares&utm_medium=article&utm_campaign=L700&utm_content=4929542?utm_source=shares&utm_medium=article&utm_campaign=L700&utm_content=4929542
大原

とくに初心者のうちは、自分で調べながらコードを書いてみるものの上手くいかなくて挫折してしまう人も多いと思います。竹村さんはどうして続けられたのですか?

竹村

分からない事を聞ける人が近くにいたから、ですね。インターン先の会社のエンジニアとか、プログラミングスクールの先生とか。

先生とはFacebookで個人的に繋がって、知りたい情報がヒットするググり方をがめつく聞いてました。(笑)

大原

その後、竹村さん主導でCoupeの経営も始められたんですよね。

竹村

はい。でも経営は6年経った今でも正解がわからなくて。
論理的に考えるのが超苦手なので感性でやってきました。(笑)

2015年の「お願い!ランキング」でプレゼンし、高評価をいただいたそう。
大原

経営を感性で!?エンジニアリングと経営を実践しながら学ぶうえで、どう両立されたのですか?

竹村

「私にはできない」と思ったら、得意な人に任せる。私は自分の感性を信じて得意なことだけをやる。そう決めてから、エンジニアと経営を両立できるようになりました。

始めはぜんぶ自分ひとりでやろうと奮闘して押し潰された時期もありましたが、色々な壁にぶつかった結果、それぞれの「得意」を活かした方が良いものを作れると分かったんです。

大原

感性だけを信じ抜くのは怖いなと思ってしまうのですが……。

竹村

私は怖くないです。むしろ、感性にしか自信がない。

……とはいっても自信が持てなくなるときもあります。そんなときは、私の感性をたくさん褒めてくれる人に会いに行くんです。そしたらまた自分を信じられるようになる。

大原

すごく良い方法ですね。真似します!

2.まずは身近な問題解決から。どん底があっての今

お金がなくなる、人がいなくなる、株主に詰められる。‘‘スタートアップあるある’’は一通り経験したそう
大原

これまでで1番大きかった壁を教えてください。

竹村

創業の半年後に共同創業者が辞めたことです。

お互いに「就活のため」というモチベーションで事業を始めたので、想像していた「経営」と「現実」のギャップに苦しみました。私はかろうじてプログラミングができましたが、その子にはまだスキルがなかったので相当辛かったと思います。

大原

スキルがない中で事業に関わるすべての業務を背負うのは、体力的にも精神的にも辛いですね……。

竹村

「こんなに仲が良い人と働けないなら、私は誰とも働けない」と思って、2年くらいショックを引きずりました。

3年目にはお金が尽きてメンタルが落ち込み、1ヶ月働けない期間もありましたし、不眠がちでゲームしかしていなかった時期もあります。ゼルダの伝説には助けられました。(笑)

大原

そこからどうやって気持ちを切り替えましたか?

竹村

4年目に投資家や採用したメンバー(現取締役)が一緒に頑張ってくれたおかげで、会社が劇的に変わったんです。

共同創業者がいなくなってからずっと自信を持てずにいたのですが、みんなのおかげで次第に自信を取り戻しました。色々ありましたが、これで良かったと今は思えています。

2019年12月14日、Coupe5周年。
大原

お話を伺っていて、「ご自身と、一緒に働く仲間を信じていらっしゃるのだな」と感じました。

竹村

私自身は経営に対してのプライドがないので、わからないことは素直に相談して、とにかく仲間や先輩を頼ります。

感性を信じて進み続けられるのは、私が不得意なことを得意としている仲間や、困ったときに助けてくれる先輩方がいるからですね。

大原

自分を信じてくれる人が1人でもいると、強くなれますよね。
これまでたくさんの大きな壁があったと思うのですが、竹村さんご自身としてはどんな気持ちを原動力にされてきたのですか?

竹村

最初は、親友の悩みを解決するために「美容師がサロンモデルをもっと簡単に探せるようにしたい」という気持ちで続けていました。

休日も外でモデルハントをしなければならない美容師の状況があまりにも過酷でしたし、モデル側もなかなか仕事が得られない状況だったので、両者の問題を解決したかった。そこのマッチング自体は創業から2~3年で達成できました。

Coupeには、数多くのサロンモデルが在籍。
大原

最初は身近な問題解決から始めたんですね。

竹村

その次は、「起業家としてexitしたい」という気持ちで続けていました。問題解決は達成できたものの、ビジネス的にはまだ成功できていなかったんです。

お世話になった投資家の方々にきちんとお返しをしたいという思いで奮迅し、結果的にサイバーエージェントの子会社にしていただくことができました。

大原

得意ではないと仰っている経営に対しても、そこまで向き合えるなんて素敵です。

竹村

「投資家へ恩返ししたい」というモチベーション以外にも、女性起業家としてふわふわしているように見られたり、「起業家としては成功してない」と思われたりすることが嫌だったんです。

実際に「ファッション起業(笑)」と言われることもありました。だから上場か売却は絶対にしたかったんです。

2019年2月、サイバーエージェントグループにジョイン。
大原

今はどういったモチベーションで続けられているのですか?

竹村

今は、会社に所属するインフルエンサーのファンの皆さんに喜んでもらうこと。育成したモデルのファンの方から「配信を見るために1日楽しみに待っているんです」という声が届くと、私にしかできなかったことだと思えますし、本当に嬉しいんです。

3.「次は動画編集も!」自分の‘‘好き’’を貫いて、令和のエンタメカンパニーを作る

大原

竹村さんがこれから挑戦したいことを教えてください。

竹村

Coupeに所属しているメンバーを集めて作ったグループYoutuber、ライブ配信やTikTokを頑張っているメンバーと共に、「令和のエンタメカンパニー」と「次世代の芸能」を作っていきたいです。

全員サロンモデルの5人組Youtuber・真夜中の12時、通称「まよじゅー」
大原

個人が活躍できる時代とはいえ、インフルエンサーのみなさんもひとりで活動し続けるのは大変ですもんね。

竹村

今まではオーディションを受けて芸能事務所に入り、売り出されないと芸能人にはなれなかったじゃないですか。

でも今はスマホから芸能人が生まれる時代。

彼らがひとりで活動するには限界があるので、フローを整えて一人で頑張ろうとしているインフルエンサーを組織的にサポートしたいですね。

大原

ちなみに竹村さんご自身の個人的なビジョンはありますか?

竹村

私自身はクリエイティブスキルを極めたいです。

実は、会社に所属するグループYouTuberのチャンネルの動画編集チームに入って実際に編集もしているんですよ。

モデルの良さを引き出す編集をしたいから、外注はしない。作ることがやっぱり好きだし、経営以上に向いていると思います!(笑)

熱い結末になったドッキリ。実はちょっと泣きかけました。
大原

お忙しい中で、動画編集をどうやって学ばれたんですか?

竹村

昨年の夏にYouTubeのプロジェクトを立ち上げて、YouTubeのプロフェッショナルの方に脚本から企画、編集方法までまるっと教えていただきました。

「今を逃したら絶対引き受けてもらえない」と思うくらいすごい方だったので、その方にスケジュールを全部合わせたんです。

大原

「今この瞬間にやらなくては!」というタイミングを逃さず行動されているところが素敵です。

竹村

11月と12月はその方にべったりくっついて、やり方を見つつひたすら手を動かして、分からないところはとにかく聞いて。そのおかげである程度の編集はできるようになりました。

大原

エンジニアリングを学んだときと勉強方法は変わっていないんですね。

竹村

たしかに!(笑)

4.自分の感性を信じ、仲間と支え合って挑戦しよう

常に新しい挑戦をし続ける姿がかっこいいです。
大原

さいごに、未経験から新しい分野に挑戦したいと思っている方へ向けてメッセージをお願いします。

竹村

未経験から新しい分野に挑戦するうえで一番難しいのは継続。

だから、まずはメンターを見つけることをオススメします。そして、その人のやり方を徹底的に真似してみてください。その中で自分に合ったやり方や、本当にやりたいことが自ずと見えてくるはずです。

そこまで継続できないなら、本当はやりたくないんじゃないかな。やりたくないならやるべきじゃないと私は思います。

大原

現代では自他の境目が曖昧になってきているので、単に「やるべきだ」と思い込んでいるだけの可能性もありますよね。

竹村

あとは、自分の感性を信じてほしいです。
感性が優れている女性のなかには、戦略性のなさに不安を抱いてやりたいことを諦めてしまう方もいるのですが、女性の感性を大事にしたほうが上手くいく事業は絶対にあります。

だから、全部ひとりでやると身構えず、興味のあることから気軽に始めてみてほしいな。ひとりでできないなら、チームを作ればいいんです。できない分野は得意な人にお願いしましょう。

大原

私自身、ものすごく勇気をいただきました。感性を活かして仕事をしたい人にとっては、希望が湧いてくるエピソードがたくさんあったんじゃないかなと思います。
竹村さん、今日は本当にありがとうございました!

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。