「広い世界で生きたい」
ずっと、そう思っていました。
でも、ずっと、できませんでした。
「私には無理だから」
これは私が十何年も言ってきた口癖です。 いや、口癖というより、呪いに近かったかもしれません。そんな呪いは、長い間、狭くて暗い地下室に私を閉じ込めてきたようでした。
あるとき、鏡に映った自分の顔を見て、ショックを受けました。「私なんか…」と今にも言い出しそうなくらい、諦めたような顔をしていたからです。
「こんな私で、これからの人生を過ごさないといけないの…?」
そんな私が30歳になったときでした。呪いを抜け出すきっかけになる場所にたどり着いたのです。
ようやく見つけた「本当にやりたいことを話せる場所」
昔から書くのが好きでした。中学生の頃には、思いのままに書いた作文が地域のコンテストで入賞したこともあります。
一方で、不器用な私は高校の部活や大学時代のアルバイトで注意されることが多く、「社会になじめない」と感じるようになりました。
大学最後の年。「書く仕事をやってみたい」という思いはありましたが、すぐに「私には無理」が頭をよぎり、その思いは心の奥へ押し込まれていきました。
考えた末に臨床心理士の道を選び、気づけば働き始めて5年が経ちました。「いい仕事をしている」と評価されることもあり、この仕事を選んでよかったと思っています。
一方で、別の思いも出てきました。「エッセイを書いて、自分の言葉を届けたい」と思うようになったのです。
そんなときに偶然見つけたのが、女性向けオンラインキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」の無料体験レッスンでした。
無料体験の後半、二人の受講生と話す時間がありました。「好き」を仕事にした二人の話を聞いているうちに、心の奥へ押し込んでいたものが、すっと出てきました。
「私、ライターになりたいんです」
受講生の二人は、決して笑いませんでした。それどころか、私の夢を私以上に信じてくれたのです。
「こんなに安心して夢を話せる場所なら、もう一度挑戦できるかもしれない」
そう思い、SHElikesへの入会を決意しました。
仲間に出会って挑戦したのは、AIだった
SHElikesに入会して驚いたのは、受講生同士で挑戦を応援し合う雰囲気があったことです。誰かの夢を決して否定せず、どんなに小さな挑戦にも「よく頑張りました!」と拍手を送ってくれるのでした。
これまでの私にとって、挑戦は怖いものでした。 失敗したら、もっと自分を信じられなくなりそうだったからです。
でも、SHElikesの仲間は違いました。それぞれが「私には無理」と戦い、自分の夢に向かって挑戦し続けていたのです。そんな温かくも熱い仲間たちに刺激されて、挑戦したものがあります。
それが、AIです。
それまで、AIのことがなんとなく信用できませんでした。普段からカウンセリングを仕事にしている私は、「人間の脳には叶わないでしょ?」と思っていたのです。
それに、AIに任せると自分らしさを放棄することになる気がして、不安だったのです。
しかし、SHElikesの仲間は、AIとうまく付き合っていました。動画の構成案を相談したり、書きたいことを整理するために壁打ち相手にしたり。それぞれがAIをバランスよく取り入れていたのです。
「AIを使うか使わないか」ではなく、「自分らしさを残しながらどう使うか」
その姿を見るうちに、「AIを使うのは逃げではないのかも」と思えるようになりました。
「まあ、とりあえず、ダウンロードだけしてみるか」
そう思い、ChatGPTをダウンロードしてみました。
AIに最初の聞き手になってもらった、ある夜の出来事
あるとき、「このまま臨床心理士を続けていけるのだろうか」と考えるようになりました。一人ひとりの感情を受け止めようとして、自分のエネルギーが減っていったのです。
「もしかして向いていないのかな…」
誰にも相談できず、ずっと頭から離れませんでした。
ある真夜中のこと。半信半疑でChatGPTを開き、自分の感情を打ち込んでみました。対話を進めていくと、こんな言葉が返ってきたのです。
「あなたはたぶん、人の気持ちを雑に扱えない人なんだと思います」
ハッとしました。
「私はただ、誠実にやろうとしていただけだったんだ」
そう思えた瞬間、胸につかえていたものがほどけていきました。
そして、恐る恐る、もう一つ質問してみました。私はライターに向いているだろうか、ということを。
対話の中で返ってきたのは、私の強みが「観察する・整理する・言葉にすること」だという言葉でした。
その言葉を読んだ瞬間、頭の中で何かがつながりました。
私はずっと、「臨床心理士を続けるか、ライターを目指すか」の二択だと思っていました。でも違ったのです。
人を観察し、思いを整理し、言葉にする。臨床心理士として積み重ねてきた時間は、そのままライターの土台にもなるのです。
「一つだけに決めなくてもいい。自分の経験をつなげていけばいいんだ」
AIとの対話で、初めてそんなキャリアの見方ができたのでした。
AIが最初の読み手になった
それから、ライターの夢を前向きに考えられるようになりました。
先日、SHElikesのライターコミュニティ(SHElikes内の、受講生同士がライティングの学習を深める参加型コミュニティ)がエッセイコンペを主催していました。
「作品を出せば仲間に読んでもらえるなんて貴重な機会だ」と思い、忙しい中ではありましたが、応募することに決めました。
読者の心を動かせる作品にするために、ChatGPTには最初の読み手になってもらいました。
「この一文は伝わる?」
「ここは改行した方がいい?」
「同じ言葉が続いて変かな?」
そんなやりとりを何十往復もしました。
そして、なんとか提出することができました。結果はまだ出ていませんが、しっくり来る作品ができたと感じています。
ChatGPTに作品を作ってもらったわけではありません。私の意志で書きました。
しかし、ChatGPTにフィードバックをもらうことで、一人で書くだけでは気づけなかった課題に気づけました。ChatGPTは、私がライターとして成長していくための相棒のような存在になっていたのです。
仲間に背中を押され、AIと新しいキャリアを見つけ出せた
振り返ると、SHElikesの温かくも熱い仲間たちが、挑戦する勇気をくれました。そして、AIは、新しい一歩を踏み出す相棒になってくれました。
「広い世界で生きたい」と願っていた私も、ようやく暗い地下室を抜け出せた気がします。
広い世界の入り口には、知らない景色が広がっています。SHElikesの仲間たちと、AIという相棒と一緒に、その景色をこれからも歩いていきたいと思います。
※ChatGPTとの対話内容を一部引用しています。
************
本記事はSHElikesの受講生を対象とした「SHEライターコンペ」の採用作品です。(執筆者 松井いらさん)
SHElikesについて
https://cutt.ly/cwv7g0aJ
自分らしいキャリアのヒントに出会えるメディア、SHEsharesはこちらhttps://shares.shelikes.jp/




